ゲーム業界歴がある程度長くなり、それなりに大手、中小何社か渡り歩いているとわかるのですが「発売の延期理由にクオリティーアップはない」ってことです。
と、いうのはこの手の延期って必ず「何か重大な問題があったから」なんです。
ゲーム開発の基本は企画の仕様どおりに作ること。その際、思わぬエラーやトラブル、仕様にない変更が発生します。そこをなんとかやりくりして期限内に開発するのがプロとしての仕事です。
ですが、どうしても間に合わない場合があったとき、どうするか?期間を延ばすか、あるいは仕様を削る。この2択です。
逆に言えば締め切りは絶対なので、期限前に開発してしまった場合、余った時間、開発スタッフは「期間内において許される」クオリティーアップをします。この作業はあくまで調整段階なので、期限を延ばしてまでの調整はしません。内容が劇的に向上するようなクオリティーアップは大きなバグの誘発を促すので事実上この段階では不可能ですから。(バランス数値調整、システムに影響しないオマケ要素追加、ぐらい)また、AC格闘ゲームなどバランス調整が売り上げに直接影響するゲームは、最初からその期間を多めに取ってあります。
時折、画面写真やプレイ動画まで公開され、発売時期まで発表されたにもかかわらず、1年以上の延期があるソフトがありますが、おそらく「これじゃ売れない」というちゃぶ台返し、あるいは本当にハリボテで煮詰められていなかったか・・・いすれにせよその延期はクオリティーアップではありません。見積もり不足、ってやつで・・・
「さらなる品質向上のため」というお題目が付いたとしたら、単に間にあわなかった、とお考えください。