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rose_chocolat@ Re[1]:2015年my映画ランキング:元気にしています(01/02) みえこ55さん こちらこそレス遅くなりす…
2009.07.04
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先日、この本買ったよーって書きましたが

読み終わりました。





本は、一応読むのは好きで、実際読んでるんですが、

1冊1冊感想書いていないだけなんですよね。

大体読むのは通勤の時。

いつも朝は絶対に座れるんで(!)、本読むか、寝るか(笑)、してます。

本読んでて、「ふぁー疲れた~」と身体が温かくなってきたら、寝る(笑

ですけど、この本はどういうわけか、ぐいぐいと引き込まれてしまいまして、

どんどん読める!

寝てる暇ないよw





DSCI0161
DSCI0161 posted by (C)rose_chocolat





単行本は高いんで、正直迷ったんですが、

うちの上司が「衝撃的」って言ってたので、やっぱり買おう!と思って。

待てませんもんね。 図書館で予約したらいつになるやら。

映画記事でもネタばれはしないのがモットーなんで、

なるべく核心に触れないように書きたいと思いますが。。。










1984年、ヤナーチェックの「シンフォニエッタ」を聴いた瞬間から、

青豆が迷い込んだ、1Q84年の世界。

彼女はその世界で、通常ではありえない「仕事」をしていく。

でも、不思議なことに、それは彼女でしか成し得ないようにも思える。

青豆が生まれてきた意義が、まさにそこにあるかのような職業かもしれない。






だが、そこで青豆が突きつけられたことは、本当に究極の選択で、

もし、自分だったら、青豆の立場に立てるか? と訊かれたら、

たぶん、できない。

果たして自分のことを覚えているかどうかわからない人のために、

握った手の感覚しか覚えていてくれていないかもしれない、

否、そんなことは忘却の彼方にあるのかもしれないような人のために、

自分を捨てられるのか。






幼少のころから、喪失感を味わってきた青豆と天吾。

心の底からの幸福感というものは、体験したことがないに違いない。

子どもゆえに、自分を守っていく習慣を身につけなくてはいけなかったから、

何気ない反応を見ただけで、

お互いに喪失感を抱えているもの同士ということが、わかってしまう。







離れ離れになってしまった2人が、

ふかえり、そして「空気さなぎ」を通じて、パシヴァとなりレシヴァとなっていく。

目に見えなくても、互いは引き寄せ合って、求め合って。







1Q84年さえ抜けられたら・・・。

青豆のすがるような気持に、返ってきたのは、哀しい答え。







私はあなたに出会った。

そして愛した。

たとえ一瞬のことであっても。

あの時のことをあなたがどう受け取ろうが、それは構わない。

私があなたを愛することができた。

その事実こそが、私を生かしているのだから。














これは本当にほんの一部の感想なんですが、

あまり詳しく書き過ぎると、

これから読もうとしている方の差し障りになるので、

あくまで自分が感じた核の部分のみを扱っています。

冒頭100ページ以内に、目をそむけたくなるようなシーンもありますし、

本当にあり得ないことが書いてあります。

ですけど、その飾りの部分を全て取り去ってしまうと、

意外とコアな部分はシンプルなのかもしれない。

そう感じます。







直近で、この映画を観賞しましたが

ここに出てくる「大人の恋愛」っていうキャッチフレーズが、

どうにも感覚的になじまなかったのは、

恐らく、同時にこの本を読んでいたからかもしれません。

(この映画好きな人ごめんねw)

人生楽しもうよ! っていう名目のもと、

何となく、これは大人の恋だよ・・・と催眠術かけながらも、

彼らの言動はとても子どもじみて見えてしまった。





会いたくても会えないなんて運命。

一瞬の記憶、瞬間の言葉、瞬間の感触、

それだけを頼りに、人を愛していく青豆と天吾の生き方を読んでしまったら、

これほど、落とし前をつけた恋もないんじゃないかと思うんです。

究極の「大人の恋」かもしれないなあ・・・ と。









『ノルウェイの森』がやっと刊行約20年目にしてこの度映画になりますけど、

この小説の映画化も、いつか必ずあるんじゃないかと思うんですよ。

ですけど、この小説を読んだ時点で、例えどんな風に映画化されたとしても、

本とは絶対に別物になると確信してます。

この空気感を映像には、きっとできないと思う。

理由は、青豆と天吾(ふかえりも)を演じる者は、

絶望感を体験した人じゃないと無理だっていうこと。

そこに、原作のイメージも重ねますから、

ただ単に、似ているとか、ピッタリという理由でキャスティングはできない。

どうしようもない喪失感、それがこの主人公たちに求められる。

今、そんな若手の役者さんは、日本にはいない。

みんな満たされてしまっているから。






いつものように、いつものことをしている時、

ふと、今日は違うことをしてみよう、と思うことがある。

いつもと違うことの中に、もしかしたら、ポジとネガのように、

今の世界の裏側が存在していたとしたら。

その入口が、身近にあったとしたら。

自分の隠し持っている役割が浮き出てきて、その中で生きていくことになるかもしれない。

現実は1つしかない。

だが、現実の1枚下に、現実を超えるものも存在しているようにも思う。

もしもそんな人生になっていたとしたら、

誰に会いたい?  何をする?

そう問いかけられているような気がする。








   

















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Last updated  2009.07.05 18:28:13
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