「世界」はどんな形ですか
1974年にDr. Arno Petersという人が考案したPeters Mapというものがあります。世界地図を実際の面積と方位をもとに表現した地図ということで、私達が普段慣れ親しんでいるメルカトル図法の地図と比べると、少々異なる地形図がそこに展開されています。【メルカトル図法の地図】【Peters Map】例えば、メルカトル図法の地図ではグリーンランドと中国のサイズはほぼ同じですけれど、Peters Mapではグリーンランド=2,166,086平方キロメートル、中国=9,596,960平方キロメートルというのが正確に表わされるわけです。アフリカ大陸とアジア大陸の面積の差も、あらためて実感、という感想ではないでしょうか。もともとメルカトル図法は、16世紀海上の航海を行なうために考案されたため、陸上の差異などが重視されていないらしいですね。頭ではわかっていても、実際にこう見ると、「世界」の印象が随分違って見えるものです。同じ事象を語っていても、切り取り方によってこうも受け取り方は変わるということが、よくわかる実例です。世界がどんな形をしているのか。本当の意味でそれを知るには、自分の目でそれを見てみるしかないのかもしれません。KOICHI NAKAMURA