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2006/08/05
テーマ：東京 / 江戸(1183)
カテゴリ：街についてうんちく
 江東区では他でもそうなのかもしれないが、ここ門前仲町周辺はとにかく河が多い。東西南北、いたるところに河が流れている。  必然的に無数の橋が存在し、様々な顔を見せてくれる。   水面を眺めていると落ちついた気持ちになれる。気持ちを休ませたいと思った時、缶コーヒーでも飲みながら河を眺めに行く。  人の気持ちを落ち着かせる力は不思議だ。 広い水面のあるところは空も開かれた場所だということもあるのかもしれない。海の近くに住む人であるならば、海を見て心を落ちつかせるのだろう。  昔、学生だったころ、バイトを終えた帰り道に、よく水際のある公園へ立ち寄ってしばし水面を眺めていた。まだ若かったから、移り過ぎ行く情景の中で解決がつかないことをいろいろ考えこんだり、誰かの気持ちのことを想像したりした。  そんな時、水面を眺めていたというより、まなざしは水面に向かれていたが、思考は水面でななく、自分自身に向いていたのかもしれない。  追われるような日々をおくっている今、水面を眺めて気持ちを整理するなんて悠著なことはほとんどない。だけど、そんな時間がないということで、実は人生においてとてつもないロスをしてしまっているのかもしれない。  すべての人がこの世に生まれ、すべての人が違う人生を歩み、そしてすべての人がこの世から消えてゆく。 社会・人間・・・・謎が多い。ただ言えることは、人間も生物の一つであることに間違いはなく、謎は謎のまま本能に導かれ、生きているということ。論理でも善悪でもなく、感性の赴く方向にさまよい、憧憬に浸り、日常に紛れ込む。まったくの馬鹿げた行為であったとしても、価値観の異なる人から見たら憧憬の対象であるのかもしれない。  自分自身を閉じ込めている「常識」が、実は「常識」ではないのではないかと気が付いた時、開放され解き放たれた欲求と、「常識」のために失われた時間との間で人はたじろぐ。 意識はされていなくとも、無意識の海の中には計り知れぬ憧憬が、その姿を浮かび上がらせる機会を待っている。浮上せんとするその声を遮断することなく、素直に受け入れる時があったっていい。  すべての人間は必ず消えてゆき、また、今このときも消えてゆくのであるから。  忘れていたもの、置き去りにしてきたもの・・・・・ 河のある光景はそんなものをふと蘇らせてくれたりする。 ＜写真撮影＞ 2006年7月26日 2006年8月 3日 2006年8月 4日 （街についてうんちく・今回の門前仲町特集はこれでおわり） ●自ブログリンク：門前仲町（その１）・門仲への道 ●自ブログリンク：門前仲町（その２）・門仲といえばここ ●自ブログリンク：門前仲町（その３）・レトロタウン お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
[街についてうんちく] カテゴリの最新記事
本当に色々な表情がありますね！？
私は山の子ですので河というより川！水底が透けて見え、せせらぎがあり、急流があり、曲がりくねっていたりetc 水は命の源と言われるくらいですから、時にはそれぞれの水面を覗いて自分の人生を考えてみる時間も良いかもしれませんね？ (2006/08/06 10:38:01 PM)
私も感じました・・N朗♪さんカッコいい～♪
“門仲特集”ありがとう！そして取材等お疲れ様でした。。 その４「河のある光景」特集最後にふさわしい内容でしたね。 人は水辺に集うものだそうです。。母の胎内での想い出がそうさせると。。 長い人生においてふと立ち止まる・・たまには必要ですね。 ４編に渡り楽しく、そして懐かしく拝見出来ました。最後もう一度ありがとうございました。 (2006/08/06 10:46:09 PM)
暑いさなかの水辺の写真。いいですね♪
文章は深く考えさせられました。暑さに負けてあまり動かない頭で。。。（笑） ありがとうございました（＾＾） (2006/08/07 09:49:38 AM)
bagslifeさん
＞街中を流れる河のある風景って、いいですね。 きっと大阪もそうなんでしょうが、本当に河が多いです。もともとこの江東区というところは埋め立て地が多いということもあり、水とは切っても切り離せない場所だと思います。「水彩都市」っていう呼称もついてるぐらいです。 文章ですが、bagslifeさんのブログに倣って、ちょっと詩を意識してみました（笑） (2006/08/08 12:17:41 AM)
茉李花さん
＞私は山の子ですので河というより川！ ＞水底が透けて見え、せせらぎがあり、 ＞急流があり、曲がりくねっていたりetc おっしゃるとおり、ここはゆったりとした本当に海が間近な下流の光景です。水は汚れているし、魚やネコの死骸が浮いていたり・・・・・上流の川とはちょっと違ったイメージだと思います。どちらかといえば、沼や湖に近いかもしれませんね。でも、汚れた水であっても、気持ちが整理できるから、水って不思議ですね・・・。 (2006/08/08 12:27:30 AM)
ローズ薫さん
＞“門仲特集”ありがとう！そして取材等お疲れ様でした。。 ローズ薫さんのご期待にあんまり応えることが出来ず申しわけありませんでした(^ ^; 面白い店がたくさんあるので、もうちょっとムック的なことを書きたかったです。歴史については自分自身調べながら書いていて、今まで知らなかったことがわかったりしていろいろ勉強になりました。なかでも伊能忠敬には興味がわき、歴史では勉強したんですが、あらためて伊能図なんかを見ていてスゲーな～って思いました。 門仲ってみどころはまだまだ山ほどあるから、また気が向いたら、門仲の続編書きますんで、宜しくお願いします。 ＞長い人生においてふと立ち止まる・・ ＞たまには必要ですね。 あえて立ち止まる時間を作る必要もあるのかもしれませんね。 (2006/08/08 12:36:16 AM)
まっきー0119さん
＞暑いさなかの水辺の写真。いいですね♪ 確かに。意識してませんでしたが、暑い中、水辺の写真っていいかもしれませんね。 ＞文章は深く考えさせられました。 ＞暑さに負けてあまり動かない頭で。。。（笑） ありがとうございます（笑）人生って真夏の夢なのかもしれませんね。 (2006/08/08 12:40:55 AM) |
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