バラハナダイの進行性の潰瘍性病変の経過
数匹いるバラハナダイ(Odontanthias katayamai)。そのうちの1匹において右眼上部に潰瘍性病変が生じた。昨年10月初旬に右眼上部に小さな黒色斑が生じ、それが次第に拡大し中央にびらんを形成。その後さらに進行して潰瘍化したのである。最初の写真は11月中旬の状態(このときすでに治療中)。黒色斑を形成した時点で嫌な予感がしていた。それは他魚において同じようなケースがあったから。なんとか治癒したケース(1例)もあったが、ダメだったケース(1例)もあった。今回は治癒したケースを思い出し、細菌感染だけでなく真菌感染も考慮しながら治療を行った。結果。右眼上部の組織の再生はなく、欠損したままではあるが、欠損部の腫脹・発赤はなく、ほぼ治癒したと考えられた(12月)。その後現在に至るまで局所再発はなく、明らかな後遺症も見られない。