紫水園日記3
道路に寝ている不可触賤民は、カースト制度のきびしいインドでは
一生かかってもホテルのビーヘなど足を踏み人れることはできない。
そういう環境に生まれた女の子が、ホテルのロビーで、持ち切れない
ほどいろいろなものをもらったというその記憶は、一生その女の子の
心の中に残って行くであろう。
カースト制度がなくならない限り、あの女の子はもう二度とホテルの
庭へも足を踏み入れることはないのである。
インドの人は貧しいから、やればなんでももらうと思ったら大間違いである。
やろうとしても毅然としてもらわない子供たちもいるのである。
子供たちがもらおうとしてむらがってくると、それをもらっちゃいけないと
追い散らす大人もいることも知ってほしいと思う。