[ヨーロッパ映画] カテゴリの記事

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• a Londoni F?rfi （倫敦から来た男）

  ハンガリーの監督タル・ベーラが作ったフィルム・ノワールはめちゃめちゃスローですよ。。。。。港近くの鉄道会社で働くマロワンはある晩殺人事件を目撃する。マロワンは海中に落とされた男が持っていたトランクを引き上げるがその中には大金が入っていた・・・・・。妻と娘の3人暮らしのマロワンはとても貧しいです。娘も働いています。マロワンは大金の入ったトランクを隠しますが、男を殺した犯人に目を付けれらるというサスペンスです。長回しもいい加減にしろ！と言いたくなるぐらいワン・シーンが長いです。一緒に見に行った友達は寝ていました。＿|￣|○登場人物は無表情で淡々とセリフを言っています。アキ・カウリスマキを思わせる演出です。僕は寝ませんでしたが、なかなか映画に集中することができませんでした。でも後半になって目が覚めました！後半のストーリー展開が良かったからです。1時間半以上我慢した甲斐ありました。（笑）終わりよければすべてよし。。。。。バイバイ

  2009/12/13

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• le Silence de Lorna （ロルナの祈り）

  ダルデンヌ兄弟（「ある子供」）の最新作はメチャメチャよかったです。アルバニアからベルギーにやってきたロルナは市民権を取るために闇のブローカーの手を借りてドラッグ中毒のクローディと偽造結婚する。やがてロルナはクローディに特別な感情を抱くようになるが・・・・・。今回も手持ちのカメラによるドキュメンタリー・タッチの映像です。俳優もシロウトではありませんがあまりパッとしないフツーの人たち？！を起用しており、リアリティを出しております。→ロベール・ブレッソン（「少女ムシェット」）を思わせるシンプルなスタイルです。この兄弟の作品はいつも淡々としたストーリーですが、今回はかなり大胆なストーリー展開。しかもロシアのマフィアが絡んでいるサスペンス色の濃い内容ということでとても面白かったです。この映画は去年のカンヌで脚本賞を取ってます。この兄弟監督はとりあえず映画を作ればカンヌで何か賞をもらいますね。とても才能があると思います。バイバイ

  2009/07/31

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• the Lady Vanishes （バルカン超特急）

  僕の敬愛する映画監督の一人アルフレッド・ヒッチコック。この映画は1938年に彼がイギリス時代に作った映画でなかなか面白かったです。アイリスはロンドンへ向かうためヨーロッパ横断鉄道に乗るが、そこでフロイという婦人と同室になる。アイリスはフロイと食堂車でお茶をした後、昼寝をする。目を覚ましたアイリスはフロイがいないことに気付く。ところが列車の乗客の誰もフロイという女性を知らなかった・・・・・。ハリウッドに渡る前にイギリスで撮った低予算の映画なのでヒッチコックらしいカメラ・ワークなどはありませんが、演出のアイデアはとても素晴らしいものがあります。主人公アイリスを演じたマーガレット・ロックウッドという女優がかわいかったです。サスペンス映画ですがハラハラドキドキではなく、ユーモアを交えたエンターテイメント映画と言った感じです。ヒッチコック映画の中でも傑作の一つと言われてますね。バイバイ

  2009/01/18

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• Hori, Ma Panenko （火事だよ！カワイ子ちゃん）

  「火事だよ！カワイ子ちゃん」って。。。。。ドリフターズの映画みたいなタイトルですね。（笑）チェコスロバキアの映画です。あるいなか町の消防署でかつての署長が86歳になるということで町民を集めてパーティをすることになる。そしてパーティに集まった女性の中から数人を選んで美人コンテストを開催するのだが・・・・・。ミロス・フォアマン監督（「アマデウス」）がチェコにいた頃作った映画で当時（1967年）共産主義だったチェコを風刺したコメディ映画です。登場人物は全員しろうとで棒読みのセリフで下手な演技が余計に笑えます。共産主義批判の映画ということでチェコではずっと上映禁止だったみたいです。どの辺をどう風刺していたのかよく分かりませんでしたが、単純に笑える映画です。バイバイ

  2008/12/22

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• Vampyr （吸血鬼）

  吸血鬼が牙をむき出し若い女性に次々と襲い掛かる。。。。。かも。。。。。青年アラン・グレイは旅の途中で旅館を見つけてそこに泊まることにする。その晩ある男が彼の部屋に急に現れて「あの娘を助けなければ」という謎の言葉を残して消えるが・・・・・。デンマークの巨匠、カール・ドライエル監督が1931年に作った映画です。セリフ、字幕、効果音のみによる表現方法で、サイレントではないんですがサイレントとトーキーの間といった感じの映画です。吸血鬼伝説の映画ですが。。。。。吸血鬼は直接的には出てきません。しかも血を吸うシーンもないです。現実と幻想のシーンを混ぜたようなシュールな映像で吸血鬼の存在を観客一人一人が感じ取る映画です。→実験映画と言えなくもないです。ドライエル監督は光と影の使い方がとてもうまいです。芸術的です。素晴らしいです。吸血鬼のいない吸血鬼映画。どうでしょうか？バイバイ

  2008/12/15

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• Slumdog Millionaire

  ダニー・ボイル監督（「シャロウ・グレイブ」）が作ったインド映画？！ですが、メチャメチャ良かったです。最後は感動して涙が出ました。(ToT)アメリカ発のクイズ番組「Who Wants To Be A Millionaire」は今や世界中で大ヒット。ムンバイのスラム街で育ったジャマルはインド版のこのクイズ・ショーに登場することになる。彼は次々と正解していき1,000万ルピーを獲得する。そして最終問題を正解すれば最高額の2,000万ルピーに。。。。。ところが正規の教育を受けてないジャマルが全部正解するのはおかしい、インチキをしてるじゃないかという理由で最後の問題を前に警察に逮捕されてしまうが・・・・・。この映画は逮捕されたジャマルが警察にスラム街で生まれ現在に至るまでの生い立ちを回想するというストーリーになっています。映画で見る限りインドのスラム街は混沌とした世界。ビックリ仰天のカオス状態！凄いです！その中で兄サリムと共にたくましく育っていくジャマルの様子がとてもパワフルに伝わってきます。幼い兄弟が一生懸命生きる姿、「生」そのものを強烈に感じることができる映画です。ジャマル、サリムなど出てくる俳優がみんな生き生きしていていいです。もちろん全員インド人ですがインドでは有名な俳優なんでしょうか。ジャマルが好意を持つ女性ラティカを演じている女優もメチャメチャかわいかったです。ボイル監督のカメラ・ワーク、編集は相変わらずカッコいいです。でもそれ以上に今回はストーリーがメチャメチャ良かったです。来年のアカデミー作品賞にノミネートされるかも？！というビミョーなうわさの映画ですが(笑）僕は最近見た映画のなかではナンバー1です。ぜひ見て欲しい映画です。バイバイ

  2008/12/07

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• 24 Hour Party People （24アワー・パーティ・ピープル）

  セックス、ドラッグ、ロックンロールを描いたこの映画はメチャメチャ面白かったです。イギリスのマンチェスターが舞台です。1976年テレビ局のリポーターや司会をしているトム・ウィルソンはセックス・ピストルズのライブを観て刺激を受け、友達と「ファクトリー・レコーズ」というインディ・レーベルを立ち上げる。そしてそのレーベルからはNew OrderやHappy Mondaysなどのニュー・ウェイブ・バンドがブレイクするのだが・・・・・。事実を基にした実在の人物トム・ウィルソンのロックンロール人生を描いた作品です。彼はのちにマンチェスターに「ハシエンダ」というでかいクラブを作ります。ここはレイヴ・パーティのメッカということで世界的に有名だったみたいですね。映画で見る限りですが、とても楽しそうなクラブでした。行ってみたいです。でも「ハシエンダ」はドラッグとギャングがはびこり、発砲事件が多発して1997年にクローズしました。そしてこの映画にも登場していた本人トム・ウィルソンは2007年8月に亡くなったみたいです。バイバイ

  2008/12/01

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• Once （ダブリンの街角で）

  アメリカでは公開当時かなり評価が高かったので気になって見ましたが。。。。。アイルランドの首都ダブリン。いつも路上でフォーク・ギターを弾いている男の前に花売りの女が現れる。女はチェコの移民で貧しいためたまに近所の楽器店でピアノを弾いている。男と女は意気投合してセッションをすることになるが・・・・・。手持ちのHDによるドキュメンタリー・タッチの撮影です。主人公の男と女（この映画の登場人物は名前がありません。）はそれぞれ実際にアイルランドで活躍しているミュージシャンみたいです。そして映画全体で彼らのオリジナル曲が流れています。→ミュージカルっぽい映画ですね。実際にこの2人は「ONCE」というバンド名で映画公開前後にツアーをしてました。エンディングは感動しました。とてもよかったです。でも曲が好きになれないんですよね。。。。。残念です。ネットで曲を試聴して気に入ったら見るといいと思います。音楽メインの映画ですから。バイバイ

