Historic Change to Internet's Domain Name System
アップするのがずいぶん遅れましたが、ICANNによる20日のgTLD(generic Top Level Domain)拡張はインターネット史の1頁に記載されるべき事項としてこのブログにも記しておこうと思います。おさらいをしておくと、インターネット等のコンピュータネットワーク上で、個々のコンピュータを識別するもの(正しくは名称の一部)を、私たちはドメインネームと呼んでいますね。www.rakuten.co.jp を例にとると、rakutenはサードレベルドメイン、coはセカンドレベルドメイン、jpがトップレベルドメインになります。このトップレベルドメインは、1) generic 一般2) sponsored スポンサー付き3) country-code 国別コード4) internationalized 国際などに分類されます。今回話題の、1) genericトップレベルドメイン(gTLD)は、従来下の22種に限られていました。(出典:Wikipedia).aero 航空業界。.arpa インターネット・アーキテクチャ委員会の勧告に従い、インターネットの運営上重要な、インフラ上のホスト名特定のための領域としてのみ確保されている。.asia アジア太平洋地域の企業・団体・個人。.biz ビジネス。.cat カタルーニャ語話者およびカタルーニャ文化圏。.com 商取引事業者、だが厳密ではない。.coop 協同組合.edu 小中高等教育機関.gov アメリカ合衆国における、連邦・州・地方の政府機関。.info 情報サイト、だが厳密ではない。.int 条約によって設立された国際機関。.jobs 雇用に関するサイト。.mil アメリカ軍。.mobi モバイルに対応したサイト。.museum 博物館・美術館。.name 個人・家族。.net 元々はインフラのためのものであった。現在は制限なし。.org 元々は、他のgTLDに該当しない団体のためのものであった。現在は制限なし。.pro 特定の職業.tel 電話網およびインターネットの通信に関するサービス。2007年3月2日追加.travel 旅行代理店、航空会社、ホテル、旅行事務局など.xxx ポルノサイトこれを今後、企業名や地名なども自由にドメイン名として使えるようにしようというのがICANNの決議です。またUnicodeの文字使用を対応とありますから、英語以外の言語もドメイン名に使えるようになります。(「.wikipedia」を取得すれば「ja.wikipedia」を「日本.ウィキペディア」と表わせるということだそうです。)ただし申請費用が18万5,000ドル(約1,500万円)、その他いくつかの条件を満たす必要もあり、今のところ賛否の声は様々。企業が防衛的にドメインを取得する必要が生じるなど、今回の決議に伴う新たな問題も出てくるとは思いますが、基本的にgTLDの開放は表現の多様性や創造性を許すものだと思います。ユーザーの慣習が変わる必要がありますけれど、もしそうなったら特にグローバル化を目指す企業などには、応用する価値があるのではないでしょうか。日本では www.rakuten.co.jp 、中国では www.rakuten.com.cn、などとその国にあわせたそれぞれのドメイン管理を、統合的にブランディングしていく可能性が生まれます。最後にどうでもいいことですが、ICANNの重大決議の際の動画、人が集まり「挙手」で決定するという図に古典的なコントラストの面白みを感じたのは私だけでしょうか。あたたかみがあって良いと思いますけれど。