ドラマ「不毛地帯」の不毛
今時珍しい「骨太なドラマ」として、一部で持ち上げられている「不毛地帯」。時々見ているのだが、どうしてこの程度でヨイショされるのかわからないくらい、つまらない。 確かにキャスティングは豪華だし、映像ももったいぶっているのだけど、ちっとも時代性が感じられない。現代に置き換えたドラマかと思うくらいだ。むしろ、思い切って現代の置き換えた方が良かったのではないだろうか。 …などと、このドラマは、見るたびに感じさせられる不毛なイメージの原因を考えずにいられなくなってしまう。その原因が、今夜、ついにわかった。 過剰な音楽(ひょっとしたら後半、やたらと流れているだけかもしれない)がドラマを薄っぺらにしている。エンディングにトム・ウェイツを使うセンスもどうかと思うが、それ以上に饒舌なまでに鳴り続けるBGMがうるさい。曲が悪いのではない。音楽の使い方が、完全に間違っている。 トム・ウェイツを使ったということは、きっとこのドラマの製作者は、自分に音楽的センスがあると過信しているのではないか。その過信が、とんでもなくセンスの悪い音楽の使い方につながったのではないかと、思わずにはいられない。 音楽と映像の関係を学ぶ意味では、映画やドラマの演出を志す人には、かなり良い教材になっているような気がする。