  2008/11/21

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• Happy-Go-Lucky （ハッピー・ゴー・ラッキー）

  マイク・リー監督（「ネイキッド」）が作ったタイトルどおり底抜けに明るい映画でメチャメチャ面白かったです。幼稚園の先生ポピーは30歳の独身で彼氏もいない。でも彼女は週末は友達とクラブへ出かけたり、フラメンコを習ったりと人生をエンジョイしていたが・・・・・。能天気と言うか。。。とにかくポジティブな女性ポピーの物語です。特にドラマチックなエピソードがあるわけではありません。何気ない日常生活をいつも明るく乗り切っていくポピーを淡々と描いた映画です。最後の最後までご機嫌なポピーです。（笑）でも単なるおバカキャラではなく、実はいろいろなことを考えた上での能天気キャラじゃないかと思える部分もあります。もちろん答えはないです。見た人が感じるままのポピーですね。映画館出た後しばらくハッピーになれますよ。バイバイ

  2008/10/20

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• NATTVARDSGASTERNA （冬の光）

  イングマール・ベルイマン監督が1962年に作ったこの映画は「神の不在」3部作の一つです。他の3部作は「鏡の中にある如く」と「沈黙」です。スウェーデンの田舎で牧師をしているトマスは自分の信仰に対して自信が持てなかった。そんな彼のもとにヨナスとカリンの夫婦がやってくる。カリンは夫ヨナスの精神が不安定なので安らぎを与えて欲しいと頼むが・・・・・。ヨナスは新聞で中国が核開発をしているという記事を見てから精神が不安定になってしまいました。トマスが話をするも結局彼は自殺してしまいます。ネットでチェックしたらこれがベルイマン映画の最高傑作ということらしいです？？？僕は正直ちょっと退屈でしたが。。。。。トマスを演じるのはグンナール・ビョルンストランド、トマスの愛人はイングリット・チューリン、カリンを演じるのはグンネル・リンドロム、ヨナスはマックス・フォン・シドーと「鏡の中にある如く」「沈黙」にも出ているベルイマン映画常連の役者ばかりです。「沈黙」ではかなりエロかったグンネル・リンドロムですが、今回は子供をかかえた田舎の地味なおばちゃんでした。。。。。＿|￣|○役柄によって本当に変わりますね。女優はすごいです。バイバイ

  2008/09/25

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• Tystnaden （沈黙）

  18歳未満お断りのベルイマン映画？？？？？作家のエステルは妹アンナとその息子ヨハンと共に列車で旅行をしていた。ところが途中でエステルは病気になってしまう。彼女らは見知らぬ国の見知らぬ町で降りてしばらく滞在することになるが・・・・・。イングマール・ベルイマン監督が1963年に作った映画でメチャメチャ良かったです。この作品は「鏡の中にある如く」「冬の光」と同じ「神の不在」をテーマにした3部作シリーズの1つです。。。。。ただ、ちょっと無理矢理のような。。。。。姉エステルと妹アンナの人間関係、確執がテーマのような気がします。どちらかと言うと「ペルソナ」に近いんじゃないでしょうか。エステルを演じるのはイングリット・チューリン（「野いちご」）です。そしてアンナを演じるのはグンネル・リンドブロムです。彼女はめちゃめちゃエロいです。この映画は日本公開当時成人指定にされたそうです。セックス・シーンは過激というわけではないんですが、確かにかなりエロいですね。これはやはりベルイマンの演出がかなりうまいんだと思います。ベルイマン映画の舞台は孤島だったり、避暑地の大邸宅だったりと世間から隔絶されたロケーションが多いですね。今回は言葉の通じない見知らぬ町のホテルが舞台で、登場人物は人が大勢いるにもかかわらず孤独を感じます。キャラクター同士がお互いに向き会うような設定になっているんですね。「沈黙」というタイトルどおり映画全体はとても静かな印象を受けます。音の使い方もかなり計算されている感じです。ベルイマンはすごいですね。感心します。バイバイ

  2008/09/20

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• Sasom I En Spegel （鏡の中にある如く）

  イングマール・ベルイマン監督（「道化師の夜」）が神の存在をテーマにしたとても哲学的な重厚な映画です。孤島の別荘を舞台に作家デヴィッド、精神分裂症の娘カリン、彼女の夫で医師のマーティン、カリンの弟ミナスの4人だけのストーリーです。デヴィッドは直る見込みのない娘カリンについて作家の目で彼女の症状を日記に書いていた。ある日カリンはその日記を盗み見してしまい症状がいっそう悪くなっていくのだが・・・・・。白黒の映像はとてもきれいです。カリンを演じるのはハリエット・アンデルセンです。彼女は「不良少女モニカ」に出ており体を売りにしたセクシー女優という印象でしたが、とんでもない！精神分裂症のヒロインをとてもうまく演じていました。演技のうまい女優です。医師マーティンを演じるのはベルイマン映画の常連マックス・フォン・シドー（「第七の封印」）です。カリンだけではなく4人のキャラクターがそれぞれ悩みや問題を抱えています。しかも孤島を舞台にした4人だけのキャラクターという設定なので孤独感がとても伝わってきます。素晴らしい映画ですね。。。。。リラックスして見える映画ではないです。姿勢を正して集中して見ないといけないですね。もう一度見直します。（笑）バイバイ

  2008/09/12

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• Shallow Grave （シャロウ・グレイブ）

  ダニー・ボイル監督（「28週後」）が1994年に作ったこの映画は彼の長編デビュー作でとても面白かったです。スコットランドの都市グラスゴー。アレックス、デヴィッド、ジュリエットの3人は豪華なアパートに共同で住んでいた。彼らは4人目のルームメイトを募集してヒューゴという作家を選ぶが、彼は入居した次の日部屋で死体となって発見される。そして彼らはヒューゴの部屋から麻薬と大金を発見するのだが・・・・・。明るい仲良し3人組が大金を見つけ死体を処理してから、関係が変わっていき人格も変わっていくというストーリーです。脚本がよくできておりカメラ・ワークもカッコいいです。アレックスを演じるのはユアン・マクレガー（「ビッグ・フィッシュ」）です。彼はこの映画の後再びボイル監督と組んで「トレインスポッティング」に出演して大ブレイクしますね。プロットというよりは大金を前にして性格が変わっていく登場人物を中心に描いており、それがとても良かったです。人間、欲には勝てないですね。。。。。僕もそうですが。。。。。バイバイ

  2008/06/21

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• the Queen （クィーン）

  これはダイアナ妃が亡くなってからのエリザベス女王の一週間の様子を描いた作品でとても面白かったです。1997年8月31日、パパラッチのカーチェイスによってパリで亡くなったダイアナ妃。彼女は離婚して王室とは縁がなくなっていたためエリザベス女王は沈黙を守っていたが、それが国民やマスコミには薄情とうつり彼女は窮地に立たされる。当時就任したばかりのブレア首相は国民と王室の間で事態を収集しようとするのだが・・・・・。事実をもとにしたドラマでストーリーは実際のダイアナ妃のニュース映像などを間に入れながら展開します。エリザベス女王をはじめ、チャールズ皇太子やブレア首相など似た俳優を起用しており、リアリティある映画ですがどこまでが本当でどこまでが想像なのかは分かりません。（見た印象ではかなり事実に忠実なような気もしますが。。。。。）エリザベス女王を演じるのはヘレン・ミレンです。彼女はこの役でアカデミー主演女優賞をはじめいろいろな賞を取っています。確かにとてもうまかったです。演出はスティーヴン・フリアーズという人で「堕天使のパスポート」を作った監督でした。（気付かなかった。。。。。）気になったのは女王の夫、フィリップ殿下です。女王の夫って何なんでしょう？役割としては女王が夫で夫が妻？！なんでしょうけど。。。。。よく分からなかったです。それにしてもダイアナ妃が亡くなったのが97年で、もう11年になるんですね。時間経つのが早いと感じるのは僕だけでしょうか。。。。。バイバイ

