世界チャンピオン 西澤ヨシノリさん
今日、私の携帯に本当にうれしい知らせがありました。ボクシングの西澤ヨシノリさんから、「世界チャンピオンになった」と。先日、オーストラリアはシドニーで行なわれたWPBF&UBC世界クルーザー級タイトルマッチで、5R35秒KO勝ちだったそうです。第34回 全日本ミドル級新人王第45代 日本ミドルチャンピオン(防衛3回)第 6代 OPBF東洋太平洋スーパーミドル級チャンピオン(防衛1回)第 8代 OPBF東洋太平洋スーパーミドル級チャンピオン(防衛1回)第10代 OPBF東洋太平洋スーパーミドル級チャンピオン(防衛1回)第11代 OPBF東洋太平洋ライトヘビー級チャンピオン第 5代 WBFアジア太平洋ライトヘビー級チャンピオン初代 KBAアジア最強王者とタイトル獲得を重ね、日本人最年長ボクサーとして戦歴を積んでこられた西澤さんの、悲願だった「世界」。西澤さんのそこに賭ける情熱、執念、ご努力を知る者としては、今日の知らせは本当に重大で素晴らしいものでした。シドニーで元ムエタイ王者のチョクチャナ・シスクラポン選手(28歳)を下し、獲ったタイトルは、UBC世界クルーザー級チャンピオンWPBF世界クルーザー級チャンピオンWBF英連邦クルーザー級チャンピオン西澤さんのページに当日の試合の模様が掲載されていますので、抜粋させていただきます。1Rの西澤選手は相手の力量をはかるように距離をとりチョクチャナ選手の出方を見る、この数年定番となっているスタイル。試合前に相手の情報が入らない海外での試合、西澤選手は毎試合1Rで相手の癖やパンチ力を観察し、試合運びを組立てるという。 西澤選手が試合前教えてくれた。今回はガードを変えてきた。この距離感に相手はとまどうと思う。そして海外に戦いの場を移してきて学んだこと、それはKOで勝たなければいけないということ。今まで右ストレートで相手を倒してきたイメージが自分にも周囲の人たちにもある。でも実は自分のKOパンチは左フックなんだ。だから今回は「左で倒す」よ。 試合に話を戻す。1R前半西澤選手の手数は相手に比べ非常に少ない、おそらくジャブを5発程度打っただけだったと思う。相手は自分の距離に持ち込もうとするも 西澤選手の懐に入れず思うように攻めきれない。 2分36秒、我慢しきれなくなったチョクチャナ選手が強引に打った左に合わせて 西澤選手が放った右クロス。これが見事に相手の顎をとらえ、この日一度目のダウンを奪う。これに試合会場のオーストラリア人、そして日本人ファンもヒートアップ。一発で流れを引き寄せた。 その後2R、3Rと西澤選手優位に試合は進み、各ラウンドで相手からダウンを奪う。しかし、タイトルがかかったこの試合、相手選手の執念に火がつく。 4R は見ごたえのある打ち合い。打ち終わりを狙いチョクチャナ選手のキレのあるパンチが西澤選手を襲う。もちろん西澤選手も反撃。この打ち合いに場内のボルテージは最高潮に。4R後半西澤選手の大振りなボディーフックが目立った。これはことごとく相手にガードされ、相手の有効打が西澤選手を上回った。 そしてついに迎えた5R35秒、前ラウンドで西澤選手が放ったボディーフックの印象が強かったのか、ガードを下げたチョクチャナ選手の隙を西澤選手は見逃さなかった。4年前、日本でのライセンス失効後はじめての試合となったWBFアジアパシフィックタイトルマッチで勝利した、2年前の韓国チャンピオン戦での勝利を決定付けた、そしてこの試合前に予告していた、左フックが相手の顎を見事打ち抜いた。レフェリーストップのKO勝利。 会場からは西澤コールならぬ「NISHI」コールが。ついに西澤選手は世界一のベルトを手にした。 現役生活25年、栄誉も挫折も経験した日本人最年長ボクサーが世界の頂にたった瞬間だった。 言葉では上手くあらわせないくらい凄いことです。西澤さんの背中が私たちに教えてくれるもの、それはどんな苦境に立っても夢を諦めず闘い続けること。道は自分で切り拓くのだということ。言い訳をしないこと。本当に、おめでとうございます!KOICHI NAKAMURA