イスタンブルから1時間45分。かつて中東のパリと呼ばれた避暑地リゾート地であったベイルートに到着した。昔は、ヨーロッパの経由地として、JALなども、寄港窓口であったようだ。
元々国土は豊かで温暖な気候は中東のスイスと呼ばれ、アラブ国家で唯一沙漠のない国である。アラブと言ってもキリスト教徒が4割もいる。1970年代80年代の内紛、5年前の元首相暗殺とそれに伴うシリア軍の撤退、4年前のイスラエル侵攻で、いかにも暗澹とした事件が流れる中、それでも、今は、その爪跡を残しながらも、今は南部(イスラエル国境付近)以外は政情不安は多少あるにしても安全とみた。
飛行機は出発が遅れ、ベイルートに到着したのは、午前0時を超えていた。入国は、そう難しいものではないのだが、ページのスタンプ確認に審査官以外に2人の係員が入念に調査した。イスラエルのスタンプがないかどうか確認しているのだろう。スタンプがあれば入国できないので、急遽、イスラエルは後で行くことにしたのである。(イスラエルの入国に他国のスタンプがあってもお咎めなし。但し、尋問は増えそう)
空港からの正式タクシーは30ドルであり、これはムッチャ高いのである。たった7,8キロしか市内まで離れていないのにである。少し外に出ると半額になると書いてある(帰りは、市内から空港まで交渉10ドルつまり15万レバノンポンドだった)
さて、どの国に行っても、この1発目、通貨の単位が良く分からない、物価が分からない、ムッチャ疲れている、結構もうどうでもいい早くホテルに行きたいという要素が固まり、寄ってきたオッサンを無視していたが、30ドルというので、正式タクシーと同じなので、もういいかと3分も歩いて移動すれば半額になるというのに、乗ってしまう。イカン、なんて軟弱な人間になってしまったんだ、と乗ってからしばし反省する。反省と共に、だんだんむかついてくる。オッサンが屋根に取り付けてあったタクシーの看板を取り、自分のIDを隠したことを目撃して更にだんだんむかついてくる、なんだ白タクかよ、まあ正式タクシーと同じ値段だから怒らないけど、やっぱり、不甲斐ない自分に対しては怒っている。そういう状態も、何の、15分程度でハムラ地区に到着。ダウンタウンにあった安ホテル群は、内戦で崩壊してしまったようである。
物価は、よく分からないが、インフレは結構あるようで、内戦で逃げていたレバノン金持ちが、金を持ったまま帰国してきて、更にインフレを招いているということを聞いている。それはともかく、まずは、夜中の2時ではあるが、散歩開始だ。ホテルの目の前のバーを見ると、人で満席状態だ。
しかし、そこから1ブロックも歩いていくと、警察警察・・・そして軍人軍隊・・・尋問は受けないものだが、爆弾テロなどを警戒しているのだろうか。他の店はほとんど閉まっているので、水とタバコとお菓子だけうっていた屋台で水を20円で購入、あのタクシー運転手め、水買えば150ボトルも買えるじゃねえか!と自嘲気味に呟き、すぐさまホテルに引き返したのであった。
何だろう、この夜の散歩、死ぬか安全か、だ。これだけ警察がいれば、まずチンピラにカツアゲされたり暴行や強奪にあうことはないだろう。そういう意味では、他の都市と比べ安心して歩ける。しかし、銃を構えた警察や軍隊に、もし、襲われたら、そのときは終わりだ。誤解で殺されてはたまらない。そんなことはないだろうが、ふと、これはこれでやばいなと思う。
アフガニスタンがタリバンに占領されて、音楽や女性が働くことや、自由な交通機関などが廃止され、特に女性は病気になれば、親族以外の男性との接触を禁止されているので医者にもいけない、教育も受けられない、窮屈でツライ社会になってしまった。しかし、タリバンが追い出され、街に自由が戻ってきたと同時に、治安は悪化したのだ。強盗ごーかんが多発するようになったのだ。
その一歩手前という感じがするのであった。
翌朝は、7時から、早速、散歩開始である。開始と言っても、リゾート地ではあっても、とくだん観光して見回るようなところはなく、とにかく、坂を下り、地中海を目指すのであった。
あの夜はなんだったんだ。不穏な空気の欠片もない明るい太陽の下、私は、グイグイ進むのである。
2009年GWトルコ・レバノン・ヨルダン・イスラエル旅行
イスタンブールへ
レバノン料理最高
ベイルート、レバノンのナニコレ。
ベイルートガイドブック
ベイルート戦火
レバノン・ベイルート昼夜
レバノン・ベイルート→ヨルダン・アンマン、ゴラン高原
ヨルダン・アンマン朝夜
アンマンガイドブック
ヨルダン側死海DEADSEA1
ヨルダン側死海DEADSEA2
ヨルダン・アンマン→イスラエル・テルアビブ130キロ
イスラエルの歴史おさらい
入国厳しさ世界一のイスラエル入出国
テルアビブにて
イスラエルgourmetの旅
キプロスを越えて
飛んでイスタンブール
20年ぶりのイスタンブール
グランモスクで一杯のチャイ
東京→大阪