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2018.08.04
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テーマ:戦争反対(1187)
カテゴリ:戦争と平和
何となく、YouTubeを見ていたら、「もしもミッドウェイ海戦で日本海軍が勝利していたら?」という動画を発見してしまいました。2008年に民放のどこかの局で放送されたもののようです。
この種の戦争にまつわる歴史のifの定番です。他には、真珠湾攻撃の際にもし米軍の空母が在泊していたら、レイテ海戦で栗田艦隊が反転していなければ、なんてものもあります。

ミッドウェイ海戦については、攻撃隊があと5分早く出撃していたら、というifもあります。米軍の急降下爆撃機の攻撃を受けたとき、日本艦隊は攻撃隊の発艦準備が整ったところで、攻撃隊の1番機が発艦した直後に被弾してしまった。あと5分米軍の空襲が遅ければ、日本側の攻撃隊は全機出撃して、海戦の結末は変わっていた、というものです。敗北の当事者である草鹿参謀長と淵田飛行長が戦後に著書で広めたもので、冷静に考えると、怪しさ満点の主張ですが、私が子どもの頃の戦記本では、定説のように扱われていました。
これに初めて公然と疑義を呈したのは、ミッドウェイ海戦の全戦没者を調査した「滄海よ眠れ―ミッドウェー海戦の生と死」の著者である澤地久枝です。ひとつには、生存者からの聞き取り調査、もうひとつは、当時の戦闘詳報などを基に防衛研修所戦史室が編集した「戦史叢書」の記録などから、この定説を覆したのです。
今日では、「運命の5分間」説は完全に虚構であることが明白です。攻撃隊の1番機が発艦した直後、というのは、実際には米軍機を迎撃するために発艦した戦闘機(零式艦戦)をさしたもので、攻撃隊自体は、まだほとんど発艦準備が整っていませんでした。このとき唯一生き残って反撃した空母「飛龍」が攻撃隊を発艦させたのが、3隻の被弾から30分以上後であることからも、このことは明らかです。

そもそも、それ以前に、よく知られているように、連勝によって日本側が増長著しかったこと、日本側の暗号を解読されていたこと、米軍はすでにレーダーを実用化していたのに対して日本側はまだ試作段階であり、対空警戒の目に大差があったこと、など、5分間がどうこう以前の弱点を日本側は沢山抱えていました。
なので、史実のミッドウェイ海戦の経過の中で日本海軍が勝つのは絶望的に困難です。艦隊の編成からすべてやり直せば-具体的には、アリューシャン列島への陽動作戦や上陸部隊の護衛用に派遣した3隻の空母をすべて機動部隊に加え、何故か空母部隊のはるか後方を付いていった戦艦中心の「主力」部隊を機動部隊の前面に配置すれば-勝てたかもしれない、という程度です。
勝てたとしても、敵は空母3隻全部撃沈、味方は損害なしということは、絶対にありません。太平洋戦争中日米の空母同士の海戦で、日本が米軍の正規大型空母を撃沈したいずれの海戦(珊瑚海海戦と南太平洋海戦)でも、日本側は、それと引き換えに艦載機を大量に撃墜され、また日本側の空母も大きな損害を受けているからです。

ミッドウェイ海戦では、実は日本の搭乗員の戦死はさほど多くありませんでした。「飛龍」以外の空母は、搭載機が発艦する前に沈没したので、機体は失われましたが、搭乗員の大半は海を泳いで救助されたからです。搭乗員の戦死者は120人程度で、勝った米軍の搭乗員の戦死者より少ないのです。その120人の過半数は、唯一米空母を攻撃し、最後に撃沈された空母「飛龍」で生じています。空母「ヨークタウン」大破(後に沈没)と引き換えに、60人以上の搭乗員が戦死しています。
つまり、もし日本がミッドウェイ海戦に勝っていたら、言い換えるなら、他の空母も米空母への攻撃に参加していたら、搭載機の撃墜と搭乗員の戦死はもっと多かったはずなのです。「飛龍」の数字から類推すれば、史実の2倍以上が戦死したでしょう。
そこまで被害を出しても、米空母の防御力(ダメージコントロール力)は日本空母に比べて格段に高く、撃沈は容易ではありませんでした。したがって、勝つとしてもせいぜいあと1隻撃沈して、残りの1隻が一時的に戦闘不能、くらいが関の山です。日本側の艦船の損失ゼロはありえませんが、仮に奇跡的に艦船の沈没がゼロだとしても、飛行甲板に被弾する空母は確実に出ます。日米の空母が激突した海戦で、日本空母が被弾しなかった例はありません。
米空母は、飛行甲板に被弾しても応急処置用の鉄板を敷いて飛行機の発着艦を可能にしましたが、日本海軍にその発想はなく、飛行甲板に穴をあけられたら、帰港して修理するまで戦力喪失です。だから、海戦に勝っても、その直後の時点では運がよければ、2隻程度の空母がかろうじて運用可能で、その搭載機の半分が使える、程度でしょう。しかも、航空燃料や搭載爆弾が残っていたかどうかは分かりません。

