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テーマ:映画館で観た映画(8351)
カテゴリ:洋画(さ行)
原題: A SINGLE MAN 監督 : トム・フォード 出演 : コリン・ファース 、 ジュリアン・ムーア 、 マシュー・グード 、 ニコラス・ホルト 、 ジョン・コルタジャレナ 公式サイトはこちら。 <Story> 1962年11月30日。 8ヵ月前に、16年間ともに暮らした愛するパートナー、ジム(マシュー・グード)を失ったジョージ(コリン・ファース)は、この日で人生を終わらせようと決意、死の準備を着々と整えていた。 だが、今日が人生最後の日だと思って眺める世界は少しずつ違って見えてくる。 英文学を教える大学の講義ではいつになく熱く語り、いつもならうっとうしい隣家の少女との会話に喜びを感じていたのだった…。 シングルマン - goo 映画 <感想> 予告で興味をそそった作品です。 かなり全体的には静謐な感じ。 スローモーションなども多用していますしね。 モノクロームの60年代のお話ということで、このテが好きな私、かなり期待しました。 16年間も愛していて、突然その存在がなくなったとしたら、 後に残るものはもう何もなく、彼以上に愛せる人も多分いないだろうという風に思ってしまうんでしょうか。 ジュリアン・ムーア演じるかつての恋人との、すれ違いの会話がリアリティありました。 こうなってくるともう、恋は異性間であれ同性間であれ、関係なくなってきます。 心が通い合わないものは無理。 いくら引き留めても、終わるものは終わってしまう。 それが望まなかった場合でも。 そんな残酷さが人生にはあります。 辛いけど対峙しないといけない。 しかしながら、ジョージは最早何も生きることに 意味を見出せない。 それが転換するシーンがある。 やはり、誰かに心を動かされるということは、生きていく原動力となるものなのだろうか。 ジョージにとっては、初めは彼のlast dayにすべく用意するところが、 やはり "a day in the life"、人生の1日で終わろうと決心するのである。 生きようという意欲がありありと見えてくるところが、やはり生身の人間なんだなと 思わざるを得ませんでした。 生身の人間であるが故に、訪れる冷酷な運命もまた、 自然がなす技なのかもしれない。 それを甘んじて受け入れていくほど、人間はいくつになっても、出来がいい訳ではない。 ラストの大いなる皮肉とともに、人間ならではの甘えや思い込み、 そして愛する人がこの世からいなくなった後の抜け殻のような人生についても考えさせられました。 デザイナー出身のトム・フォードが初めてメガホンを取ったというだけあり、 幻想的な映像がさらにこのストーリーに拍車をかけて行きます。 まるで映画自体が骨董品のような、美術品のような雰囲気です。 できればそのままそっとしておいてあげたい。 でも時だけが残酷に流れていく。 落ち着いた、美しい雰囲気の中にも、そのことだけはハッキリと折り込んでいました。 そして60年代のアメリカも再現していて。 美しい作品でした。 ********************************** 今日の評価 : ★★★★ 4/5点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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