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カテゴリ:雑筆
この期に及んで、うかつにも、手の甲を蚊に刺されてしまった。
夏に刺されるよりも、秋に刺されるほうが、痒いような気がするのは私の錯覚であろうか。 しかし・・・今日、キャンパスを歩いていたら、まだツクツクボウシの鳴き声が聞こえた。 うーむ。キャンパス内の緑地がいかに豊かであるかを、実感せずにはいられない。さすがは「タヌキが出没する」と言われるだけのことはあろう。 ちなみに、今日の天気はおおむね晴れ。三多摩の府中のアメダスによれば、今日の日最低気温は15.0℃(02:10)、日最高気温は24.6℃(14:40)であった。 さて、今日の記事では、唐突ではあるが、まずは次の表をご覧いただこう。 おそらく明日以降の記事の伏線となるであろうが、いまさら言うまでもなく、江戸幕府将軍徳川家の系譜である。なお、この時代は夭逝する子が少なくなかったこともあって、何番目の男子であるかは必ずしも正確ではない。 で、見ての通り、「家」で始まる名前が多い。まあ、そういう家柄なのであろうが、中には「家」がつかない名前もある。2代・秀忠、5代・綱吉、8代・吉宗、そして15代・慶喜がそうであり、2代・秀忠を除けば直系の後継者でないことに気づくであろう。 これは要するに、彼らが元服したりして名を改める際に、時の将軍から名の(下の)一字を名乗ることを許されたのである。 4代・家綱→5代・綱吉 5代・綱吉→8代・吉宗 12代・家慶→15代・慶喜将軍からもらった(下の)一字は、(恭しく)上に来る。こうして、名が主従関係を示すわけである。 ところが。 私も自分の父親の名から一字をもらったのであるが、なぜか順序が逆なのである。個人情報保護のため、記号に置き換えることをお許しいただくけれども、 父・☆◇ → 私・△☆これでは、まるで私のほうがエライ感じがしてしまうではないか(父上~!)。 まあ、振り返ってみれば、そういう育てられ方であったかもしれない。まさに「親父にもぶたれたことないのに!」といった様子で、叱られたことはあまりなく、進路を決めるときなどにもとやかく言われることはほとんどなかった。私は信頼されていたのであろうか? いずれにせよ、「貴人(もしくは、奇人)対応」とも言えそうな、不思議な親子関係である。 以上の話題を長々と取り上げてきたのは、次の新聞記事に言及するためであった。 前者の記事は、将来の自分の子供につけたい名前に関して、小学5年、中学2年、高校2年の男女各300人を対象に実施したアンケート調査の結果である。まあ、これは、どうぞお好きなように。 問題は後者の記事。[VOYAGE-277]でも論じたが、今回は別の角度から述べてみたい。 「市販の名づけ辞典」を参考にしながら、「縁起のいい画数」とか「響きのいい音」とかで、子供の名前を決めるのは・・・個人的には違和感を覚えてしまう。 読みは人気のあるものに、漢字はあまり使われない字を使おう、みたいな発想は、単なるファッションと変わらない。名前は「一生モノ」であるから、その子供に将来どんな人生を歩んでもらいたいか、といった親のメッセージを込めてほしい・・・と、私なら思う。 蛇足ながら、ちょっと飛躍している印象もあるが、考えさせられたことを付け加えておく。 子供は親の私物ではない。第一義的にはその子供本人のものであり、同時に社会全体にとってもかけがえのない人材である。にもかかわらず、現代では、子育ては核家族(すなわち、親)の責任ばかりが強調されやすい。一見すると自由気ままに見える名づけ方も、ある意味では「親としての責任はきっちり果たすから、外からの口出しは無用!」という態度表明なのかもしれない。 ただ、未熟な親が少なくないのも事実である。むしろ、大家族や地域社会などが、もっと子育て(支援)の役割を担っていくべきではなかろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.11.21 21:15:56
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