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2010/06/16
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カテゴリ:ガンダム


ー機動戦士ガンダムMimesis(ミメシス)ーガンダムミューー
序章33



部屋を出て戦闘機が格納されたデッキまでの道のりの間に、
何人かの作業員とすれ違ったものの、
何事もなく事が過ぎ、
いよいよモビルスーツに乗り込もうとしたところで、
たまたま偶然、その場にいた作業員からの横槍が入ってしまった

「このモビルスーツの本日のメインテストとメンテナンスは、
 もう終了していますが、何か不具合でも?」

「いや、先ほどの状況を見てね・・・
 システムの一部を変更してテスト飛行をしてみたいのだけど、
 だめかい?」

「それは、さすがの貴方の頼みでも無理ですよ」

「そこを何とかお願いしたいのだけど」
 
「この工場がアナハイムの物であるのならいくらでも、
 お手伝いしますよ 
 けれど、ここは連邦軍の監視下の元ですからね・・・
 それこそ規約に反するような事が
 一度でもあると信用をなくす事につながりかねませんから・・・
 そうなると・・・」

「ああ君の心配もわかるけれど、そこを何とかできないかい?」

「絶対、駄目です」

こうした押し問答は、しばらくの間続き、
やきもきしたプリクソスは拳銃を構えて強硬手段に出た 

「おい、こいつが殺されたくなかったら
 さっさと、そこをどくんだ!」

「これはマネージャーどういうことです?」

「いや・・・どういう事も何も、
 こういう事でね・・・」

突然の展開に驚きあわてた作業員が逃げ出そうとすると、
ヘレーが男の腕をつかんで銃を突きつけ、
モビルスーツの乗り込み口の開錠を強要した

「こんな事をして、ただじゃすまなくなりますよ・・・」

「へっ、俺たちは、もうただ事じゃなくなっているんだ 
 悪いな」

つぶやきながら開錠する作業員にプリクソスは
言葉を返した 
モビルスーツのドアが開かれると、
二人はカドミロスと作業員を振り放し、
それぞれにモビルスーツに乗り込んだ 
開放された作業員はあわてて管制室のほうに走り
カドミロスもまたモビルスーツの様子を眺めながら、
その後について走った

モビルスーツの電源が入ったのだろう、
今まで黒かった顔のカメラアイがオレンジ色に光ると、
少し離れたあたりで作業をしていた人々も
ただ事でないことに気がついてデッキから退避していく

「なにがあった?」

管制室の一人が、カドミロスより先に
非難した作業員に話を聞いている

「私ではなくマネージャーが」

管制室の人間がカドミロスの方をみた

「何があったというのです?」

「産業スパイですよ 
 それが社の重役にばれたそうで、
 捕まる前に、あれに乗って
 私を人質にして逃げようという魂胆だったようです」

「産業スパイ?
 あのモビルスーツには最新の機能が備わっている
 じゃないか」

「どうする?この事態を、このまま見過ごしては、
 軍から厳しい懲罰が下されるぞ?
 再開した研究も、また振り出しに戻るかもしれない」

「ここは早急に軍のほうに連絡して、
 事にしだいを報告しなくては・・・
 状況によってはモビルスーツの破壊もやむ終えないだろう」

管制室の輩が慌てふためいている中で、
2機のモビルスーツは問答無用に銃を放ち
入り口を破壊して脱出していった 
カドミロスは、その姿を見届けると、
あわただしく走り回る管制官らに後を頼み、
一人、倉庫として使われている奥まった部屋に入っていった 

そこにはモニターが並べられ、
数人のスタッフが机に座り、その状況を見守っている 

「どうだい?送られてきているか?」

「ええ脳波、心拍数をはじめとした 
 二人のバイオ情報は問題なく送られてきています」

「ミームコンピューターの反応の方はどうだい?」

「今のところまだありません」

「そうか・・・」

「心拍数が上がりましたね・・・
 戦闘機が近づいてきているようです」

「ああ、さっき管制室で連邦の協力を要請するようなことを
 話していたから、それだろう・・・」

「相当に数が多いようですね
 かなりの緊張状態になっています」

「ミームはまだかい?」

「ええ、全く反応がありまん」


「あっ」

「どうした?」

「一機、生命反応が無くなりました」

「打ち落とされたか
 それで、その最後までにミームの反応は何か?」

「いいえなかったようです」

「そんな馬鹿な
 ちゃんとデーターは送られてきていたのか?」

「はい、送られてきていたはずです」

「まさかそんな」

「マネージャー・・・
 言いたくはありませんが、ここまでの極限状態で
 ミームコンピューターが作動しないとは
 このコンピューターそのものに欠陥がある事に
 疑問を抱かざる終えません」

