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日東電工、ニッチで磨く粘りの経営
■「ニッチトップ戦略」の日東工業です。 本来、小さな会社は、価格競争を強いられる汎用品を扱うべきではありません。自社の規模に応じた小さな市場でトップをとれば、価格競争に陥ることなく高収益ビジネスを展開できます。 日東電工は、そんな小さなトップ分野を多く持っている企業です。 結果として、売上高1兆円、営業利益1350億円の堂々たる大企業ですが、その本質は、小さな企業の集まりです。 ■では、どのようにすれば、日東電工のようなニッチトップ戦略がとれるのか。 私なりにまとめると (1)長期視点からの開発 いま欲しい技術は手遅れです。将来的に必要となりそうな技術を開発しておかなければ、トップ企業にはなれません。 今は使えない、旬ではない要素技術でも、技術者が本気で取り組んでいるものを枯らさないように投資しています。 (2)顧客の潜在ニーズから方向性を探る 顧客に密着し、半歩先のニーズを探ります。幸い今は、顧客からの問い合わせや要望も集まるので、そこから潜在ニーズを読み取り、将来的に必要となりそうな分野を類推します。 (3)顧客と居心地のいい関係を築く 「居心地のいい」という言葉が同社のキーワードとして出てきます。 商品開発し顧客に提供することができたならば、その顧客に密着し、とことんビジネスに深く入り込むことで、お互いが必要としあえる関係を築くことができます。言い換えれば、WIN-WINの関係、切っても切れぬ関係のことです。 偏光板を単に納入するのではなく、取引先の液晶パネルメーカーの工場で、日東電工がパネルに貼る工程から設備、人員、在庫のコントロールまでを受け持つと提案した。 この仕組みを導入した液晶パネルメーカーと日東電工は切っても切れぬ関係になった。しかも相手先工場に深く入り込んでいるので、生産計画や技術上の課題、今後の製品開発の方向性まで把握できるようになった。 それを同社は「居心地のいい関係」と言っています。 居心地のいい関係があるから、価格競争にも陥らないし、潜在ニーズを知ることができるわけです。 ■日東電工の場合、そんな中から、スマホの液晶パネル向けの偏光板といった大ヒット商品が現れました。 が、本質は、上記のような要素技術研究から粘り強くビジネスを作り出す方法論を持っている会社だといえます。 ■もともと多くの日本企業は、こうした仕組みと粘り強さを持っていたのではなかったのでしょうか。 ソニーなんて、要素技術の宝庫のような会社であったはずです。 それがいつの間にか、欧米流の効率重視を標榜した結果、独自の強みを失ってしまいました。 日東電工は、昔ながらの強みを今も持っている会社なんですね。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語 [ 駒井俊雄 ] ■株式会社クリエート・バリュー ★2016年5月14日(土)大阪 ランチェスター戦略ファーストステップセミナー ★2016年5月24日(火)大阪「戦略勉強会」 ★営業を会社の強みにする「営業コンサルティング」 ★オンラインでランチェスター戦略を学ぶ。「ランチェスター戦略入門セミナー」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 7, 2016 08:57:52 PM
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