  2008/06/14

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• Gycklarnas Affon （道化師の夜）

  イングマール・ベルイマン監督（「第七の封印」）が1953年に作ったこの映画はまあまあでした。サーカス団の座長を務めるアルベルトは曲馬師のアンナを愛人にしていた。ある日彼らのサーカス団はアルベルトの町にやってきた。そこにはアルベルトの妻と子供が暮らしていた。そしてアルベルトは3年ぶりに家族に会いに行くのだが・・・・・。喜劇とも悲劇ともとれるようなベタなメロドラマという印象の映画です。ベルイマン監督自身はこの映画を結構気に入ってるみたいですが公開当時は酷評でヒットしなかったみたいです。アンナを演じるのはハリエット・アンデルセンで「不良少女モニカ」でもそうでしたがとてもセクシーです。サーカス団のストーリーということでどことなくフェリーニの「道」の雰囲気を思わせます。ベルイマン監督の演出はうまいです。とても勉強になります。ベルイマン・ファンの方はどうぞご覧ください。バイバイ

  2008/05/10

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• Det Sunde Inseglet （第七の封印）

  イングマール・ベルイマン監督（「歓喜に向かって」）が1958年に作った映画ですが。。。。。ペストが蔓延する14世紀のヨーロッパ。十字軍遠征から生還した騎士アントニウスは死神に遭遇する。そして死神とのチェスに勝ったら生かされることになるのだが・・・・・。ベルイマン映画の中でも代表作の一つにあげられるみたいですが、僕はイマイチでした。死生観を中世ヨーロッパを舞台に寓話的に描いた作品ですが、あまり伝わってきませんでした。騎士アントニウスを演じるのはベルイマン映画の常連マックス・フォン・シドー（「潜水服は蝶の夢を見る」）です。そして脇役にこれまた常連のビビ・アンデショーン（「ペルソナ」）も出ています。黒頭巾をかぶった死神のおっさんは怖いというよりちょっと愛嬌があり滑稽に見えました。→とんねるずのもじもじくん？！バイバイ

  2008/05/03

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• the Wind that Shakes the Barley （麦の穂をゆらす風）

  今日は昨日（「ファニーゲーム」）に続き暴力がテーマです。国と国との暴力→戦争ですね。1920年イギリスの支配を受けてきたアイルランドは独立の気運が高まってきた。南部の町コークで医者を目指すデミアンだったが、彼もまた独立のため兄テディと共に武器をとり独立戦争に参加するのだが・・・・・。独立戦争によりイギリスとアイルランドは講和条約を結びますがその条約はアイルランドの完全独立にはなっていません。そのため国内で条約賛成派と反対派が対立することになり内戦に発展していきます。そして弟デミアンと兄テディは敵味方になってしまうというストーリーです。兄弟が意見の違いから戦うことになるという部分はフィクションなんでしょうけど、アイルランドがイギリスから独立する経過は史実に忠実だと思います。この映画は2006年のカンヌ映画祭で最高賞のパルムドールを受賞しています。昨日の「ファニーゲーム」は理由のない暴力でしたが、この映画は国のため、家族のため、愛する人のためという理由のある暴力です。理由があってもなくても暴力は暴力です。捕虜になったテディがつめをはがされるシーンや、裏切り者を射殺するシーンなんかは見てて不快になりました。次回は楽しい映画にしましょう。（笑）

  2008/04/29

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• Funny Games （ファニーゲーム）

  少年たちの美しい友情を描いた昨日の「ハリー・ポッター」とはうって変わって、今日は暴力が観るものを不快にするハネケ映画です。父ゲオルグ、母アナ、息子ショルシのショーバー一家はヴァケーションのため湖の別荘に向かう。別荘に到着し一家はボート・セイリングの準備を始めるがそこへペーターという若者がやってきてたまごを4つわけてもらえないかと言うのだが・・・・・。暴力がいつもテーマになっているミヒャエル・ハネケ監督（「71フラグメンツ」）が1997年に作った、まさに暴力の映画です。過激な暴力シーンがあるわけではありません。泣いて懇願する家族に容赦しない若者2人のストーリーで「暴力が不快なものであるということを再認識してほしかった。」とハネケ監督は言っています。確かに観てて不快になってきますが、この映画に限らずハネケ映画はどれも不快になります。（笑）でもそこがこの監督のすごいところだと思います。人間の悪の部分を毎回むき出しで映像に表現しており強烈な印象を与えます。映画の途中若者の一人がカメラ目線で「この一家が明日の朝9時までに全員殺されるかどっちだと思う？」と観客に向かって問います。観客をも挑発する不快な映画とも取れますが、むしろカメラ目線によってリアリティが半減されたような気がします。映画に感情移入していた観客はこのカメラ目線による挑発のシーンによって自分たちは映画を見ているんだということを確認することになります。あくまでもフィクションなんだと再認識することによって少し安心感が出て来ます。どうしてハネケ監督がこういう演出をしたんでしょうか？見てる側を茶化すことによって余計に不快感を増すような計算だったのか、それとも過激な映画になり過ぎてしまうので抑えるための演出だったのか。。。。。本人に聞いてみたいです。不快感を与えるだけではなく緊張感のあるとても素晴らしいサスペンス映画にもなっています。主人公ゲオルグを演じる俳優はどっかで見たことあるなあと思っていたら「善き人のためのソナタ」の主役でした。この映画はハネケ監督自身がハリウッドでリメイクをしており最近アメリカで公開されてました。前から見たかった映画だったのでリメイク版を見ようと思っていましたが評価があまり良くなかったのでオリジナル版のDVDを見ました。リメイク版はナオミ・ワッツ（「マルホランド・ドライブ」）とティム・ロス（「レザボア・ドッグス」）が夫婦役でいじめられています。ハネケ映画は過去に何本も見ておりこの映画の内容もある程度知っていたので衝撃はもちろんありましたが、強烈ではありませんでした。できればこの映画は何の知識もなしに見て欲しいですね。。。。。ってこれを読んでる人は映画の雰囲気分かっちゃってますから。。。。。→映画ブログの矛盾？！バイバイ

  2008/04/28

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• Hot Fuzz （ホット・ファズ　俺たちスーパーポリスメン！）

  この映画は評価がとても高く前から見たかった映画でした。メチャメチャ良かったですよ。日本ではこの夏に公開するみたいですがぜひ見て欲しい映画です。イギリスが舞台です。ニコラス・エンジェルはロンドンのエリート警察官です。成績がずば抜けていいため仲間から疎まれ、サンドフォードへ左遷されてしまう。エンジェルが着任したサンドフォードは事件がいっさい起こらない静かな町だったが・・・・・。アクション・コメディ映画？コメディ・アクション映画？の傑作です。笑えるだけではなくアクション・シーンも迫力があります。演出、脚本、カメラ・ワークとどれもうまいです。イギリスらしい？！細部にもこだわった映画になっています。監督のエドガー・ライトはゾンビ・パロディ映画「ショーン・オブ・ザ・デッド」で注目を集めた人です。クエンティン・タランティーノ監督（「レザボア・ドッグス」）はその映画を見てライト監督を気に入り、彼の映画「グラインドハウス」のニセ予告編の製作を頼んだぐらいです。ニコラス・エンジェルを演じるのはサイモン・ペッグで、この人はこの映画の脚本を監督と書いています。記憶になかったんですが「MI3」に出てたみたいです。笑えてアクションも迫力あるっていう映画はあまりないんじゃないでしょうか。1つの映画で2つの要素が楽しめる映画です。。。。。あっ、それからもう1つ。。。。。ゾンビ映画を作っている監督です。なので残酷なシーンも出てきます。スプラッタ・シーンも楽しめる映画ですね。（笑）バイバイ

  2008/04/26

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• the Libertine （リバティーン）

  17世紀のロンドンを舞台にしたジョニー・ディップ（「スウィーニー・トッド　フリート街の悪魔の理髪師」）主演のコスチューム劇はまあまあでした。貴族のジョン・ウィルモットはセックスと酒に溺れる詩人である。彼は国王の宴の場で卑猥な詩を朗読したためロンドンから追放される。1673年恩赦によってロンドンに戻ってきたウィルモットは国王からフランス外交官を招待するための戯曲を書いてくれと頼まれるが・・・・・。ジョン・ウィルモットは実在する人物です。酒とセックス三昧の人生で詩を語り、戯曲を書くアーティストでした。しかし梅毒によって33歳の若さで亡くなっています。現在で言えばエイズで亡くなったロック・スターみたいなものでしょうか。ストーリーはイマイチ盛り上がりに欠けました。たいした山場もないままウィルモットが梅毒になっちゃった印象です。ウィルモットを演じるのはジョニー・ディップで演技もうまくかっこ良かったです。国王を演じるのはジョン・マルコビッチ（「アート・スクール・コンフィデンシャル」）です。もともと彼は舞台ヴァージョンの「リバティーン」でウィルモットを演じました。そして映画化の企画も彼が考えプロデューサーとしても参加しています。で、どうなんでしょう？ジョニー・ディップとジョン・マルコビッチ両方がジョン・ウィルモットを演じたということです。。。。。全然違うやん！ジョニー・ディップはロック・スターとして神話化されたウィルモット、ジョン・マルコビッチの方はリアリティあるウィルモットといったところでしょうか。でもジョニー・ディップの後にマルコビッチのウィルモットは見れないですね。（笑）バイバイ

