新宿昭和館の思い出
ブックオフで「名画座番外地~『新宿昭和館』傷だらけの盛衰記」という本を見つけた。新宿の東口から南口に向かう通りから路地に入ったところにあった名画座に勤めていた男性の思い出話。あの界隈は今でもやさぐれた雰囲気が残っているが、「新宿昭和館」があったころは、もっとやさぐれていた。 「新宿昭和館」は、邦画の娯楽作(主に任侠もの)を上映する1階と、ピンク映画を上映する「昭和館地下」の2フロアの構成で、昔ながらの面影を残す映画館だった。といっても、立地や上映作品で想像されるように、なかなかちょっと足を踏み入れるのに勇気のいる映画館。 しかも、恐ろしいことに「新宿昭和館」は、最後まで3本立て興行を貫いており、見たい作品がかかっていても時間の都合がつなかないと見られないという映画館だった。そもそも「ぴあ」なんぞを持って映画を見に行く連中を相手にしてないのだから仕方がない。 そう、客だって「新宿昭和館」に負けないくらいやさぐれていた(爆)。ほとんどは、映画を見るためではなく、時間をつぶすために入っている親父たちばかりだ。もちろん、ピンク映画を上映していた「昭和館地下」の方が、やさぐれ度は高い。 そんなわけで、あのやさぐれた雰囲気を愛するボクではあったが、熱心なファンだったわけではない。ちょっと記録をひっくり返してみたのだが、数えるほどしか行っていない。しかも、映画自体は覚えているのに「新宿昭和館」とは、なぜか結びつかない。館内の様子は、おぼろげに覚えているのだが…。 「思い出」とタイトルに書きながら思い出がないので(爆)、最後に「新宿昭和館」で見た作品と日付を書いておく。1981年4月11日 「聖獣学園」「純」「女囚701号・さそり」1982年4月17日 「ラブレター」「北斎漫画」「白日夢」1982年7月17日 「ズームアップ ビニール本の女」「ビニ本殺人事件」(地下)1983年6月25日 「蒲田行進曲」「時代屋の女房」「俺っちのウェディング」1984年2月4日 「唐獅子株式会社」(なぜか1本のみ)1986年8月2日 「逃亡と掟」「仁義なき戦い」「網走番外地」