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テーマ:映画館で観た映画(8349)
カテゴリ:邦画(か行・さ行)
監督 : 細田守 脚本 : 奥寺佐渡子 主題歌 : 山下達郎 声の出演 : 神木隆之介 、 桜庭ななみ 、 谷村美月 、 富司純子 、 斎藤歩 公式サイトはこちら。 <Story> 小磯健二は少し内気で人付き合いが苦手な17歳。 数学オリンピック日本代表の座をあと一歩で逃したことをいつまでも悔やんでいる理系オタクだ。 健二はある日、憧れの夏希先輩からバイトを持ちかけられ、一緒に彼女の故郷まで旅行することになる。 バイト内容は、「ご親戚」の前で彼女のフィアンセのフリをすること。 しかし、仮想空間“OZ”のパスワードを解いてしまったことから、世界を揺るがすトラブルに巻き込まれてしまい…。 サマーウォーズ - goo 映画 <感想> ほぼノーマークの映画で、試写会も全く応募すらしてなかった作品なんですが、 評判もよいのと、 あと、ロカルノ国際映画祭(→ 英語&イタリア語、激重サイトにつき注意)に日本映画として出品されているということで、鑑賞することにしました。 ロカルノ国際映画祭についての簡単な説明はこちら。 先日終わったばかりのロカルノ国際映画祭ですが、実は職場関係者がこれに取材で行ってましたんで。。。 どうも、たくさん映画を観てきたらしい(笑 うらやましいぞっ!! あたしも行きたいなー。 閑話休題。 映画です。 冒頭、別のショートフィルム? とでも見まがうくらいの電脳世界の出現でちょっとビックリするのですが、国民全てにアカウントとアバターがあるという設定は、なかなか考えたと思います。 年金番号もそうですが、つけようと思えば国民総背番号もできる訳ですから、アカウントとアバターっていうのもそれにもしかしたら応用できちゃうのかもしれないし。 アバターカッコいいじゃん、ってみんなが作り始める。 だけどそれを操ろうとする人が出現したらちょっと空恐ろしい。 ネット人口がどんどん低年齢化しているので、あながちこういうことはなくもないかなと想像します。 確かに便利は便利ですし、そのシステムが働いている間は困ることはない。 だが穴もどこかに必ずあるわけで。 愉快犯ならシステムを操作して制御不能にして、責任もなく地球を滅ぼすことだって恐らくやりかねない。
この仮想世界と、現実の人間の絆とを見事に結びつけたところに、この映画のよさがある。 昔の由緒ある旧家、そこに集う人々。 お盆休みだからと単に集まったように思える設定かと思いきや、歴史を作ってきた人たちとの意外な縁故がそこに存在する。 現代人はコミュニケーションをうまく取れないということが話題になって久しい。 現実世界の人間関係の煩わしさをなるべく少なくしたいからという本能も、それにある程度は関係しているのだろう。 だがしかし人は人なしでは生きられない。 人と人との温かい会話、思いやり、1つのことに共感していくこと、それがあって初めて情緒が養われる。 人間らしくなっていく。 そこのつながりが非常に希薄になり、ネットの世界に逃げ込むことも可能な今、いかにして人と人とのつながりを強固にしていくかも、1人の親としては責任持って子に与えていかないといけないと感じている。 このblogを始める1年くらい前だっただろうか。 私の父の田舎で祖父の50回忌があり、総勢50名以上が集まったことがあった。 我が家も典型的な核家族なので、子どもたちは初めて会う親戚に驚いていた記憶がある。 「あの人は誰?」と、私でもわからない質問をしてきたのをよく覚えている。 それでもその日は終わるころには全員すっかり馴染み、楽しそうに遊んでいた姿は忘れられない。 そんな結びつきは、人が成長していくには欠かせないもの。 しかしこの映画では、ただ単に結びつくだけではなくて、1つのことに一致団結していく姿があり、結果としてそれまでの自分が成し得なかったことに気がついて、凌駕していっている。 それはもしかしたら、栄おばあちゃんが望んだことなのかもしれない。 「あんたならできる」、彼女はそうみんなを励ましている。 自分でできるから、放っておいて。 残念ながらうちの子たちもそんなこと言ってます。 だけど、1人ではできないことも必ずある。 誰かの姿を見て、誰かに言葉をもらって、誰かが背中を押して。 それで初めて乗り越えて行けるものがある。 子孫の繁栄、何を一番ご先祖様が喜んでくれるのだろうかと考えた時、それまでの自分を乗り越えた時なのではないかといつも考えている。 栄おばあちゃんは自分の後姿を子孫に見てもらって、そして子孫たちは彼女の底力を感じて、自分たちのものにして成長していく。 何と潔い家系なんだろう。 決して仮想世界を悪者にするのではなく、それはそれとして現実や近未来にある姿で描き、かつ脈々と流れる血脈のようなものも大事だよと言っている。 この感覚、温故知新に近いのかな? 現実と伝統のバランスを取りながら成長していけると、魅力的な人間になれるのかもしれませんね。
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