  2008/04/07

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• Good Bye, Lenin! （グッバイ、レーニン！）

  これは2003年のドイツ映画で、当時アカデミー外国語映画賞、ゴールデン・グローブ賞などにノミネートされていました。ずっと気になっていた映画で今日ようやくDVDで見ることができましたが、あまり面白くありませんでした。東ベルリンに住む青年アレックスはテレビの修理工として働いていた。彼は姉アリアーネ、母クリスティアーヌとの3人暮らしです。医者である父はアレックスが幼少の頃西ドイツに亡命していた。1989年アレックスは反社会主義デモに参加して警備隊と衝突する。そしてその様子を偶然目撃したクリスティアーヌは心臓発作で倒れてしまい昏睡状態になるが・・・・・。クリスティアーヌは愛国心の強い女性で彼女は8ヶ月間昏睡状態になります。目を覚ましたときは東西ドイツが統合されていました。心臓発作の再発の恐れがあると医者に言われたアレックスはショックを与えないようにドイツ統合以前の東ドイツを母に必死に見せようとするストーリーです。ドイツ統一後東ベルリンのいたるところにコカ・コーラのポスターが貼られるようになり、アリアーヌはバーガー・キングで働くようになります。→国が資本主義体制になるということはアメリカ企業のビジネス拡大を意味してるということがよく分かりました。コカ・コーラの赤いロゴで埋め尽くされ、ベルリンの街は資本主義というよりは共産主義を思わせる皮肉な印象を与えています。ベルリンの壁崩壊前後の東ドイツを描いた映画として「善き人のためのソナタ」がありますが、そちらの方が全然良かったです。バイバイ

  2008/03/24

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• Keeping Mom

  これはイギリスのコメディ映画であまり期待せずに見ましたがなかなか面白かったです。人口57人のあるイギリスの小さい村が舞台です。教会の牧師ウォルターは間近に迫ったキリスト教の会議でスピーチをしなければならず原稿を考えるのに忙しかった。妻グロリアはゴルフ・レッスンのコーチと浮気しており、17歳の娘ホリーは毎回付き合う男を変え、小学生の息子ペツィーは学校でいじめられている。ところがウォルターは何も気付いていなかった。ある日彼らの家に新しい家政婦グレースが来てみんなの世話をすることになるのだが・・・・・。このおばあちゃん家政婦グレースが家族の絆を取り戻すためにとんでもないことをすると言うストーリーです。牧師ウォルターを演じるのはローワン・アトキンソンです。。。。。ミスター・ビーンと言ったほうが分かりやすいですね。結構まじめな牧師役ですがとても良かったです。いい味出していました。ウォルターの妻グロリアを演じるのはクリスティン・スコット・トーマスです。彼女は派手な雰囲気はないですけどメチャメチャ色気がありますね。フェロモンが出ています。（笑）グロリアの浮気相手のゴルフ・コーチをパトリック・スウェイジが演じています。この人「ゴースト」の主人公だった人ですよ！この映画ではメチャメチャ胡散臭いおっさんになっていました。どこにでもいるアメリカのおっさんという感じでした。。。。。＿|￣|○「ゴースト」でスウェイジ・ファンになった人はこの映画見ない方がいいです。（18年前の映画なのでいまどきいないか。）でもこの映画、日本では未公開みたいですね。結構有名な俳優が何人も出てるんですけどなぜでしょう？？？バイバイ

  2008/03/03

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• Das Experiment （es　エス）

  全然期待してませんでしたが。。。。。メチャメチャ良かったです。もっと早く見ればよかった。（笑）ドイツでタクシー運転手をしているタレクは大学のある心理実験に参加することになる。報酬は4,000マルク。看守役、囚人役に分かれて模擬刑務所で2週間過ごしそれぞれの精神状態を見るための実験である。タレクは囚人役に選ばれ、他数名と共に刑務所に入れられることになるが・・・・・。1971年スタンフォード大学で実際に行われた実験をもとにした映画です。看守役はだんだん支配的、攻撃的になっていき、囚人役は受動的、服従的になり何人かが情緒不安定になったため2週間の予定の実験が6日で中止になりました。この映画はそのときの様子をドキュメンタリー・タッチにしてるのではなく、かなり脚色して過激になっています。囚人役タレスと看守役ベルスのいがみ合いを中心にストーリーは展開していきます。タレスは看守の言うことを聞かずナメているのでベルスはタレスをいすに縛りつけ頭をバリカンで刈ってしまいます。そしてその頭に何人かの看守役がおしっこをかけ、タレスに屈辱を与えます。こういった直接的ではない間接的な暴力（いじめ？！）によって囚人役はどんどん精神的におかしくなっていきます。見てる側も過激な暴力シーンはないけどこたえますね。なかなかうまい演出だと思います。主役のタレスを演じるのはモーリッツ・ブライブトロイで「ラン・ローラ・ラン」に出ていました。なかなかワイルドでカッコいいドイツの俳優です。全然気付かなかったんですが監督のオリヴァー・ヒルシュビーゲルは「ヒトラー　～最後の12日間～」の監督でした。現在このタイプの心理実験は中止されていますが、もしあったらちょっと参加してみたいです。看守役でどこまで過激になるのか、囚人役としてどこまで屈辱に耐えれるのか、自分の精神の限界を見てみたいです。バイバイ

  2008/02/19

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• Murder on the Orient Express （オリエント急行殺人事件）

  シドニー・ルメット監督（「Before the Devil Knows You're Dead」）が1974年に作ったサスペンス映画です。1935年オリエント急行がヨーロッパに向けてイスタンブールから出発した。出発してから2日目の夜に大雪のため列車は途中で立ち往生してしまう。そして乗客の一人でアメリカの大富豪ラチェットが何者かに殺されてしまう。列車に乗っていた名探偵ポワロは乗客を集めて犯人を捜し始めるのだが・・・・・。アガサ・クリスティ原作を豪華スターで送るミステリーです。ポワロを演じるのはアルバート・フィニー（「ボーン・アルティメイタム」）です。他にイングリッド・バーグマン（「カサブランカ」）、ショーン・コネリー（「007/サンダーボール大作戦」）、ローレン・バコール（「三つ数えろ」）、アンソニー・パーキンス（「サイコ」）、ジャクリーン・ビセット（「ブリット」）などが出ています。シドニー・ルメット監督の演出はうまいです。「デストラップ・死の罠」でもそうでしたが狭い空間での演出はいいですね。狭苦しい感じ、閉塞感がとても出ていて良かったです。急行列車の中だけという狭い空間の中だけで会話中心のストーリー展開ですが俳優の演技とルメット監督の演出で飽きずに最後まで見せてくれます。バイバイ

  2008/01/12

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• Die Blechtrommel （ブリキの太鼓）

  カンヌやアカデミーで賞を取りまくった1979年のドイツ映画で、メチャメチャ面白かったです。20世紀初頭のポーランドが舞台です。3歳の誕生日を迎えたオスカルは自分の母が父の目を盗んでいとこと不倫しているのを知り大人にならないことを決心する。彼は地下のワイン・セラーにわざと落ちて気絶し、それ以来成長することを止めてしまうが・・・・・。オスカルは青年になっても3歳のままです。そして常にブリキの太鼓を携帯して鳴らしながら歩いています。やがてナチスの台頭によりポーランドは侵攻され占領されますがその後敗戦という激動の時代をオスカルの目を通して描かれています。監督の演出がエグくて面白かったです。生きたかえるを子供たちが鍋に入れて煮るシーンやオスカルの母親が狂って生魚を丸ごと食べるシーン、オスカルが女性の股間に顔をうずめるシーンなどグロテスクな絵がいっぱいです。脚本はブニュエルとずっとコンビで書いてきたジャン・クロード・カリエールが参加しています。カリエールらしいシュールな現実と幻想の区別がつきにくいストーリーになっていて良かったです。でもなんと言ってもオスカルを演じたダーヴィット・ベネントがとても良かったです。変わった子供を本当に自然に演じていました。奇怪な子供オスカルにぴったりです。よく見つけてきましたね。子役に対する監督の演出も良かったんだと思います。ナチスのポーランド侵略というとても重たいストーリーですが映画自体はコミカルな雰囲気になっています。悲惨なことがいっぱい起こるんですがオスカルがオスカルだけにちょっと笑えてきますね。後半オスカルは父の後妻に惚れます。そして彼女の股間に顔をうずめてみたり、へそをなめたり、上に乗って腰を振ったりします。それが児童ポルノだということで1997年にオクラホマ・シティでこの映画が児童擁護団体から訴えられ裁判で擁護団体の勝利。オクラホマ・シティでは「ブリキの太鼓」は販売、レンタルが禁止になりました。ところが表現の自由に反するということで最終的には連邦裁判で争われて結局「ブリキの太鼓」は児童ポルノではないという判決になりました。そして皮肉なことに現在オクラホマ・シティでもっともレンタルされている外国映画は「ブリキの太鼓」ということです。。。。。確かにエログロな映画ですね。（笑）バイバイ