「まだ、あと一機残っているだろう?」

「後一機も・・・
 操縦者の脳波のレベルも下がって、
 集中力も落ちているようです・・・
 このままでは、もう一人も時間の問題かと・・・」


この時、生き残っていたのはプリクソスだった
ヘレーが討ち果たされたことで、
勝機を失ったプリクソスはただ、
今を生き残ることだけを漠然と考えていた
ただ闇雲に道のない道を歩いているような感覚が覆ったときに、
その道の先を照らすかのように、
何かまた別の感覚が、自分の肉体に支配されているような
錯覚を受けた

「へへっ、こんな状態になるなんて、
 俺もここで終わりか・・・」

そう思った瞬間に、
自分の意思とは関係なく、
目の前の敵のモビルスーツを撃ち負かしている情景が
目に入った
プリクソスは、ただ何も考えず、
ただ、もうひとつの感覚に息を合わせるように
ただひたすらにモビルスーツを操縦していた 

一方、
カドミロスは、一体のモビルスーツが
敵に討ち取られる瞬間まで
ミームコンピューターが作動しなかった事に、
落胆の色を隠せなかった・・・
そんな中で、数人のスタッフから歓声が上がった

「マネージャー!
 ミームコンピューター反応あります」

「どうして?戦闘状況には、そんなに大差はないだろう?」

「操縦者の意識が変わった事によって反応したようです」

「ミームコンピューターが送る
 戦闘時の脳波図形と操縦者との脳波がシンクロしています」

「どういうことになっているというのか?」

「憶測ではありますが・・・
 多分、今操縦者はミームに取り込まれた操縦者の
 戦闘データーと同調し
 その操縦者に成りすましている
 と言っても過言ではないかと・・・」

「今いる操縦者が
 ミームコンピューターの操縦者に擬態できる 
 ということか?」

「ええ、簡単に言えばそういうことであろうと思います」

「しかし、なぜ、二人いるうちの一人だけがそうなったのか・・・
 実用化にまでは、まだまだ遠いようだな・・・」

「このままデーターの採取行いますか?」

「ああ、
 あと、このデーターを安全な回線を使って
 研このまま研究室にリアルタイムで送れないかな?
 これと平行して検証と今後の開発に向けてのディスカッションを
 行いたいんだ」

「ええ、やってみます」

「よろしく頼むよ」

そう言ってカドミロスは、その倉庫からでると、
以前カドミロスに話しかけてきた男性が声をかけた

「ミームコンピューターの調子は順調だったかね?」

「貴方ですか・・・なんだこの部屋の存在を
 ご存知でしたか・・・」

「ああ、とっくに知っていたとも・・・
 連邦軍との規約から反した研究をしていたことはね・・・」

「それで私をどうするおつもりです?」

「私は君を、どうこうする気はないし、
 これを内部告発する気もない 
 私だって、アナハイム社の一員であるし
 その研究が今後の社の命運が掛かっていることは
 わかっているつもりだ 
 しかしね・・・以前にも私は君に忠告したろう?
 忘れてしまったのかと思ってね」

「それを確認しに来たのですか?」

「確認しにきてはいけなかったかね?」

「そんなに見くびられていたとは思いもよらなかったですよ」

「見くびってなどいないさ・・・ただ人は、
 こうした事に盲進しやすい生き物だろう?
 現に君はどうなんだい?」

「盲進ですか・・・
 そう見えるのですか・・・」

「ああ、とてつもなく、それ(研究開発)以外を
 みていないと感じることがあってね
 何を、そうさせるものなのか・・・とね」

「貴方は運命を信じますか・・・」

「運命?」

「ええ、
 私は、貴方の忠告、耳に痛かった・・・
 正直、悩みましたよ」

「へぇ・・・君も悩むことがあるとはな・・・」

「私だって人間ですよ・・・
 けれど・・・
 そんな時に、先ほどの騒動が起こりましてね」

「それで?」

「彼らが私の部屋に来た時に・・・
 ふと、使える・・・と
 そう思ったんです
 なんで、そう思ったのか私にもわかりません・・・
 ただ、
 この二人を使って未知数なミームコンピューターの
 何かがわかるのではないか?
 と・・・」

カドミロスの話を聞いている男はただ黙っていた

「私は神とか信じませんけどね・・・
 コンピューター開発を生業にしている私が・・・
 科学では数値として出せない何かに答えを求めてしまったんですよ」

そう言って、カドミロスは男のほうをみた

「貴方の忠告を忘れたわけでは決してないのですがね・・・
 あの二人が部屋に入ってきた瞬間・・・
 運命と思ってしまったんです
 ミームコンピューターの更なる発展のための
 運命とね・・・」

男は、静かにうつむきながら答えた

「そういう事は研究、開発している人間の
 誰もが時として感じることだ・・・
 しかしね・・・
 それが、人類に対するまやかしである事も
 多々あることなのだ 
 気をつけたまえよ
 以前にも言ったが、
 それが脅威となって身を滅ぼしかねないということを・・・」

「ええ、でも、そうなってしまっても、
 私は、それを恨んだりはしませんよ」

「恨まれる事もないといいがね・・・」

それを言うと男はカドミロスの前から去っていった




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最終更新日  2010/06/17 02:22:39 AM
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