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照千一隅(保守の精神)

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「照千一隅(しょうせんいちぐう)」(一隅を守り、千里を照らす)は伝教大師・最澄の言葉。本を読み、考えたことをこのブログに書いて参ります。ご意見、ご感想など御座いましたら是非お寄せください。

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2022.03.28
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テーマ:憲法改正(89)
カテゴリ:憲法

第20条 3 国及び公共団体は、社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を超える宗教教育その他の宗教的活動であって、宗教的意義を有し、特定の宗教に対する援助、助長若しくは促進又は圧迫若しくは干渉となるようなものを行ってはならない。

《第3項については、同じ伝(でん)で、「宗教教育その他いかなる宗教的活動」という表現を広く解釈し、いわゆる「公人としての」靖国神社参拝のようなものが政府の宗教活動に当たるとして批難するものがいる》(西部邁『わが憲法改正案』(ビジネス社)、p. 177

 国を守るために散華(さんげ)した戦没者を弔(とむら)うために靖国参拝が是か非かなどということが議論されていること自体が非常識である。そしてこの非常識な議論が憲法によって正当化されてしまっているのである。憲法の中に「政治と宗教の分離」に関する規定がなければどうなるか。議論としては、「侵略戦争を戦った先人に哀悼の意を表する必要はない」のような話となって、かの戦争をどう解釈するのかという「歴史解釈」の問題となる。政治家の靖国参拝は違憲か否かといった不毛な議論となるのも、憲法に「政教分離」規定があるからであって、これを削除すれば、大東亜・太平洋戦争を我々はどのように総括し意味付けるのかという議論に移行することになるのではないか。

《占領軍の書いた憲法英文でいうと、「活動」はアクションであり、アクションとは積極的行為――実はそれを日本語では活動という――のことだ。そしてそういう積極的な宗教活動の代表例として宗教教育のことが挙げられているわけである。しかし占領憲法を「押し頂い」ておきながら、これは日本の憲法なのだから――日本語の暖昧さを存分に利用して――「活動」という言葉を広く解釈する向きもあるという次第である。そうならば、政府に禁止されているのは「宗教教育のごとき積極的な宗教活動」のみであるとていねいに規定しておいたほうがよい》(同)

 私は、むしろ宗教教育は必要だという立場である。但し、それは宗教一般における教育であって、特定の宗教団体を贔屓(ひいき)するような話ではない。伝統的宗教観を涵養(かんよう)することが真っ当な日本人を育成するためには必須だということである。

《日本市民の多数派に良識というものがあるならば、この第20条などそもそも必要ではないのであろう。私のいう良識とは、政治をはじめとする公的活動には多かれ少なかれ儀式が必要であり、いかなる儀式も宗教色を伴わずにはおれず、そしてどの宗教色を用いるかとなると、公的活動の基礎が伝統の知恵であるからには、歴史のなかで最も長く持続している宗教のものとならざるをえないと知ることである》(同)

 第20条は「信教の自由」の規定があれば十分で、それ以外は日本において杞憂(きゆう)の条項であるし、「政治と宗教の分離」規定など有害無益と言うべきであろう。

《こんな単純な良識すら半世紀にわたって打ち立てられないのが戦後日本である。このことを逆にいうと、憲法で政治と宗教のかかわりを明示しておかないと、特定宗教を強引に国教としたり、その国教にもとづいて学校も地域社会も政府も積極的宗教活動で満ち溢れるということになるのかもしれない。念のため政教分離の、いや政教区別の条項を設けておいたほうが無難であろう》(同、pp. 177-178

 この最後の西部氏の意見には私は賛成しかねる。「政治と宗教の分離」規定ある限り、伝統的、慣習的行為に難癖を付けようとする輩(やから)が今後も出て来るに違いない。伝統や慣習に付帯する宗教性を否定することは日本文化を否定することにも繋がる。やはり、「政治と宗教の分離」規定は削除すべきである。






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Last updated  2022.03.28 21:00:07
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