  2007/12/05

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• Till Gladje （歓喜に向かって）

  イングマール・ベルイマン監督（「危機」「渇望」「愛欲の港」）が1950年に作った映画です。オーケストラのヴァイオリニスト、スティグは同じ楽団員のマルタと結婚する。そして彼はヴァイオリニストとして有名になりたいため指揮者に頼んでソロ・デビューを果たすが、結果は散々だった・・・・・。ベートーベン、モーツァルト、メンデルスゾーンの交響曲が聴けます。ベートーベンを演奏する楽団員たちの様子をドキュメンタリー風に5分以上撮影しているシーンもありました。初期のベルイマンです。悪くはないんですがもういいですね。まだまだ彼の個性が出てない映画です。この映画の2年後に「不良少女モニカ」を作っています。そちらはとても良かったのでこの頃を境にしてベルイマンは映画監督として飛躍したんじゃないでしょうか。オーケストラの指揮者をヴィクトル・シェストレム（「野いちご」）が演じています。この人はもともとサイレント期に活躍した映画監督みたいですが、役者としてもとてもいい味出しています。いい感じのおじいちゃんです。バイバイ

  2007/11/26

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• Kris （危機）

  イングマール・ベルイマン監督（「愛欲の港」「渇望」）が作った記念すべき長編第一作目です。田舎のピアノ教師に育てられたネリーだったが、ある日ストックホルムでビューティ・ショップを経営する実母ジェニーが突然現れる。ネリーは迷った挙句ジェニーと共にストックホルムで生活することになるが・・・・・。田舎から都会へ行き少女から大人へ成長するネリー、実母と養母の対立、ジェニーの愛人ジャックが娘のネリーと付き合うようになるなどいろいろな人間ドラマが入った映画でなかなか良かったです。ベルイマン映画一作目と言うことで演出に関してはまだスタイルが確立されてませんがなかなかいい作品でした。バイバイ

  2007/10/07

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• Torst （渇望）

  イングマール・ベルイマン監督が1949年に作った映画ですが。。。。。バレリーナのルートは妻子あるラウルと不倫をしていたが、ある日彼女が妊娠したことを知るとラウルは急に冷たくなり堕胎してしまう。ラウルと別れた後ルートはバッティルと結婚して列車での新婚旅行中だったが、彼女は足を怪我してダンスができなくなったこと、堕胎したことで不妊症になったことなどで精神的に弱っており夫と口論が耐えなかったが・・・・・。これは初期のベルイマン作品で、前回見た「愛欲の港」同様まだ彼のスタイルが確立されていません。しかもベルイマンはいつも脚本を自分で書くんですがこれは他人の脚本です。と言うことでどうでしょう？ベルイマンの映画と言われても少し？？？です。会話中心による男女のすれ違いを現在と過去の回想シーンを混ぜたストーリー構成で描いており悪くはないんですが、僕はベルイマンらしさを期待してしまったのでちょっと残念でした。この頃はまだベルイマンも監督を始めた頃で商業映画しか撮らせてもらえなかったみたいなので仕方がないんですが。。。。。バイバイ

  2007/09/28

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• Hamnstad （愛欲の港）

  日活ロマンポルノみたいなタイトルですが決してエロ映画ではありません。イングマール・ベルイマン（「ペルソナ」「不良少女モニカ」）が1948年に作った映画です。8年間船員をしていたヨスタは船乗りに飽きて陸での仕事を探すためある港町に来る。そこで海に投身自殺しようとしたベリトを助ける。数日後ダンス・ホールでヨスタとベリトは偶然再会して2人は付き合うようになるが・・・・・。ベルイマン初期の作品ですがすでにうまい演出をしています。厳しい現実を生きる若い2人のラブ・ストーリーで、メロドラマという形で日本では紹介されていますがベルイマンの演出なので昼メロのようなベタベタ感はありません。ライティングが素晴らしくとてもきれいな白黒映画でした。スウェーデンの空気のせいか、どの撮影監督もうまいのか、ベルイマンの映画はどれも映像がきれいですね。バイバイ

  2007/09/20

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• Moartea Domnului Lazarescu （ラザレスク氏の最期）

  今日はルーマニア映画です。映画館で見ようと思って結局逃してしまいましたが、ようやくDVDで見ることができました。なかなか面白かったです。ルーマニアの首都ブカレスト。身寄りのない老人ラザレスクは猫3匹と一緒に孤独に生活していた。ある土曜日の晩ラザレスクは頭が痛くなり吐き気をもよおす。隣に住む中年夫婦に助けを求めて救急車を呼びラザレスクは病院に運ばれるのだが・・・・・。脳と肝臓をやられて緊急手術の必要なラザレスクですが病院をたらい回しにされるというブラック・コメディです。ルーマニアの医療システムを痛烈に批判したテーマなんでしょうか、そのあたりはよく分かりませんがどの病院の医師たちも深夜の救急患者に対して面倒くさそうな応対でやる気がありません。死にかけの老人を前にして病院のルールがどうとか、法律がどうとか、患者が多すぎて忙しいとか言って人道的な立場をとる医者がいません。コメディなので最初は笑って見てましたが、登場する医師たちがあまりにもひどいので途中からだんだん腹が立ってきました。手ぶれの多い手持ちカメラによるドキュメンタリー・タッチの撮影でよりリアリティがありました。今年のカンヌで最優秀作品賞を受賞した「4 Months, 3 Weeks, 2 Days」はルーマニア映画ですし、前に見たルーマニアの「ブカレストの東、12時8分」も去年のカンヌで新人監督賞を取っています。今ルーマニア映画はとても熱い！バイバイ

  2007/09/14

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• 71 Fragmente Einer Chronologie Des Zufalls （71フラグメンツ）

  ミヒャエル・ハネケ監督（「セブンス・コンチネント」「隠された記憶」）が1994年に作った映画ですが、ハネケらしい強烈な印象はありませんでした。あるクリスマス・シーズンのウィーン。19歳の大学生が銀行に押し入り銃で3人を殺した後、自らも自殺する事件が起こった・・・・・。19歳の大学生、ルーマニアから国境を越えてオーストリアに密入国する少年、子供ができたばかりのうまくいっていない中年夫婦などいろいろな人々の生活を断片的に紹介して人々と社会のかかわりについて描いた映画です。スタイルは前回見た「セブンス・コンチネント」と一緒ですが淡々と始まり淡々と終わった印象です。この人の映画は淡々とした展開の中に狂気が含まれていて、それがパワフルに迫ってくるんですが今回はパワー不足でした。ただハネケということで期待しすぎていたのかもしれません。そんなに悪い映画ではないですよ。（どっちやねん！（笑））バイバイ

  2007/08/23

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• La Double Vie de Veronique （ふたりのベロニカ）

  僕の敬愛する映画監督の一人クシシュトフ・キェシロフスキ。（「殺人に関する短いフィルム」）これは彼が1991年に作った映画でメチャメチャ良かったです。ポーランドとパリが舞台です。ポーランドのある町、コンサート歌手としてデビューすることになったベロニカは演奏会当日、舞台の上で胸の痛みに襲われ死んでしまうが・・・・・。ポーランドとパリに住む全く同じ2人のベロニカのシュールなストーリーです。セリフがほとんどなくポーランドのベロニカ、パリのベロニカの日常生活を断片的にスローに表現しています。そのベロニカを演じるのはイレーヌ・ジャコブ（「トリコロール／赤の愛」）でメチャメチャかわいいです。スクリーン映えする女優なんでしょうね。ビデオ・インタビューで見ると普通の女性なんですが。。。。。撮影監督の力量もあると思いますが映画の中の彼女はとてもいいです。イレーヌ・ジャコブだけではなく映像もメチャメチャきれいです。スワヴォミール・イジャック ？！という撮影監督です。キェシロフスキ監督の映画によく参加してた人みたいです。無名の女優イレーヌ・ジャコブはこの映画でカンヌ主演女優賞を取ってそれ以後スターになります。言葉で表現できないような感情を映像で伝えているとてもすばらしい映画でした。バイバイ

