阪東橋の交差点を過ぎて顔を上げると「笑好」の明かりが灯っていた。私がまだ関内に勤めていた頃に鎌倉街道を歩いていて見つけたお店だ。壁が少し剥がれて落ちているような古い建物が実に私好みだった。入口が街道に面しておらず路地側にあるのも奥ゆかしい感じだ。お店は2階。階段は幅が狭く急で、途中からカウンターに座るお客さんの足が見えてくる。今ではすっかり慣れたものだが、初めてお店に入る時には緊張したものだ。えいやと扉を開けたら女将さんの笑顔。聞けば開店から11年だという。時の経つのは早い。カウンターに座り、まずは生ビール。最初に出てきたのはほうれん草の胡桃味噌和え。胡桃味噌は頂いた胡桃を炒って擦り、味噌、醤油、砂糖を加えた自家製。酒の進む味だ。続いて御坊の豚肉巻きとインゲンと蒟蒻の煮物。やわらかな甘さは与論の砂糖によるものだという。威勢よく酒屋さんが来ると、食べて行きなと蕎麦を振る舞う女将さん。大事にするのはお客さんだけではない。日本酒に切り替えて蛸の刺身とタラコを頂く。さらにいい鮪が入ったからと鉄火巻きとカッパ巻きを出して下さった。私の大好物だ。そして酒屋さんも食べた蕎麦で〆。今夜も満腹満足。
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最終更新日
2009年10月23日 17時30分40秒
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