つまり、海戦にかろうじて勝ったとしても、そのあとミッドウェイ島に上陸する陸戦部隊を航空援護することは、もはやできなかっただろう、ということです。
どうも、「もしミッドウェイ海戦に勝ったら」というifには、「海戦に勝てば上陸作戦も成功する」という思い込みがあるように思いますが、現実はそうではありません。
ミッドウェイに上陸する予定だったのは、後にガダルカナルに転用されて壊滅した歩兵第28連隊の1個大隊(歩兵4個中隊・機関銃1個中隊、歩兵砲1個小隊)及び連隊砲、速射砲各1個中隊(おそらく速射砲4門、歩兵砲6門、重機関銃8丁と思われる)・通信隊・衛生隊1/3個からなる、一木支隊の約2000名余です。

※連隊砲中隊、通信隊、衛生隊が抜けていたため訂正しました。したがって、歩兵砲2門と書きましたが、大隊の歩兵砲小隊に連隊砲中隊をあわせれば6門あったはずです。また、この時期の歩兵1個大隊は3個中隊編成が標準ですが、このときの一木支隊は4個中隊編成だったので、通常の歩兵大隊よりは兵力が3割増ということになります。

これに、海軍陸戦隊も2000名余が加わりますが、これに対する米軍のミッドウェイ防御部隊は、兵力こそ3000名ほどですが、全島に数十門の火砲と戦車を配備、火力では日本側を圧倒していました。さらに飛行場には120機の飛行機もありました。その過半は日本空母との戦いで喪失しましたが、少なくとも20機や30機は生き残っていたはずだし、当然、ハワイから増援の航空部隊も送られてくるだろうことも考えると、一木支隊は、全滅の場所がガダルカナルではなくミッドウェイ、時期は2ヶ月ほど早まるだけで、その命運は史実と変わらなかったでしょう。

実際には、もしミッドウェイ海戦に日本が勝ったとしても、珊瑚海海戦と同じことになったでしょう。つまり、大損害と引き換えにかろうじて海戦には勝ったが、上陸作戦は中止、撤退、ということです。そこで、なおもミッドウェイ島の占領にこだわり続けたとすると、やはりガダルカナルの泥沼の消耗戦がミッドウェイで起きることになったでしょう。
仮に奇跡的にミッドウェイ島占領に成功しても、日本本土からこんなに遠い島に充分な兵力を置くには、補給もままならず、日本軍が占領した太平洋上の多くの島と同様、1年後には奪回されて、守備隊は全滅したでしょう。さらにハワイを占領なんて夢のまた夢、米本土上陸なんて、夢でもありえない、というところです。

ミッドウェイ海戦では、日本海軍は4隻の空母という「箱」と搭載機約260機のすべてを失いましたが、前述のとおり、搭乗員の戦死は120名ほどに過ぎませんでした。続くガダルカナルの戦いでは、飛行機の損失(陸上機も艦載機も合わせて)800機以上、搭乗員の戦死は2000人以上なので、損害の大きさは比較になりません。加えて、輸送艦船や艦隊の手足となる駆逐艦も大量に喪失し、太平洋戦争における本当の転機となりました。

