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テーマ:特撮について喋ろう♪(4720)
カテゴリ:サブカルについてうんちく
(前回からの続き) ■「パワーアニマルシリーズ」のスゴさ ガオレンジャーの主役ロボットはガオキングという名前で、パワーアニマルと呼ばれる数体の動物(ライオン、ワシ、トラ、サメ、野牛)が合体してガオキングとなる。そしてさらに、キリンやゾウ、クマなどが登場してきて、ガオキングの武器となったり、合体オプションとなったりする。「パワーアニマルシリーズ」と呼ばれるバンダイのオモチャもそうなっていて、大ヒット商品となった。 ガオレンジャー大ヒットの最大の要因は、パワーアニマルシリーズがウケたからだと分析する。番組があるがゆえにオモチャが大ヒットし、オモチャがあるがゆえに番組が大ヒットした・・・ バンダイが戦隊シリーズの制作にどれだけタッチしているのかは定かではないが、企画の段階から相当なウェイトで関わっているのではと推測される。でなければ番組の進行とシンクロして、あれだけ精巧なオモチャの開発は不可能だろう。まずはじめにオモチャの開発計画があり、その枠組みに従ってストーリは作られていく・・・ガオレンジャーはそんな制作方法を取っていたのではないか。 こう書くと戦隊シリーズは、商品で利益を上げるための単なる企業営利活動であり、俺らは単にその営利活動にのせられているように見えるが、そうであったとしても、そこから感動的な作品が生まれたり、新しい文化が派生していくところが資本主義社会の絶妙なところだとも思う。 そしてまた商品を売るためにオモチャメーカーと番組制作会社がガッチリ手を組んで番組を作っていったからといって、必ずしもその目論見が成功するとは限らない。パワーアニマルシリーズが大ヒットしたのは、大ヒットするだけの要素があった。 その要素を挙げてみよう。 ・・・・などなど バンダイのマジキング(マジレンジャーの主役ロボ)を手にした時、5つの人型ロボット(正確にはロボットではない)が合体して一つの人型ロボットとなる意外さと精巧さに、「これよく出来てるよな~」と感心した。そんな中、ガオレンジャーをビデオで観始め、パワーアニマルが複雑に合体してガオキングとなる映像に、「これも本当にオモチャでこうなるの!??」・・と、かなり興味を持った。大人が興味を持つぐらいだから子供が興味を持つのは当然であり、普通のオモチャ屋さんでは、もはや売っていない5年前のパワーアニマルシリーズを探し求め、さいたま市周辺のリサイクルショップを探し歩くことに・・・・。 ●自ブログリンク:戦隊シリーズおもちゃパラダイス 現在N郎♪家には20匹を超えるパワーアニマがいる。半年近くでよくまあ、これだけ集まったと思う。普通の店ではもはや手に入らないオモチャなので、それぞれのパワーアニマルを発見したときにはかなりの感動があった(笑)。ネットのオークションでも手に入るかもしれないが、実際にリサイクルショップで発見し、手にした時の感激はひとしおだ。 その中からいくつか挙げてみよう。 左から ガオウルフ、ガオアリゲーター、ガオハンマーヘッド ガオアリゲーターがデカイ。 この3匹を玉山鉄二(ガオシルバー)が操り、合体して下の写真のガオハンターとなる・・・。 ガオハンター。デザインが秀悦。カッチョイイ。 ※リサイクルショップで購入した時、胸に付いている三日月(ガオウルフの尻尾)は部品が欠落していた(値段が安かったので欠落承知で購入)。写真の三日月はN郎♪が自作。 ガオライノス。一番複雑な変形をする。下の写真が変形後だが、下の写真の状態からこの動物の形態に戻すのに、説明書なしでは苦労する。ルービックキューブのよう。 番組の中ではガオライノスがロボットの下半身に変形しながら走ってゆくリアルなCGが流れるが、オモチャもまったく同様に変形する。 ※パワーアニマルシリーズの商品の話は以下のサイトにかなり詳しく掲載されている。他にどんなのがあるか知りたい方はどうぞ。 ●外部リンク:人生に玩具あり2式 パワーアニマルシリーズを実際に手にしてみると、商品企画スタッフの計算や開発スタッフの情熱やこだわりがひしひしと伝わってくる。ガオレンジャー大ヒット最大の要因は、まさにこの商品販売・商品開発にかけるメーカースタッフの情熱やこだわりではなかったか・・・・。 もちろん番組の内容がよく、商品と番組とが違和感なくシンクロしていたという要素も見逃すことはできない。戦隊シリーズの中では、逆に商品に番組が振り回され、迷走した例も少なくないと思われるだけに、ガオレンジャーのこの商品と番組との絶妙な一体感は大成功を収めた例として特筆すべきであると思う。 『百獣戦隊ガオレンジャー』という一つのプロジェクトを複数の企業・組織・スタッフが合同で進め、大成功させたその過程や背景は興味があるところだ。本にでもすれば売れるのではないか? <今回のまとめ> タイムレンジャーが人間ドラマや映像の芸術性に一番のこだわりがあり、マジレンジャーが「勇気」や「家族の絆」で泣かせることに一番のこだわりがあったとすれば、ガオレンジャーはパワーアニマルシリーズの魅力に一番のこだわりがあったのではないか。それが番組とオモチャの双方の大ヒットとなった。 オモチャであろうが、番組であろうが、音楽であろうが、何であろうが、やはりイイ物は、それ相応のこだわりや情熱がであってこそだと思う。すべての人はなんらかの創造者であると思うが、パワーアニマルシリーズの大ヒットは、子供番組という枠組みを超え、そんな真理を我々に与えてくれるのではないかと思う。 (この話つづく) ●リンク:『百獣戦隊ガオレンジャー』考(1) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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