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テーマ:試写会で観た映画の感想(680)
カテゴリ:洋画(ま行)
試写会場 :よみうりホール 先日、試写で観たのですが、そのあとまた当選が来ました。 どうしようかなーと思っていたのですが、九段の時、ちょっと周りに騒がしい人がいたのもあって、 そのため少々集中できない部分もありました。 なので、もう少しディテールを観てみたいという想いもあり。 懲りずにもう1回行くことにしました。
どうしてこの映画に惹かれているのかと言うと、それはやっぱりミルクの人柄なんだと思います。 彼が、ゲイムーブメントから始まって、ゲイではない人々をも味方につけていく様子。 ただ、自分たちのテリトリーの利益のみを訴えているだけでは支持は得られない。だけどきちんと目標は遂行したい。その狭間でミルクが苦悩する様子も窺える。 キャストと実在の人物とを比較したフィルムもあり、それが本当に温かい目線で描かれているのですが、その最後に出てくる実際のハーヴェイ・ミルク。 その笑顔が、彼に触れた人々をも魅了したのでしょうか。 ユーモアのセンスもあり、そしてマイノリティの人のために貢献したいという彼の熱意が、人を動かしたのであろうことは推測できます。 1回目の試写のコメントのお返事にも書きましたが、ゲイの友人がいます。全然関係ない、他愛ない会話をしていた時にいきなり、「実は僕、ゲイなんですよ」と言われたので当時の私はびっくり。 彼が何故私にそれを言ったのかはわかりませんが、その時はカムアウトするにふさわしい人間だと私のことを思ってくれたのでしょうか。 信頼していただけるのはそれは光栄なことです。 この映画でも、「理解してもらうためには、カミングアウトしないといけない」とミルクが語る場面があります。 ただ日本でのカミングアウトって非常に難しいと思う。 やはり社会的な背景がアメリカとは違うから。 ですけど話を聞いていると、内面では本当に苦悩している様子が分かります。 社会的には認められない、そして自分の恋愛も不安定だし、将来も見えない・・・。 ということなんです。 監督のガス・ヴァン・サント自身もゲイであると公言していて、その目線で彼らの愛情が描かれているのもリアリティがあるところ。 特にミルクとスコットの出会いの場面なんてそんな感じです。 この映画にもたくさんの出会いと別れがあります。 そして様々な愛の形もある。 たぶんこの感覚が苦手な人は多いのかもしれない。 ですが、彼らが求めているものって、ヘテロのそれと何ら変わりはないように私は思います。 正々堂々と普通に生きたい。 たったそれだけではないのかしら。 この映画に関連して、1984年に制作されたドキュメンタリー、『ハーヴェイ・ミルク』のアンコール上映が決定しました。 4月18日(土)~ 渋谷・アップリンクXにてロードショーです。夜1回の上映なので、もしかしたら無理かもしれないけど、時間合ったら観てみたいですね。 1984年のアカデミー賞最優秀長編記録映画賞をはじめ、 各賞を受賞しています。 チラシを読んでいて気になったのは、 「ダン・ホワイトの裁判は驚くべき展開を見せる・・・」 とあったこと。これは見逃せないかもしれません。マイノリティに対しての差別の歴史の記録にもなっていそうです。 アメリカって、傍から見ると「メルティング・ポット」に感じますが、実はそうではなく、根深い差別の歴史が日常の様々な場所や、人々の感覚の中にあるようです。 楽天リンク先のmrsピッキーちゃんのblogを読んでると本当にそう思う。1つのマイノリティが受け入れられても、また別のマイノリティが出現して、そして新たな戦いが始まる。 その繰り返しなのはちょっと悲しくもありますが。 ・・・と、奇しくも試写2回鑑賞になってしまっていろいろ書きましたが、少しでも気になっているのなら、この『ミルク』、ご覧いただきたいですね。 映画『ミルク』公式サイトはこちら。 1回目・九段会館での試写の感想はこちら。
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