さて、もし日本がミッドウェイ海戦に勝っていたとしても、最初の推定のようにミッドウェイ島の占領はできずに撤退した場合(珊瑚海海戦と同じ)、史実同様にガダルカナルの戦いが起き、史実とさほど変わらぬ経過をたどっただろうと思います。
史実では、ミッドウェイで4隻の空母を失った日本海軍は、それ以上の空母の損失を恐れて、ガダルカナルでは2度の空母決戦(第2次ソロモン沖海戦と南太平洋海戦)以外は空母温存の消極策に終始します。しかしミッドウェイで空母を失っていなければ、もう少し空母を上陸部隊援護に積極活用したかもしれません。
そうすれば、酷使されて損耗した駆逐艦の損害が多少減ったかもしれませんし、奇跡的にガダルカナル島の占領にいったんは成功したかもしれません。そうだとしても、程なく奪回されたでしょうし、航空戦力の消耗は史実と変わらず、空母の防御上の欠点はミッドウェイでは露呈しなかった代わりにガダルカナルの戦いのどこかで露呈して、4隻同時ではなくても、結局は次々と撃沈されていったでしょう。そこで生き残ったとしても、マリアナ海戦かフィリピン沖海戦で沈むか、搭載機も燃料も尽きて呉軍港で動けないまま空襲に晒されるか、要するに史実と大同小異ということです。

もし、日本軍がミッドウェイ占領を簡単に諦めなかったとしたら(占領に成功した可能性は低いけれど、仮に成功したとしても)、前述のとおり、史実のガダルカナルで起きた泥沼の消耗戦、航空戦力と駆逐艦、郵送船舶の大量喪失がミッドウェイをめぐる戦いで発生していただけのことで、その後の戦局の経過には史実と差はあっても、戦力枯渇の経過は史実と大差なく、最終的には史実と大同小異の結末を迎えたでしょう。

結局、ミッドウェイで日本が勝っていたとしても、太平洋戦争の結末は史実と差ほど変わりがなかっただろう、というのが結論です。
ミッドウェイで勝っていれば米国と講和、なんてのは、相手の都合を考慮しない夢物語の最たるものです。生産力の差から、戦争が長引けば長引くほど米国が有利なのは歴然としているのに、わざわざ自国にとってもっとも不利なタイミングで講和しようと考える国がどこにあるのか、立場が逆で日本米国の立場だったら講和したのか、と考えれば、それがどれほど非現実的な話かは明らかです。

上記の番組中で、田岡俊次氏はミッドウェイ海戦にもし日本が勝っていたら、ミッドウェイを占領し、ハワイを占領し、ひょっとしたら米本土にも侵攻を試みて、その結果、日本は負けるが戦争は史実より1~2年長引き、その結果日本の損害も史実よりさらに膨らんだだろう、という見立てでした。
実際には、ミッドウェイの占領は困難、ハワイの占領なんて絶対不可能、米本土進攻なんて話にもならないので、史実より1年も戦争が長引くことはなかったと私は思います。ただ、1ヶ月や2ヶ月だったら、史実より戦争が長引くことはありえます。そもそも史実においてさえ、降伏に反対するクーデターが成功していたら、敗戦がもっと先になった可能性はあるのですから。
もし、史実より1ヶ月でも戦争が長引いていたら、多分3発目の原爆が投下されていただろうし、毎日のように餓死者が出ていたので、それこそ1日につき1万人ずつ死者が増えていたとしても不思議ではありません。その意味で、「ミッドウェイ海戦で負けてよかった」というのが偽らざる感想です。





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最終更新日  2019.02.27 07:06:46
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Re:ミッドウェイ海戦にもし勝っていたら(08/04)   Bill McCreary さん
>実際には、ミッドウェイの占領は困難、ハワイの占領なんて絶対不可能、米本土進攻なんて話にもならない

私もそう思います。田岡みたいな専門家が、なんでこんな変なことを書くんですかね?

以前の記事にもありましたように、パイロットというソフトの部分でも、日本軍のパイロットの練度は開戦時が最高でその後は下がる一方でしたが、米軍はどんどん上がったわけで、ハードについては言うに及ばず、まさにミッドウェイで勝利したとしてもあだ花でしかなかったでしょうね。

ところで最近このような本を読みました。

//www.amazon.co.jp/dp/4642038760

一橋大学大学院で、吉田裕教授の指導を受けた方が博士論文を本にしたものだそうで、あらためて日米開戦というのも無茶苦茶だなというわかりきったことを再確認できました。inti-solさんにもおすすめです。
(2018.08.05 22:29:51)

Re[1]:ミッドウェイ海戦にもし勝っていたら(08/04)   inti-sol さん
Bill McCrearyさん

>田岡みたいな専門家が、なんでこんな変なことを書くんですかね?