  2007/07/12

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• La Vie De Boheme （ラヴィ・ド・ボエーム）

  アキ・カウリスマキ監督（「過去のない男」）が1992年に作った売れない芸術家3人の貧乏生活を描いた映画で面白かったです。現代のパリ。売れない作家マルセルは家賃滞納のためアパートを追い出されそうになる。途方に暮れた彼はあるレストランでロドルフォという画家に出会い意気投合する。そして2人はマルセルのアパートへ戻るがそこには次の住人、作曲家のショナールが住みはじめていた・・・・・。フランスの作家アンリ・ミュルジェールの原作を映画化したものでプッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」としても有名です。ところがカウリスマキは原作を台無しにしたプッチーニに復讐を込めて作ったらしいです。そのためかプッチーニの曲はこの映画では全く使われていません。カウリスマキ監督らしく登場人物がとぼけたキャラクターで笑えました。ただ後半は結構シリアスな展開になり感動します。主要人物のほとんどは知らない俳優でしたが脇でジャン・ピエール・レオ（「男性・女性」「夜霧の恋人たち」）やサミュエル・フラー監督（「最前線物語」「拾った女」）が登場していて笑えました。映画のエンディングは「雪の降る街を」が流れてきます。「過去のない男」でも日本の歌謡曲使われていましたが、エンディングにとても合っていました。この監督は日本語の曲選ぶセンスありますね。バイバイ

  2007/07/04

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• A fost sau n-a fost? （ブカレストの東、１２時８分）

  これはルーマニアのコメディ映画で去年のカンヌでCamera D'Or（新人監督賞）を取った作品です。ある町のTV局オーナー、ジュデレスクはチャウシェスク政権崩壊から１６年経った12月22日にこの田舎町でも革命が起こっていたのかを取材すべく定年退職したピスコッチと大学の教授マネスクを番組のゲストによんで当時の様子をインタビューするのだが・・・・・。映画の前半は3人の生活の様子、そして後半はインタビュー番組でのトークという構成になっています。ジュデレスク、ピスコッチ、マネスクのおかしな3人による後半のインタビュー番組はメチャメチャ笑えました。アキ・カウリスマキ監督（「過去のない男」）の映画のような雰囲気です。こちらではDead Pan Comedy（無表情コメディ？！）と呼ばれています。僕は前回見た「Knocked Up」のようなお約束コメディよりはこういうタイプの笑わせる気があるのかないのか分からないコメディの方が好きです。今年のカンヌの最優秀作品賞はルーマニア映画が取りました。最近ルーマニア映画熱いみたいです。バイバイ

  2007/06/10

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• Direktoren for Det Hele (the Boss of It All)

  ラース・フォン・トリア監督（「the Five Obstructions」「Dogville」）の最新作は珍しくコメディです。RavnはIT会社の社長だが自分が表には出たくないということで架空の社長Svendを作り上げ従業員の振りをしてきた。ところがRavnは会社を売却するため実際の社長が必要になり友達で俳優をしているKristofferにSvend役をまかせようとするのだが・・・・・。コメディということで彼の他の作品のように見終わった後重たくならず、面白い映画でした。TVシリーズ「キングダム」に似た雰囲気のお笑いセンスです。原題の「the Boss of It All」とは訳せば「全ての権限を持つボス」＝「最高責任者」と言った感じでしょうか。バイバイ

  2007/06/01

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• Barry Lyndon （バリー・リンドン）

  スタンリー・キューブリック監督（「2001年宇宙の旅」）が1975年に作った3時間におよぶ壮大な歴史物語。ところが重厚なイメージとは違い結構笑えるコメディ大河ドラマでした。18世紀のアイルランド。レイモンド・バリーの父は決闘によって彼が幼いときに死んでしまう。そして母一人で育てられ成人したバリーはいとこのノラを好きになる。ところがノラは英国軍のクイン大尉に惚れ結婚することになる。バリーは嫉妬からクイン大尉に決闘を申し込み大尉を殺すが、警察につかまるのを恐れて故郷を後にすることになるが・・・・・。余計なライティングをせずロウソクの光でも撮影できるようにと当時NASAが使用していた超高感度フィルムを使用してこの映画は撮られました。そのため自然光による柔らかい雰囲気の映像を作ることに成功しています。キューブリック監督はもともとカメラマンだっただけに映像には徹底的にこだわった人でした。。。。。映像だけではなく細かい部分まで徹底的にこだわってましたね。（笑）バリーがヨーロッパを転々としながら送る波乱万丈のストーリーですが途中で胡散臭いキャラがいっぱい登場します。怪しいのばっかり出てきてメチャメチャ笑えます。中世ヨーロッパを舞台にしたキューブック作品ということでちょっと固い緊張感のある映画を想像してしまいますが全然違います。楽しく見ることができます。バリー・リンドンを演じるのはライアン・オニール（「ペーパー・ムーン」）でこの人はなかなか良かったです。二枚目でちょっと軽薄な感じがよく出ていました。そしてレディ・リンドンを演じるのはマリサ・ベレンソンでメチャメチャきれいです。今まで見たことのない女優だと思っていましたが「ベニスに死す」に出てました。こんなきれいな人出てたっけ？記憶にないです。中世ヨーロッパのコスプレ映画ということで日本人にはとっつきにくい部分ありますがキューブリックらしいカメラ・ワークや演出、そしてコメディ・タッチのストーリーなのでなかなかいけるんじゃないでしょうか。前に一度ビデオで見たことあったんですが今回は回顧上映ということで映画館で見ました。映画終了後、映画の中でバリーの義理の息子を演じたレオン・ヴィタリを招いてのQ&Aのコーナーがあり、撮影秘話を聞かせてくれました。このレオン・ヴィタリという人、俳優としてはたいした映画にはほとんど出ていません。「バリー・リンドン」でキューブリックと知り合ってそれからは彼のアシスタントとして活躍します。なかなか面白い経歴の持ち主です。こういうのあるからニューヨークで映画見るのって楽しいですね。バイバイ

  2007/05/29

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• 28 Weeks Later

  ゾンビ映画の新しい形を見せてくれた「28 Days Later」。これはその映画の続編でメチャメチャ面白かったです。ゾンビ・ウィルスが蔓延してイギリス本土はほぼゾンビだらけ。逃げ延びた人々を保護する目的でロンドンの一画を保護区としてアメリカ兵中心のNATO軍が管轄していた。ある日ドンは田舎でゾンビたちからの急襲を逃れ保護区にやってくる。そして子供達と再会するのだが・・・・・。今回もゾンビ中心のホラー映画ではなく極限時の人間の行動を描いた作品になっています。オープニングで主人公ドンは妻と一緒にある老夫婦の屋敷に立てこもっています。ところが大勢のゾンビが襲ってきたら妻をほったらかし自分だけ逃げてしまいます。ドンはチョーへたれです。＿|￣|○でもその辺はリアリティありますね。あんだけ大勢のゾンビ襲ってきたら正直怖いです。しかもここで妻のためにゾンビと戦ったらハリウッドのおきまり映画のパターンになってしまうのでドンには逃げてもらって正解ですね。（笑）そのへたれドンを演じるのはロバート・カーライルです。「Full Monty」以来久しぶりに見ました。なかなかいい俳優だと思います。「V for Vendetta」「Children of Men」など最近はロンドン舞台の近未来映画が多いです。何ででしょう？これなんか雰囲気は本当に「Children of Men」にそっくりです。「Children of Men」好きな人にはオススメの映画です。しかもこっちの方はスターが出てない分「Children of Men」よりセットに金がかかっている様な感じでよかったです。ゾンビによる殺戮ホラー・シーンのみならず、戦闘機によるロンドン空襲などのアクション・シーン、そして人間ドラマと今までのゾンビ映画の枠を大きく超えた映画です。 緊張感ある90分はあっという間でメチャメチャ良かったですよ。前作見てなくても楽しめます。僕は前作見たけど全然覚えてませんでしたし。。。。。バイバイ

  2007/05/27

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• Der Siebente Kontinent （セブンス・コンチネント）

