テーマ:シェフのスペシャリテ(240)
カテゴリ:シェフの雑記帳
ピオ・トジーニ社のパルマ産生ハムです。これは本当に美味いですよ! 前菜にその生ハムとハンガリーの国宝、マンガリッツァ豚の自家製生ベーコンをたっぷり!久々にマンガリッツァ豚登場です!やはり、美味いですね!綺麗な脂の美味さが魅力です。 イタリア産アーティーチョーク添えのフォアグラのソテー。ソースは、、、 ドディ社のボーン・コンディメント。熟成バルサミコタイプのヴィネガーです。法律で規定されたバルサミコの製造法からあえて逸脱した作り方をしているそうなんですが、ドディ家伝統のオリジナルな製法を守るためにあえて、法的規定は無視しているという事です。ですからバルサミコという表示はされていないんですが、味はまあ、最高級のバルサミコとしか言いようがないです。濃厚で旨味がたっぷりでとても柔らかい味わいです。 シェフ必殺のイカ墨リゾットです。これは私も大好きなんです。上にのっている黄色のものは、サルディニア島産のボッタルガ。ボラの卵のカラスミの粉です。 地中海地域でもカラスミを作る食文化があるんですね。ギリシャ料理で有名なタラモサラータ、あれは日本だと鱈子や明太子で代用しますが、本来はこのボッタルガで作るのが正式。たらこスパゲティも本来はこのボッタルガで作ります。日本風ではゆでたジャガイモをつぶして、鱈子とマヨネーズで作ることが多いようで、鱈子とイモだからタラモだと思っている方もいるようですがそれは間違いで、タラモサラータは、れっきとしたギリシャ語のメニューです。本来は、ギリシャの癖のあるオリーヴオイルとレモン汁で仕上げるようです。 このスメラルダ社のボッタルガは日本の商社が現地サルディニア島に赴いて、特にボラの卵巣の血管を綺麗に掃除することと、丁寧な血抜きをすることを要請して日本向けに作られた特上品です。血の気が残っていると、どうしても苦みや臭みの原因になりますからね。 黄金色のキャビアともいわれる高級珍味です。鯉やマグロの卵巣で作ったものもあります。魚卵を塩漬けにして、天日に干して作る保存食です。それの皮を剥いて、おろし金で粉に加工したものが、このボッタルガ・パウダーです。 メインはフランス産の雛鶏ちょうど私の手のひらサイズ。一羽が1ポンド、約450gくらいです。これで二人分。さばいてポワレして、ガラで取った鶏のジュで召し上がっていただきます。 とても繊細で軽い味わいで美味しいですよ! デザートは、花梨ヴィネガーと蜂蜜のグラニテを添えたイチゴのスープ仕立て。これにはもちろん、、、 さかもとこーひー、サンク・オ・ピエブレンド!このデザートには、普通のこーひーでは絶対に合わないでしょうし、紅茶でも難しいかもしれません。それが、何とも見事な液体同士の究極マリアージュです。いやー、こーひーでこんなことができるんですね!またしてもやられました。 花梨のヴィネガーと蜂蜜をミネラルウォーターでのばして、グラニテにします。グラニテというのは、直訳すれば御影石という意味で、シャーベット(ソルベ)よりは糖分が低く少しざらついたくらいに仕上げたもので、その舌触りからきた名前だと思います。 イチゴのスープは、フランス産のイチゴのピュレに少し糖分を加えただけのシンプルなもの。そこに国産の生のイチゴを少しの粉糖とコアントローで和えて入れてあります。フランスのイチゴは味も香りも色も濃いので、しっかりとした味わいです。そこにほんのり花梨が香る酸味のきいたさわやかなグラニテが浮かんでいます。この花梨ヴィネガーは1リットルで¥6000もする高級品で、アミノ酸も豊富なオーガニックヴィネガーです。春らしくて、ちょっとヘルシーな感じのデザートになりました。
Last updated
Apr 12, 2012 08:47:14 AM
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