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カテゴリ:経済
4~6月期のGDPの速報値は、実質成長率が前期比0・1%増でしたが、日本経済は順調に回復してきているようです。設備投資は堅調なようですが、個人消費は低調なようです。日銀の金融政策決定会合の判断が待たれます。
企業の所得も高水準を保っていますから、設備に投資するだけではなく、労働者に投資する余裕もあるはずです。労働配分率の低下が労働者の所得を抑制しています。その結果として個人消費の回復が遅れているようです。 最低賃金も大幅にアップされたといいますが、最低生活を保障する額とはいえません。最低賃金では生活保護所帯よりもかなり生活レベルが落ちます。生活保護では国民年金、国民保険、医療費、住居費などが支給されるからです。 働いている人間が働いていない人間よりも生活レベルが低い現状は公正な社会とはいえません。最低賃金は生活給と見なすべきです。一億総中流の時代は過去の遺物かもしれませんが、最低賃金を上げるのが世界的な潮流です。 安部首相も最低賃金時給1000円を公約にしていたときもありましたから、参議院選で示された民意に従うべきでしょう。企業もフリーターを使い捨てにすれば政治が不安定化し、政権交代が起こり、日本経済にも悪影響が及びます。 格差社会が選挙のキーワードになりましたが、パラサイトシングルを前提とした低賃金は国際競争力を奪います。若者が結婚し、子供を産めないような低賃金は少子化を促進しますから、年金のシステムも機能しなくなります。 年金システムが破綻すれば、社会の負担は膨大な額になります。増税が不可避になり、企業負担も増加します。増税論議はタブーとされていますが、社会保障費の増大は不可避ですから、消費税を上げなければ財政は破綻します。 安定した社会を造るための投資も企業のコストの内です。バブル崩壊のダメージが経営陣を心理的に慎重にさせているのかもしれません。アメリカ型格差社会は日本人の許容範囲を遙かに超えていますから、企業は自重すべきです。 参議院選は民主党の予想を超えた圧勝でしたが、格差社会、地方、農村切り捨て政策に対する反発が大きかったからでしょう。痛みの伴う構造改革により経済が再生したのですから、痛みを勝ち組も負け組と分かち合うべきです。 自民党が金城湯池である一人区で壊滅したの地方が反乱したからでしょう。国政レベルでの失政よりもスキャンダルで自滅したように見えますが、国民に不満がなければ票に反映しなかったはずですから、政財界は反省すべきです。 国民は小沢代表を支持したわけではないと思います。小沢代表が米国大使を呼びつけた姿は「政策より政局の人」を如実に現していました。テロ特措法に反対するにしても、外交儀礼に反した姿はアメリカから反感を受けるでしょう。 対米関係が悪化すれば経済界にも影響が出るはずですから、参議院選の敗退は経済界にも無縁でないはずです。景気が回復したらたちまち企業の経営陣は豹変したように感じられます。政治、社会リスクにも敏感であるべきです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007/08/14 08:43:18 PM
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