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カテゴリ:外交
アメリカが北朝鮮との対話に前向きになっていますが、日本の頭越しにクリントン政権のような北朝鮮との協調路線を歩み出すとは思えません。日米同盟を悪化させ、浮沈空母を手放すほどアメリカが愚かだとは思えないからです。
アメリカの金融制裁が北朝鮮の死命を制するだけの威力を持つことが実証されました。アメリカは北朝鮮の核カードに対し、金融制裁カードを切ることができるのです。アメリカと北朝鮮との第一ラウンドは痛み分けのように思えます。 ブッシュ大統領が対話路線に乗り出したのは議会を民主党が制したからでしょうが、イラク情勢が混沌としてきたのも大きいでしょう。北朝鮮から手を引いてもイラクの内戦状態を治めるのがアメリカの果たすべき第一の使命だからです。 アメリカには北朝鮮の核武装は対岸の火事に過ぎない面があります。テボドン2号の発射実験が失敗したので当面は安全保障上の脅威とはならないからです。むしろアメリカのデッドラインは北朝鮮の核武装ではなく核拡散にあるからです。 アメリカは拉致問題に関してはブッシュ大統領を始めとして好意的です。アメリカが拉致問題を放棄するのはアメリカのアイデンティティ、建国の理念を放棄するのに等しい行為だからです。拉致カードを切る機会を探っているのでしょう。 北朝鮮には拉致カードは対日利権に繋がるので簡単には放棄しないでしょう。金正日の拉致カードの見積もりは1兆円単位でしょう。日朝平和条約を結び、韓国のように日本から多額の借款、賠償金を引き出すことを狙っているのでしょう。 金正日の強請、たかりに国際社会が応じてきた歴史がありますから北朝鮮が核を放棄することはあり得ないと思います。北朝鮮が国家として存続できる保障は核兵器しかないからです。北朝鮮の体制が瓦解するのを期待するしかありません。 しかし、日本がイギリス、フランスのように核武装するのは現実的ではありませんが、核議論を封印してしまうのも無責任です。私たちには日本がなぜ核三原則を国策、国是としたのかを戦後世代に語り伝えて行く義務があります。 広島、長崎の悲劇は日本人にはトラウマとして残りました。核アレルギーは原子力の平和利用にはマイナスですが、核兵器を無条件で否定する国民感情を醸成してきた点においてプラスです。原水禁運動が国際平和に貢献してきたからです。 日本は被爆国として核兵器の存在を無条件で許さない姿勢を貫くべきです。北朝鮮の拉致は日本の国権を犯す罪であるだけではなく人道に反する罪として国際社会に訴えていくべきです。拉致を認めなかった時代に逆戻りしてはいけません。 日本は北朝鮮の核兵器、拉致について妥協してはなりません。政治的な判断が優先する問題ではないからです。人類に対する罪、普遍的な罪としてあらゆる機会に訴えるべきです。日本の姿勢が首尾一貫していれば理解を得られるからです。 日本外交には戦術があっても戦略がないと言われます。拉致問題では日本政府は北朝鮮に翻弄されてきました。政府は拉致を把握しながら、拉致を否定してきたからです。拉致家族の運動がなければ拉致は闇の中に隠されていたでしょう。 日本政府が北朝鮮の拉致を隠蔽していたのは国民の安全を守る義務を果たせない国家であったことの証明です。近代国家としての要件を備えていないことを意味しています。日本政府は国際社会から笑いものにされているのでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007/03/15 09:59:57 PM
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