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カテゴリ:政治
汚染米が食用米の流通ルートに乗り、学校や病院の給食に使われました。汚染米は工業用にしか使えないのが、国産米に化けたようです。三笠フーズだけではなく複数の汚染米取り扱い業者が食用米として市場に流通させたからです。
汚染米を食用米に偽装しているという告発があっても農水省は無視したとしか思えません。マスコミに情報が流れたから、仕方なく記者会見に応じたようです。事務次官は「私どもに責任があるとは考えていない」と居直りました。 太田農相は汚染が健康に及ぼす可能性が少ないから「あまりじたばた騒いでいない」と発言しました。農林官僚からは当事者としての責任感が感じられませんでした。汚染米を払い下げた後の流通先までは関知しないと居直りました。 汚染米の工業用の需要は払い下げられた量からすれば極めて少ないようです。焼却すればコストがかかるから、ただ同然で払い下げたようです。役所と業者との間では汚染米の食料米への偽装には暗黙の了解があったとしか思えます。 三笠フーズには5年間で98回も立ち入り検査を行っていますが、役所から事前に通知されていたようです。三笠フーズは検査官の来るときには作業行程を偽装し、二重帳簿を提出しました。検査官も形式的な合格証を発行しました。 事前通知をした上での検査が無意味であるのを承知した上での官民合作の汚染米の洗濯、ローンダリングとしか思えません。汚染米を食用の国産米と偽装すれば数十倍の利益が上がりますから、業者には濡れ手で粟のシステムでした。 農水省は流通先の公表を拒みましたが、首相が異議を唱えました。汚染米対策は農水省から内閣府に移管され、消費庁の野田大臣の担当になりました。首相の決断で流通先が公表されましたが、300件を超すのには驚かされました。 流通先が焼酎のような醸造用だけではなく、菓子類、給食まで多方面にわたっていましたから、汚染米の回収は事実上不可能です。国産米の証書がつけられていた場合もあったようですから、善良な業者も風評被害に合っています。 国民の健康を優先する立場からすれば流通先の公表は当然ですが、それ以前に役所の責任が追及されるべきです。業者は司法の場で裁かれるでしょうが、もう一方の当事者である役人はいつものようにお咎めなしで済まされそうです。 日本は外国産米の輸入がミニマムアクセスで義務化されていますから、汚染米であろうとも一定量を輸入すれば国際的な義務を果たしたことになります。国産米を守るためには副産物である汚染米が消費されれば良かったのです。 廃品業者が不要品、汚染米を買い取ってくれるのならば、ゴミとして燃やすよりも都合が良かったのです。ゴミ、汚染米の行き先を知らない方が都合が良かったのです。汚染米処理と廃棄物の不法投棄とは同じレベルの犯罪です。 廃棄物の不法投棄の場合はゴミ処理を委託した業者の責任が問われますから、農水省の責任が問われて当然です。ゴミ、汚染米の管理責任は完全に廃棄されるまでは委託した業者にありますから、汚染米の最終責任は農水省にあります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008/09/18 08:30:51 PM
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