金(キン)
私が小学生の頃までだろうか、金歯のおばちゃんがやたら多かったような記憶がある。もしかしたら、金歯が光っているからやたら印象に残っているだけかも知れないが、授業参観でも何人かは笑顔からエカテカの金色が漏れていたような記憶がある、ような気がする。
あの頃は、考えてみれば、日本の繁栄と発展の最終段階ぐらいの頃で、金はその象徴として時代を闊歩していた、ような気がする。
私の母も何を思ったのか、一度私が虫歯になったときに、金歯を歯医者に要望してくれたのだが、猫に小判、豚に真珠、私に金、という具合に、私にはその価値、価格は分からなかった。金歯を入れてもらった翌日私は、ミルキーあめちゃんを食べた。そして金歯がくっついて取れた。そして、捨てた。数日後、別の歯を見てもらいに行ったときにに歯医者が言った「あれ、この前入れた金歯がないぞ」私は子供心に知らんぷりをした。歯医者は、無料で、銀歯を入れてくれた。
それから私は、恐らく、順調に成長し、ロシアや南アで多く産出されることを知り、電流を速く流したり、酸化しにくいことを習い、概ね、金は金属の王様らしいということを学習した。
タイでは道端の露天商から高級デパートの中にまで金行というのがはびこっている。金色のネックレスから指輪から店内は金ぴかで、悪趣味だが、賑わっていて楽しそうだ。王宮も金ぴかである。何だか楽しい。
あーたのし・・・いとわろし
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう