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2013/09/08
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テーマ:社交ダンス(8439)
カテゴリ:音楽のはなし
しばらく縁がなかったライブ音源にやっとこの耳を浸すことができました。


『生の音楽が聞きたいなあ。』


最近ずっとそう思っていたんです。

ルーブル美術館展のプログラムに合わせて、地中海の各時代の音楽を古学と民族音楽のスペシャリストがこのためだけにユニットを組んで演奏してくれる音楽会でした。



ユニット名は「カメラータ・リンガ・フランカ」。

メンバーは以下の6人でした。

    佐藤圭一(音楽監督・ウード、ラバーブ ほか)
    花井尚美(歌)
    荻野和夫(ハルモ二ウム ほか)
    石田秀幸(ネイ、カヴァル ほか)
    石田美香(タンブール、サズ ほか)
    蔡怜雄(打楽器)

舞台に登場した皆さんが持っていたのが、見た事もない楽器達だったのでどんな音がするんだろうとワクワクしましたね。

楽器2.jpg

サズという三味線の起源のような楽器はメソポタミア文明時代にすでにあったようで、バラライカに似た音でした。

ウードは中世からバロック期のヨーロッパで広く演奏されていたリュートの起源となった楽器で、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』にも出て来るので見た事がある気がしていました。これが東洋にまで波及して日本の琵琶(びわ)になったらしいですよ。

ラバーブはぼってりした面白い形でしたね。弦の数が一体何本なのか糸巻きがいっぱい付いてました。


楽器1.jpg

ネイは宗教的な音楽に用いられる楽器で太い葦(あし)から作られています。カヴァルはブルガリアの羊飼いの笛とのこと。どちらも斜めに構えて吹くんですが、これはそうしないと音が出ない楽器らしいです。

よくアラビアンナイトのような物語でツボから蛇が出て来る大道芸で吹いてますよね。蛇が昇って来るのに邪魔にならないように斜めにするのかと思ってました。

打楽器は演奏法が独特です。手のひらで叩くのではなく10本の指で弾く感じでした。昔の音楽って拍子が3拍子とか4拍子じゃなく、変拍子なのでリズム隊がはっきりしないと他の楽器が合わせられ無い気がしました。

ハルモニウムというオルガンも初めて見たんですが、アコーデオンのように空気を送って鳴る仕組みなんです。手前と背面の扉がフカフカ開くようになっていて、片手で鍵盤を弾きます。




さて、演奏の方。

ご興味ある方のために一応演奏曲目を記しておきますが、私にとっては初めて聞く曲ばっかりでした。

序章 地中海世界
1. Vai Facile 気ままな旅路
1978年にナポリで結成されたメディタレニアというロックバンドの曲だそうです。サズのリズムから入るとても陽気な曲でした。ロックとは思えなかったんですが、地中海をモチーフにした伝統的要素も含むポピュラー音楽ですかね。

第1章 地中海の始まり
2. Hurrian Hymn to Nikkal 女神ニッカルへの讃歌
クルド人の祖先と言われるフルリ人の古代都市国家で紀元前13世紀頃に作られたと思われる世界最古の賛美歌の楽譜がこの粘土板だそうです。
これが楽譜だと分かった研究者も凄いと思いますけどそれを数千年の時を超えて今聞けるというのも凄い事ですね。

粘度版.jpg

第2章 統合された地中海
3. Ya Chouchana ヤ・シュシャーナ
ギリシャ、カルタゴ、ローマによる海の覇権争いの時代です。ローマによって壊滅的な打撃を受け統合されたカルタゴ(現チュニジア)に伝わるマルーフと呼ばれる伝統音楽だそうです。アラビア音楽でした。

4. Seikilos Epitaph セイキロスの墓碑銘
紀元前1-2世紀ごろの古代ギリシャの遺跡に、墓石に刻まれた完全な楽譜が残っているのだそうです。
『生きている間は輝きなさい。時はやがて終わりを求めて来るのだから』こんな内容のギリシャ語歌なんでしょうか。





第3章 中世の地中海
5. Super Flumina Babylonis バビロン川のほとりで
グレゴリオ聖歌はなぜか好きでCD持ってたりするんですが、エコーの効いた男声合唱ではなく女性のソロで歌われるグレゴリオ聖歌は初めて聴きました。まるで子守唄の様で前の席の人はいい気持ちで寝てしまっていましたよ。

6. Kalenda Mayai 五月の日々も
中世オック語抒情詩の詩人・作曲家・歌手たちのことをトルバドゥールと呼ぶそうです。この曲は片思いの男の歌のようです。

7. Reis Glorios 栄光の王
トルバドゥールでも後世に名を残す有名人がいるんですね。これはギラウト・ボルネィユという人の曲だそうです。

8. Santa Maria, Strela Do Dia 聖母マリア、夜明けの星よ
この曲、どこかで聞いたことありました。映画かアニメの挿入歌として使われていたのかもしれません。どこで聞いたのか凄く気になってずっと考えていましたがどうしても思い出せませんでした。

Cantiga 100 "Santa Maria Strela do dia"



第4章 地中海の近代(1490-1750年)
9. ヤジュラルゼイベイ
オスマントルコが勢力を伸ばし、アラブ音楽を統合して行きます。この曲はゆっくりとした9拍子のトルコ音楽です。ゼイベキと呼ばれる優雅な舞曲だそうです。

10. Dalla porta d'oriente 東方の門から
この辺になるとさすがに作曲者が誰かはっきりしてきます。ジュリオ・カッチーニ(1545-1618)の作品。歌もロマンチックな内容です。




11. Danz Alta Sobre La Spagna 古風な舞曲
フランシスコ・デ・ラ・トーレ(1483-1504)はナポリで活躍したスペイン人作曲家でした。バッハのようなバロックの香りを残すルネッサンス音楽です。

第5章 地中海紀行(1750-1850)
12. ウスクダラ
トルコ人なら誰でも歌える歌だそうです。2020年のオリンピックは東京という事に決まってイスタンブールではなくなりましたが、これから行かれる予定のある方は覚えておくと楽しい旅になるかも。江利チエミさんが日本語で歌ってヒットしたそうですよ。

江利チエミ ウスクダラ






13. Lamma Bada Yatathanna 彼女が現れたとき
こちらはアラブ人なら知らない人はいない歌だそうです。10拍子ですけどそれなりに踊れそうですよ。

Lamma Bada Yatathanna



14. Jove Marai Mome ヨベ・マライ・モメ
ブルガリアの舞曲だそうです。18拍子(7+4+7)で手拍子難しそうですけどこれで華麗なステップで踊られるそうです。皆さんで大合唱されてましたのでこれも有名な曲なんでしょうね。

東京都美術館の入って右側の半地下にある講堂は今回初めて入りました。とても新しくてきれいです。2時から3時半まで、豊かな時間を過ごさせてもらって心の充電バッチリです。

ヨーロッパにもいろんな音楽があるもんですね。








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Last updated  2013/09/09 12:53:08 PM
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