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カテゴリ:政治
参議院選の予測では自民党が大敗しそうですが、政策論争抜きの選挙は日本の将来に禍根を残します。参議院議員の任期は6年だからです。衆議院のように解散がありませんので、3年間は参議院の過半数を野党が制するからです。
与党連合が衆議院の2/3を制していますので、参議院が法案を否決しても成立させることができますが、国会が正常に運営できなくなります。安部首相が続投しても、求心力の低下は免れませんし、国会対策は難航するでしょう。 安部首相が就任したときの内閣支持率から長期政権を予想されましたが、造反議員の復党を認めた時点から抵抗勢力と見なされました。功名が辻内閣は古い自民党への先祖返りを強く印象づけましたから支持率が急降下したのです。 安部首相は支持率の高さに慢心をしたのでしょう。首相の世論を甘く見た政権運営が閣僚から緊張感を奪い、失言、暴言、妄言を生み出しました。「子供を産む機械」、「何とか還元水」、「しょうがない」は情の政治の甘さが出ました。 戦後レジームからの脱却は戦後世代の首相をアピールする政見でしたが、憲法改正、教育基本法改正などの積み残された課題を強行に法案化した手法が世論の支持を失いました。年金問題の伏線は世論の支持を失ったことにあります。 年金問題は旧厚生省、社会保険庁の何十年にも渡る組織的サボタージュの結果が引き起こしたことであり、安部首相に責任があるわけではありませんが、世論を無視した政治に対する国民の怒りがスケープゴートを求めたのです。 冷静に考えれば、安部首相、政権与党だけではなく、民主党にも責任があります。自治労の組織的サボタージュ戦術を実行した社会保険庁職員に一義的な責任があります。プロとしての自覚に欠ける初歩的な誤りばかりだからです。 民主党の歳入庁を新設し、社会保険庁と税務署を統合しする案は、社会保険庁職員の既得権益を守り、社会保険庁を焼け太りさせるだけの尾篭案です。社会保険庁は国鉄民営化に倣い、厳しいリストラと職員の選別が必要です。 しかし、世論の支持を失った安部首相の求心力の低下は否めません。小沢トロイカ体制も安部首相が勝手に転んだのに助けられたに過ぎませんが、戦後世代には政治を任せられないと言うイメージが膨らむことを危惧します。 安部首相にしても前原前民主党代表にしても政治家として未熟な面はありましたが、日本では若い政治家を鍛錬する場がないからです。西欧の民主主義国では子供のうちからリーダーとしての素質、政治家としての資質を磨かれます。 国民の批判票は政治が若返らないことに対する苛立ちからくるのだと思います。古い自民党、民主党への先祖返りを望む者はいません。小沢トロイカ体制は馬脚を顕すでしょうから、参議院選に大敗しても反転攻勢は十分に可能です。 国民が望むのは戦後世代による二大政党制です。安部体制から名実共に古い自民党に帰ることを誰も望んではいません。戦後世代が名実共に政界をリードするのを国民は望んでいるのですから、首相は古い自民党と手を切るべきです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007/07/24 10:25:59 PM
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