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カテゴリ:映画
今日もよく晴れて、三多摩の府中のアメダスによれば、日最低気温は25.4℃(04:50)、日最高気温は33.2℃(13:20)。4日連続の真夏日にして8月22日(水)以来の熱帯夜であった。ううっ、暑い~。
それにしても、最近のマスメディアの報道で個人的に違和感を覚えてしまうのは、自民党総裁選挙である。 そもそもあの御仁を首相の座に祭り上げて自爆テロにも匹敵するご乱心を招いたのは、ほかならぬ自民党であったはず。そうしたキングメーカーとしての根幹の責任を問わずに、次期総裁の座をめぐる枝葉の動向で大騒ぎするマスメディアは、何か視点がずれているような気がする。まあ、一般大衆の耳目を集めたい(つまり、商業的に儲けたい)マスメディアにとっては、美味しいコンテンツなのであろうが・・・国民の大多数はこの総裁選挙に投票できない。つまり、まさに劇場でしかないのである。 こういう政治構造にメスを入れない限り、同じような過ちを繰り返すだけではあるまいか。 「自立と共生」という旗印は個人的には大歓迎であるものの、有権者一人一人が自立的な判断を下しながら他者と共生していくような社会を構築したいものである。政党のみならず、マスメディアの責任も決して軽くはなかろう。冷静かつ公正な報道を願わずにはいられない。 さて、今日は、映画を4本見てきた。 そこで、今日の記事では前半2本についての感想などを述べ、後半2本については明日の記事に回すことにしたい。 1本目は『包帯クラブ』。 高校3年生の少女ワラ(騎馬笑美子)は、小学6年生のときに両親が離婚して以来、母と弟の3人で暮らしている。ある日、調理中に誤って包丁で手首に切り傷を作ってしまったワラは、病院で「リストカット」と誤解され、世の中に絶望感を覚えてしまう。その直後、ワラは病院の屋上のフェンスの上に立って街を眺めていると、入院中の少年ディノ(井出埜辰耶)に下手な関西弁で話しかけられる。またもや「自殺」と勘違いされたワラ。しかし、言い争っているうちに誤解していたことに気づいたディノは、ほどけてしまったワラの包帯をフェンスに巻きつけ、ワラの心が傷ついたその場所の「傷の手当て」をするのであった。後日、ワラは公園のブランコで親友タンシオ(丹沢志緒美)から失恋話を聞かされてうんざりしていると、その心を見透かされ、彼女に大泣きされてしまう。ワラは仕方なくブランコに包帯を巻きつけ、傷の手当てをしたところ、感激したタンシオはメル友に伝え、興味を持った浪人生ギモ(柳元紳一)が「包帯クラブ」のウェブサイトを立ち上げる。やがて発案者のディノもメンバーに加わる。彼らは、傷ついた出来事を投稿してもらい、その人が傷ついた場所に包帯を巻き、その風景をデジカメで撮影して投稿者に送るというクラブ活動を始めるが・・・。 『家族狩り』で山本周五郎賞、『永遠の仔』で日本推理作家協会賞を受賞した天童荒太氏が書き下ろした原作を、堤幸彦監督が映画化したもの。 『誰も知らない』で2004年カンヌ国際映画祭の最優秀主演男優賞を受賞し、その後も『星になった少年』では象の背中に乗るなど、いたいけな少年としてのイメージが強かった柳楽優弥氏が・・・本作では妙にワイルドでエキセントリックなディノ役を演じ、それまでのイメージを完全にぶっ壊している。その意味で私はショックを受けてしまったが、俳優としての成長ぶりには目を見張るものがあろう。また、ワラ役の石原さとみ氏も、その制服姿が「秒殺」かどうかは不明ではあるが、なかなかの好演であった。ただ、タンシオ役の貫地谷しほり氏は、演出過剰(?)で演技が上手なのか下手なのかよく分からなかった。 ストーリー展開としては、中盤以降はワラの親友グループやディノの「暗い過去」と直面することになり、かなりスリリングで重苦しくもある。が、この監督ならではのユーモアセンスで巧みに中和されていて、見事な青春群像劇に仕上がっていると言えよう。 2本目は『ミス・ポター』。 1902年、ロンドン。上流階級の家庭に育ったビアトリクス・ポターは32歳で独身。さまざまな良家の子息との縁談話を断り続け、子供の頃からの夢であった絵本の出版に向けて奔走していた。しかし、企画を持ち込んだ数社に出版を断られた彼女は、ウォーン家が一族経営する出版社でようやく契約にこぎつける。というのも、末弟のノーマン・ウォーンを新人編集者としてデビューさせるのにちょうどいい(つまり、大して売れない)と思われたためであった。ノーマンはビアトリクスの絵に魅了され、二人で意気投合して制作した絵本は予想に反してたちまち英国中の書店で売られるようになる。次々と新作を発表していく二人はいつしか愛し合うようになり、ノーマンはビアトリクスに求婚するが、ビアトリクスの両親は身分違いの結婚を許そうとしなかった・・・。 青い上着をはおった愛らしいうさぎ「ピーターラビット」を生み出した女性、ビアトリクス・ポター(1866~1943)の半生を描く実話ドラマ。1902年と言えば夏目漱石(1867~1916)がロンドンに留学していた頃であろうが、上流階級の女性が結婚もせずに仕事を持つことなどあり得ない時代に、孤高を貫き、晩年には湖水地方の豊かな自然を保護するためナショナル・トラストの設立に尽力したという、現代の女性にとっては実に心強い人物像を見ることができる。 主演のレニー・ゼルウィガー氏がいきいきと演じていたのが印象的。実は彼女は、本作では製作総指揮も担当している。ビアトリクスの生き方そのものを踏襲するかのような熱の入りようである。また、そのお相手のノーマンを演じた あと、特筆すべきはビジュアルの美しさ。「ピーターラビット」などのキャラクターをアニメで動かすことによってその愛らしさを存分に見せてくれると同時に、やはり湖水地方でのロケが効果的である。大自然の風景が何とも素晴らしく、そうした風景がビアトリクスにインスピレーションを与えたであろうことは想像に難くない。 英国系、女性活躍系、動物キャラクター系あるいはスローライフ系に関心を持つ人であれば、満足できる作品となるに違いない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.11.21 20:54:07
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