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カテゴリ:経済
06年度10~12月期のGDPの速報値が年間に換算すれば4.8%の高率を記録しました。前期のマイナス成長を補って余りある成長ですが、政府からは悲観的な見解が流されています。日銀に対する政府からの恣意的な圧力を感じさせます。
日銀は先月の月例会議で公定歩合の引き上げを躊躇いましたが、総裁、副総裁を除いた賛否は3対3の同数になりました。福井総裁は早期の利上げで中央銀行の金融調整機構の回復を図りましたが、政治の圧力に屈したように思われました。 政府、自民党からの露骨な圧力が日銀の独立制を侵している側面が強く感じられます。自民党の中川幹事長の日銀が利上げに踏み切ったら日銀法の改正を考慮するするという発言は、日銀の中立性を侵しかねない政権与党のごり押しです。 前回の早見総裁の金利引き上げ時期は確かに時期尚早でしたが、結果論としていえることです。中央銀行の独立性には歴史的な背景があり、政治が干渉すべきではありません。政府委員もいるのですからルールに則って議決されるべきです。 国際的にはEUがユーロ高を問題にしていますが、アメリカは日本からの資金流入が続く方がよいのでしょう。国内では超低金利が少しずつ改善されてきていますが、銀行の国民からの搾取は続いています。銀行利子を正常に戻すべきです。 超低金利は世界の金利から余りにも懸け離れすぎています。銀行も政府からの借り入れを返済したのですから、国民に借りを返すべきです。老後のための蓄えが超低金利で運用先が見つからず、老人、障害者が金融詐欺に騙されています。 景気が回復してきたのならば点滴を外し、口から栄養をとることを考えるべきです。点滴に頼りすぎれば体力の回復がむしろ遅れます。企業は空前の利益を上げているのですから、政治も公定歩合を切り上げることを真剣に考えるべきです。 参議院選対策のために国策を誤れば日本の回復は遅れます。社会保障費を捻出するために金利を抑える政策には無理があるように感じられます。社会保障費には消費税を充てるのが正攻法ですが、その前に徹底した歳出削減が必要です。 安部内閣の高成長路線には無理が感じられます。企業には減税、サラリーマンには増税では国民の理解が得られません。企業に対して賃上げを要望しても本気なのか疑われます。サラリーマンの所得が上がらなければ個人消費は伸びません。 ワーキングプアー対策も景気回復が一番の対策ですが、個別の対策も必要です。日本にはアングロサクソンのような略奪民族的成果主義は馴染みません。農耕民族的な家族主義も必要です。格差の底上げがなされないと社会が乱れてきます。 最低賃金を上げることが必要ですし、スキルアップのための再教育も必要です。女性の社会進出、管理職登用を促進するのも必要ですが、少子化対策のためにも結婚、育児によりキャリアが失われないような社会を造り上げることも必要です。 経済政策は政治の要でしょうが、政治の過剰な干渉は護送船団方式を思い起こさせます。ブレーキとアクセルが上手く機能しなければ日本はまた暴走してしまいます。政府の経済政策と日銀の金融政策が牽制し合う姿が望ましいと思います。 バブル崩壊から日本経済が再生したのですから、日銀への政治の過度の干渉は控えるべきです。特に参議院選を控えた政治の判断には公正を欠く危険性を感じます。日銀の経済政策の方が政府、政権与党の政治判断よりも信頼が置けます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007/02/16 09:06:38 PM
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