  ミヒャエル・ハネケ監督（「CACHE」）の長編第一作はハネケらしく？！とても強烈な映画で、ハネケ最高傑作とうわさされているみたいです。オーストリアに住むジョージ、アンナの夫婦そして彼らの娘エヴァ三人が一家心中するまでのストーリーです。前半は親子3人の生活の様子をスケッチ風に淡々と紹介しており、後半になり彼らが一家心中を決意するあたりからテンションが高くなってきます。監督がインタビューで観客の想像にまかせると語っていますが、どうしてこの親子が一家心中をするのか具体的なエピソードは出てきません。朝みんなで食事を取り両親は会社へ、娘は学校へ行き、夜はみんなで夕食をとるみたいな一般の家庭の日常がそこにはあるだけです。その日常生活を淡々とこなしていくなかで何かが壊れ始めていったのかもしれません。一家心中を決意した3人がそれぞれ家の中にあるものをちぎったり、切ったり、叩き壊したりするシーンがありますが、とても強烈でした。すごい暴力です。ハネケ監督の映画はこれで4本目ですがどれも暴力は一つのテーマになっています。北野武監督とはまた違った暴力を見せてくれる監督です。バイバイ

  2007/05/09

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• Das Leben Der Anderen（善き人のためのソナタ）

  今年のアカデミー外国語映画賞を取ったドイツ映画はメチャメチャ感動しました。1984年、ベルリンの壁崩壊5年前の旧東ドイツ。反社会主義分子を捕まえることを仕事にしている秘密警察シュタージのウィズラーは劇作家ドレイマンが社会主義を批判してるんじゃないかという疑惑から彼のアパートを盗聴することにする。ところが盗聴を始めてからウィズラーの心境に変化が起こり始めるが・・・・・。単純に秘密警察の盗聴スパイ映画かと思っていたらそうではありませんでした。感情を表に出さない冷徹なウィズラーがドレイマンと恋人クリスタの生活を垣間見ることによって人間らしさが出てくると言う、とても素晴らしいストーリーです。政治的でありながら同時にとてもヒューマンなドラマで最後は感動しました。ウィズラーを演じるUlrich Muheの感情を抑えたストイックな演技がとてもよかったです。孤独な秘密警察がじょじょに人間らしさを取り戻していく姿がかわいかったです。クリスタを演じる女優Martina Gedeckがとてもセクシーでした。プライベートの部分全部盗聴されちゃうのはいやですね。日本人でよかったです。バイバイ

  2007/03/05

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• Ned Kelly （太陽の果てに青春を）

  ミック・ジャガー主演のオーストラリアを舞台にした西部劇です。＿|￣|○ ネッド・ケリーは17歳の時、無実の罪で3年間重労働を課せられることになる。それ以来彼は警察とのトラブルが絶えなくなる。そして彼の母親もまた誤認逮捕されてしまい、ネッド・ケリーは弟や仲間たちと共にならず者の道を歩むことになるが・・・・・。オーストラリアに実在した人物ネッド・ケリーの物語です。ネッド・ケリー演じるミック・ジャガーが下手なのは「フリージャック」で証明済みなのでそこまで気になりませんでしたが、どちらかというとストーリーや演出が？でした。＿|￣|○ つまんなかったです。＿|￣|○ コアなストーンズ・ファンにオススメします。（笑）バイバイ

  2007/02/27

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• TOKYO-GA （東京画）

  小津安二郎（「晩春」「東京物語」）を敬愛するヴィム・ヴェンダースが当時（1985年）の東京の様子を撮ったドキュメンタリーです。ヴェンダースは小津映画の世界を体感すべく東京へ向かったが、そこは小津の世界とは全く違っていた。。。。。当たり前や！花見での宴会シーン、新宿、地下鉄の構内、パチンコ屋の様子など、外国人の目から見た東京をカメラはとらえています。それに笠智衆と小津の撮影監督だった原田雄春のインタビューをはさんでいます。全然つまんなかったです。日本人の目から見たら当たり前のシーンばかりです。しかもバックに流れる音楽もわざと日本っぽく作ってますが耳障りなだけでした。しかも20年以上前の東京の様子です。。。。。20年前の東京に興味のある方はどうぞ。バイバイ

  2007/02/24

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• der Untergang （ヒトラー　～最期の12日間～）

  これは実際にヒトラーの秘書をしていたトラウドゥル・ユンゲ の証言をもとに再現された映画で、ナチスがどのように崩壊していくかがリアルに描かれています。1945年4月20日ヒトラー56回目の誕生日の日、ベルリンはロシア軍に包囲されていた。ヒトラー以下ナチス将校たちは首相官邸の地下に作られた要塞に立てこもるが敗戦は逃れられない状況になっていた・・・・・。正確にはヒトラーの最期12日間ではなくナチス最期の12日間です。ヒトラーは崩壊の前に愛人エヴァ・ブラウンと共に自殺してしまいます。そして残された将校たちが路頭に迷い、最終的にロシア軍に降伏するというストーリーです。この映画見てあらためて思ったのはヒトラーがヘタレだということ。将校やベルリン市民をおいて先に自殺してしまいます。メチャメチャ無責任です。それでもナチス将校たちはヒトラーを崇拝していた感じで、ヒトラーはナチス教の教祖だったんですね。ヒトラーが主人公というより、彼を取り巻く秘書だったり、将校たちの家族の人間ドラマです。一歩間違うとナチスもそれほど悪くないんだよみたいな同情的なストーリーになりかねません。そのため特典映像でスタッフ、役者のインタビューがありますがみんな言葉を選んで答えています。とてもリスクのある映画制作だったとプロデューサーが言ってますが、本当にその通りだと思います。勘違いされかねませんから。敗戦から60年経ってようやく作れた映画という感じです。ヒトラーを演じるブルーノ・ガンツは本当にそっくりでした。狂気と正常さをもった男をとてもうまく演じていました。この映画見て一番怖い人物はヒトラーではなく彼の側近ゴッブルの妻です。子供6人を毒殺して自らも自殺します。感情をおもてに出さず無表情の女性です。こわい。。。。。それからエヴァ・ブラウンがよく分からない。なんでここまでヒトラーに惚れていたのか？やはりそれだけヒトラーに魅力があったということでしょうか。悪に惚れる女性の心理がよく分かりませんでした。ヒトラーを取り巻く女性たちの映画をぜひ作って欲しいです。今までナチス、ヒトラーは悪、敵としてしか映画に登場してきませんでしたが、初めて内部からの視点でナチスを表現した映画でとても興味深かったです。ベルリン市民が多数犠牲になり反戦映画として見ることもできます。バイバイ

  2007/02/19

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• El Laberinto del Fauno （Pan's Labyrinth）

  セルジ・ロペスの悪さ全開でとても面白かったです。1944年フランコ政権下のスペイン。童話好きのオファリエと母は再婚相手の鬼軍曹ヴィダルのいる山岳地帯に向かう。ヴィダルはそこで反フランコ政権のゲリラと対峙していた。ヴィダルの前線本部に到着したオファリエは近くにある迷宮を発見し、その中に踏み込んでいくのだが・・・・・。全編グロテスクなファンタジー映画です。ゲリラの捕虜を拷問したりと痛いシーンがいくつか出てきます。オファリエのファンタジーがメインの映画かと思っていたらそうではなく、ファンタジーと現実のシーンがうまくバランスをとっておりとても良かったです。オファリエ役の少女も良かったんですがやはり鬼軍曹を演じたセルジ・ロペスが最高です。このおっさん、何でこんなに悪いんでしょう？悪すぎる！そろそろハリウッド映画に進出しそうな気がします。悪いだけではなくチャーミングなキャラクターです。とてもうまいです。この人の悪役は本当にいい。。。。。と言うか悪役以外できるのか？！「ハリー、見知らぬ友人」ではフランス語、「Dirty Pretty Things」では英語、そしてこの映画ではスペイン語を話しています。どの言語をしゃべっても自分の個性を前面に出しています。ひょっとして日本語しゃべらせてもいい感じになるんじゃないでしょうか。セルジ・ロペスばかりフォーカスしてしまいましたがストーリーやカメラ・ワークなども素晴らしいとても上質な映画です。アメリカではどの雑誌、新聞でも高い評価が与えられています。日本公開の時はぜひ見てください。バイバイ

