おかみの日記

　小さい子供は熱を出す。

それも、頼むからこの時ばかりは出してくれるな！！
という時に限って熱を出す。

まるで狙っているかのようだ。

今回もそうだった。

椎名誠さんの講演会のあるその日、朝、保育園には普通に行ったのに

９時頃突然「お子さんが４０度の熱を出しました。」と園から電話がかかってきた。

えー！！４０度って・・・・、今朝はあんなにピンピンしてたじゃない。

確かに帰ってきた子供はグッタリしていた。

熱も軽く４０度ある。

今週に入って、鼻をグズグズ言わせていたので、嫌な予感はしてたんだよね。

で、結局、講演会には行けず。

椎名さんを一目見るという願いも叶わなかった。

が、いいのだ。

神様が「行かないほうがいいよ。」と言ったのだろう。

最近は何か思い通りにならなくても、（その方が神様が良し、と判断したのだ）

と思うようにしている。

例えば今回行ったら、きっとこんな結果になっていたのだと思う。

アフリカから椎名誠の大ファンが、たまたまこの時期帰国していた。


彼は椎名さんの大ファンなので、当然講演会のことは知っている。

どーれ、久々の日本だから、どこかでウマイ刺身でも食べてゆっくりしたいなー。

有給も余ってるし、ちょうどいい機会だから、椎名さんの講演でも聞きがてら

ちょっと遠いけれど大月とやらに行ってみよう。

と大月行きを決めるのだった。

しかし彼は知らなかったのだ。

自分が実はアフリカにいる時に、エボラ出血熱（のような恐ろしい病気）に感染していたことを。

そして彼は、エボラ出血熱（のような恐ろしい病気）の病原菌を抱えたまま

大月にやってくる。

そうとは知らない私は、講演会で彼の横に座り

知らない間にエボラ出血熱（のような恐ろしい病気）に感染してしまうのだ。

と、まあ、こんな恐ろしい事態からまぬがれることが出来たので

今回はこれでよかったのだ。

さらに言えば２０年後、白内障を患った私は、大月の海辺を散歩している。

と、目が悪いので流木につまずき転んでしまう。

すると、なんと２０年ぶりに大月を訪れた椎名さんが、

私を助け起こしてくれるのだ。

目の悪い私は椎名さんとは気が付かない。

しかし、「２０年前ここで講演会をしたことがあるのですよ。」という氏の言葉で

椎名さんと気付くのだ。

「その時講演会が聞けなくて残念でした。」と私が言うと

「うーん、大分忘れているけれど多分こんなことを話たと思う。」と言いつつ

椎名さんは

私だけのためにお話をしてくださるのだ。

シ・ア・ワ・セ

神様はきっとこんな幸せを取っておくために、今回講演会に行かせてくれなかったのだ。

と、思えば・・・・思えば・・・・、残念じゃ・・・・残念じゃ・・・ないやい。




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