テーマ:社交ダンス(8436)
カテゴリ:その他
大寒から節分までの、一年で一番寒いこの時期、寒稽古や寒中水泳など、各地でいろいろな行事が行われています。寒さ、つらさに打ち勝つことによって、自信を芽生えさせ、肉体だけでなく精神も鍛えようという主旨ではないかと思います。
合気道では、大寒呼吸行(たいかんこきゅうのぎょう)を行います。通常2時間のお稽古を前半に集約して、後半は呼吸法の修業です。普段は、週一回とか二回とか稽古日が決まっていますが、この期間中は、毎日参加することも出来て、皆勤すると、館長直筆の「氣」と書いた色紙がいただけることになっています。 私は、ダンスの練習があるので、いままで一度も皆勤したことがなく、残念ながら、その達成感を味わったことがありません。 呼吸法は、昇級検定の項目にもあるほど、合気道では重要な手法です。ちょっとヨガの呼吸に似たところもありますが、違いは、「息を止めない」ことにあります。 細く長く鼻から吸って、細く長く口から吐く。 これだけのことですが、皆さんもちょっと時間を計って、15秒間、ゆっくり鼻から吸って見て下さい。結構大変でしょう。級が進むに連れて、だんだん時間が長くなっていきます。 定刻になると、道場の暖房と電気は消され、全ての窓が開け放されます。氷点下の空気が、畳を這うようにドッと流れ込んできて、体中に鳥肌が立つのが分かります。男子は上半身はだか、女子はTシャツ一枚になって、冷気の押し寄せる畳に正座し、そっと目を閉じます。先生の拍子木の音に合わせて、呼吸の行が始まります。 「出(い)づる息は天地よろず世に及び、入る息は腹内の寸分のうちにおさまる。」 呼吸法の心得には、これをずっと行うことによって、天地と一体となる至妙境(しみょうきょう)に至るとありますが、この「何とも言えない心地よい状態」に至ったことは、まだ一度もありません。ただ呼吸するだけの30分間は、足のしびれと雑念の嵐とともに、限りなく長く感じられます。 修業が終わって、再び電気がつけられても、みんなしばらく立てません。いたずら好きの人は、しびれてビンビンの友達の足に触って「うわー!」と叫ぶのを喜んだりします。暖かいお茶とお菓子が振る舞われ、参加者名簿に名前を書いて、一日の行が終わります。 いつか至妙境に至る日が来るのか、ちょっと分かりませんが、今年の大寒呼吸行も無事終了しました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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