  2007/01/13

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• Volver （ヴォルベール）

  ペドロ・アルモドバル監督（「Live Flesh」「Bad Education」「Talk to Her」）の最新作はメチャメチャ良かったです。マドリードに住むライムンダは夫パコと娘ポーラの3人暮らしだが、生活は厳しい。ある日パコはキッチンでポーラをレイプしようとするのでポーラは父親を包丁で刺し殺してしまう・・・・・。ライムンダを演じるのはペネロペ・クルス（「赤いアモーレ」）です。こっちの映画評でも絶賛されてましたがとても良かったです。最近見た「ウェルカム・ヘヴン」よりも全然いい。やはり監督の手腕でしょうか。ラテンのたくましい母親を見事に演じていました。しかもとてもセクシーです。コメディ・タッチのストーリー展開で最後は泣かせるという、アルモドバル監督とてもうまいです。脚本も演出もいいです。この監督の映画はずれがないですね。すごいです。バイバイ

  2006/11/26

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• Sin Noticias De Dios （ウェルカム！ヘヴン）

  ペネロペ・クルス主演のスペイン映画です。特に興味があったわけではありませんがファニー・アルダン（「8人の女たち」「恍惚」）やガエル・ガルシア・ベルナル（「Babel」「the Science of Sleep」）も出ていたので見ました。ボクサーのマニは脳に異常が見つかったため医者からボクシングを止められる。ボクシングが人生の全てだったマニだが妻ロラも体を心配して止めるようにすすめる。ところがある日いとこのカルメンがマニのアパートにやってきて居候することに。そしてマニにボクシングの再開をすすめるのだが・・・・・。ロラは天使です。そしてカルメンが地獄の使者です。この2人がマニを天国に、地獄に連れて行こうとバトルするというストーリーです。カルメンを演じるのはペネロペ・クロスです。かわいいんですが今回は男っぽい役です。（男になりたいけど地獄で女にさせられているという役）そのため色気はあまりなくエアロスミスのジョー・ペリーに見えました。（結構似てますよ）ロラ役はヴィクトリア・アブリルという女優でこの人は色気あってなかなかよかったです。エッフェル塔をパリのいろいろな場所から撮った「大人は判ってくれない」のオープニングのようなシーンや「レイジング・ブル」のようなボクシング・シーンなど監督の好みが反映された映画になってます。でもストーリーはイマイチでした。退屈はしなかったんですが。。。。。バイバイ

  2006/11/22

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• Persona （ペルソナ）

  イングマール・ベルイマン監督（「不良少女モニカ」「野いちご」）が1966年に作った映画でメチャメチャ良かったです。前回の記事にも書きましたので今回は追加の感想を。すごいパワフルです。どのショットもどのシーンもきまってます。この監督はすごいです。そこまで好きな監督ではなかったんですが、彼の作品を見れば見るほどベルイマンの才能に感心します。白黒の映像がメチャメチャきれいです。どのシーンも写真を見ているようで絵になっています。撮影監督が素晴らしいんでしょう。「叫びとささやき」もそうですがベルイマンの映画はとにかくきれい。そしてその映像に負けないぐらい演出もいいです。失語症の女優エリザベートを演じるリブ・ウルマン、そして彼女を看護するアルマを演じるビビ・アンダーソン。顔が似ているということで選ばれた2人ですが、確かに途中でどっちがエリザベートでどっちがアルマか分からなくなってきます。ベルイマンのねらい通り観客を錯覚させる効果がちゃんと出ています。ビビ・アンダーソンによる回想エロ話のシーンが途中であります。ゴダールの「ウィークエンド」のオープニングにも似たようなシーンがありました。ひょっとしてこの映画の影響でしょうか。もともとヌーベルヴァーグを意識した作品と言うことですが、この映画自体が小説や写真の引用などゴダールっぽいシーンがいくつかありました。ゴダールとベルイマン。全然真逆な印象ですが、少し接点がありましたね。バイバイ

  2006/11/04

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• Smuktronstallet （野いちご）

  イングマール・ベルイマン監督（「不良少女モニカ」「処女の泉」）が1957年に作った人生をテーマにした映画はメチャメチャ良かったです。76歳のおじいちゃんイサク医師は50年の功績を認められ名誉博士の称号を与えられることになる。イサクは授賞式のある街へ息子の妻マリアンヌと一緒に車で向かうのだが・・・・・。この映画は現実と幻想の混ざった少しシュールなロード・ムービーになっています。イサクとマリアンヌは街へ向かう途中3人の若者を同乗させます。そして昔生まれ育った家や90歳を過ぎた母に会い、いったい自分の人生はなんだったんだろうと回想します。イサクは医学一筋で身内や回りの人たちに冷たくしてきたので今になって少し後悔しています。普通ロード・ムービーは若者が主役になるので主人公の自分探しがテーマになりますが、この映画の面白いところは老人が主人公。そのため人生回想がテーマになっています。（70過ぎて自分探しというのも面白いでしょうけど。。。。。）おじいちゃんイサクを演じるのはヴィクトル・シェーストレムという人でもともとサイレント時代の監督だったみたいです。とても存在感のあるいい演技をしていました。マリアンヌを演じるのはイングリッド・チューリン（「叫びとささやき」「地獄に堕ちた勇者ども」）でメチャメチャきれいです。北欧の美人です。（当たり前ですね。スゥエーデンですから）ベルイマン監督の演出はうまいです。この人本当にすごいと思います。なんなんでしょう、この監督は？脱帽です。＿|￣|○ バイバイ

  2006/10/16

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• Carne Tremula （ライブ・フレッシュ）

  ペドロ・アルモドバル監督（「Bad Education」「Talk to Her」）が1997年に作った熱いサスペンス映画です。マドリッドが舞台になっています。青年ビクトルはクラブのトイレでセックスをしたエレーナのことが忘れられず彼女に電話をする。ところがドラッグ中毒のエレーナはビクトルのことを覚えておらず冷たく電話を切る。エレーナをあきらめられないビクトルは彼女のアパートに入り込むが・・・・・。アルモドバルらしい赤を基調とした熱い恋愛サスペンスになっています。ビクトルにからむもう一人の女性クララを演じる女優がどっかで見たことあるなあ～と思ってずっと気になってました。彼女はブニュエル監督の遺作「欲望のあいまいな対象」に主役で出てたアンヘラ・モリーナでした。この映画はそれから20年経っています。すぐにはピンときませんでした。彼女はセクシーだけが売りの女優だと思っていましたが、クララ役では熱い演技も見せてくれてなかなか良かったです。さすがラテンです。セックス・シーンが熱い！撮り方勉強させてもらいました。バイバイ

  2006/10/14

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• Viridiana （ビリディアナ）

  僕の敬愛する映画監督の一人ルイス・ブニュエル。（「ブルジョワジーの密かな愉しみ」）この映画は前回の日記にも書きましたが、映画館で上映されていたので見に行きました。大画面で見る「乞食の宴会」シーンはとても迫力ありました。ブニュエルはすごいです。のぞきのシーンや登場人物の脚だけを捉えたショットなどブニュエルらしさがいっぱいの映画です。ブニュエル映画にしてはシュールさがあまりなくまともな？！映画になってますので誰でも見れる映画だと思います。バイバイ

  2006/10/13

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• Sommaren Med Monika （不良少女モニカ）

  今日も「映画館で見るなつかしの名作シリーズ」です。←タイトル勝手につけました。これは1953年にイングマール・ベルイマン（「処女の泉」「夏の夜は三たび微笑む」「ペルソナ」）が作った青春映画です。ストックホルムの陶磁器店員のハリーはモニカと出会い恋をする。ある日モニカは酔っ払いの父親と口論となり家を飛び出しハリーのもとに向かう。家に泊めることができないハリーは自分も家を飛び出し、寝袋を持って父の所有するモーターボートでモニカと寝泊りすることになるが・・・・・。モニカの魅力に負けてモニカに振り回されるまじめな青年ハリーの物語です。ベルイマンの演出がいいんでしょうね。モニカは特に美人ではないんですがセクシーで魅力的です。そのモニカを演じるのはハリエット・アンデルソンでどっかで聞いたことある名前だと思ったらベルイマンの「叫びとささやき」に出てました。この映画では元気いっぱいの17歳の少女の役。そして「叫びとささやき」では病気で寝たきりのおばさんの役。。。。。全然分からなかった？？？？？モニカの若いエネルギーとハリーの若い不器用さ？！が画面全体にあふれています。やはりベルイマンはすごい監督です。演出うまいです。こういう青春映画もきちんと作れちゃう人なんですね。感心しました。ちなみに原題は「モニカと過ごす夏」です。なんで「不良少女モニカ」に？？？？？ヤンキーと言えばヤンキーなんですけどちょっと映画のイメージと違うような気がしますが。。。。。バイバイ

  2006/10/05

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