♪ クイ足らず悔い改める親会社 利を食ひながら威信を喰わる
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下請けは、建物で言えば土台や基礎に当たる。何階建てかによってそこに掛かる荷重の大きさは違ってくる。相当な重圧を受け続けている事は確か。
どの業界でも末端の下支えにあっては、相手が大手ほど締め付けが酷いと聞く。
トヨタの下請けに対するそれは有名な話だ。毎年、部品の納入価格を引き下げさせられて死に物狂いでやって来た。嫌と言えば切られるので、何としてもその要求に答えねばならない。
空前の利益を上げてもその恩恵は末端には届かない。相変わらずの無理を押しつけられて、多くの下請けが怨嗟の声をあげている。
ここ数年は価格のダンピングをしないで済んでいると、誇らしげに語る大国の主。
大企業が政府と結託して弱い庶民から搾取する。国を維持していくための単純明快な論理の中で絶対になくならない宿命的構図。それが大企業と下請けの関係にも繋がっていく。
国を支えているのは、土台となっている中小企業であり国民一人ひとりだ。
最近の若者は、そういう絶対的で不可避の構造を知るに至って、高望みをしない傾向にあるという。そこそこの収入で満足し、会社を興して苦労するより好きな趣味に自分の時間を使いたいと思っているらしい。
あの右肩上がりの高度成長などもう絶対に来ないことを認識し、如何に無難につつがなく生きて行くかを考える。当然と言えば当然かも知れない。
マイナスの要素ばかりが世に溢れ、どう考えてもオプチミスティックな未来図は描けないと思える。グローバルに世間が広がれば広がるほど複雑にややこしくもなって、不如意な世界に引っ張り込まれていく。
いっそ鎖国にでもなって、究極のガラパゴスを目指すか。そう思っている日本人は意外に多いかも知れない。自治会にも入らず独り家に閉じこもって、モモクロのフィギュアーを手作りしている様な、極小のレア世界。
首相が世界を歴訪している間も、下請けが血の汗をかき貧困に喘ぐ家庭では血の涙を流している。
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◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。。◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
☆短歌集「ミソヒトモジ症候群」円居短歌会第四歌集2012年12月発行
●「手軽で簡単絞り染め」
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