そうですね。ただ、むしろ田岡の主張の骨子は、ミッドウェイに勝っていれば戦争はもっと長引いただけ(その分、史実より日本の損害ははるかに多くなる)、ということのほうで、その結論を強調するために、やや荒唐無稽な見通しを言っているのかもしれません。

>一橋大学大学院で、吉田裕教授の指導を受けた方が博士論文を本にしたものだそう

なるほど!それは興味があります。
そういえば、以前紹介していただいたユージン・スレッジの「ペリリュー沖縄戦記」はだいぶ前に読みました。米軍も、最前線の兵士にとっては過酷な戦いだったんだなと痛感しました。特にペリリューでは日本軍はものすごく健闘したので、米軍の被害も莫大でしたから。 (2018.08.05 22:49:35)

Re:ミッドウェイ海戦にもし勝っていたら(08/04)   負けに不思議の負けなし さん
野村克也のよく言う言葉で「勝ちに不思議の勝ちはあるが負けに不思議の負けなし」でしょうね。ミッドウェー海戦に負けるのには理由があるわけで、「たられば」なんて本当にみっともないだけです。まあ、ご指摘の通り「ミッドウェーに勝てても大局は変わらない」わけですが。 (2018.08.11 16:39:17)

Re[1]:ミッドウェイ海戦にもし勝っていたら(08/04)   inti-sol さん
負けに不思議の負けなしさん

>野村克也のよく言う言葉で「勝ちに不思議の勝ちはあるが負けに不思議の負けなし」でしょうね。

その本、読んだことがあります。(今手元にはありませんが)
タラレバを検討すること自体は、無駄なことではないと思います。ただ、ミッドウェイの場合は、複数の「タラレバ」をクリアしなければ勝てない=敗因がいくつもある、ということになります。
一つの敗因を潰しても、それだけでは勝てません。それに、ミッドウェイだけ勝っても、戦争全体の傾向はさほど変わらない、ということもあります。
(2018.08.11 20:51:08)

Re[2]:ミッドウェイ海戦にもし勝っていたら(08/04)   bogus-simotukare さん
inti-solさんへ
 本当は「bogus-simotukare」と入力したつもりだったのですが、寝ぼけていたようで、「負けに不思議の負けなしさん」なんて入力して申し訳ありません。bogus-simotukareと申します。
 ご指摘の通り「たられば」を考えることには意味がある場合もありますが、多くの場合「都合のいい想定で自分の心を慰める」なんてろくでもないことになることが多いわけです。
 野村の言葉も「まぐれの勝ち(負けてもおかしくない戦い)はあってもまぐれの負け(勝ってもおかしくない戦い)はないんだ」「そう思った方が後につながる」つうことでしょう。さすがに優勝監督を経験した野村と言うべきでしょうか。
 野村の専門である野球でたとえば「あのときの投手交代が誤算だった。交代後のピッチャーがあんなに打たれるから悪い。監督の俺は悪くない。あいつが打たれなければ勝てた試合だった」とかなっても見苦しいだけだと言うことでしょう。 (2018.08.12 05:20:27)

Re[3]:ミッドウェイ海戦にもし勝っていたら(08/04)   inti-sol さん
bogus-simotukareさん

>多くの場合「都合のいい想定で自分の心を慰める」なんてろくでもないことになることが多いわけです。

おっしゃるとおりですね。あと5分早ければ、なんてのは、その最たるものです。

>「あのときの投手交代が誤算だった。交代後のピッチャーがあんなに打たれるから悪い。監督の俺は悪くない。あいつが打たれなければ勝てた試合だった」

まさしく。野球の場合は、そんなことを言っている監督は遠からず解任されてしまうでしょうが、太平洋戦争ではそうならなかった、ということもまた敗因の一つということになるでしょう。

もっとも、野球の場合はピッチャーの1球のミスで逆転されることが多々ありますが、ミッドウェイの場合は一つのミスではない、いくつものミスや欠陥の積み重ねであり、そのうちの一つや二つを改善してもどうにもならない状態です。 (2018.08.12 10:26:20)

Re:ミッドウェイ海戦にもし勝っていたら(08/04)   通りがかり さん
昔のブログにグチグチ書くのはよくないし、細かい事だが飛龍の搭乗員の損害から、もし四隻健在で米空母を攻撃していた場合の損害を推し量るのは頂けない。護衛戦闘機の量が違うし敵戦闘機に落とされる攻撃隊の数は、かなり空母一隻で攻撃した場合より少ないと考えられるので。 (2020.06.14 20:24:09)

Re[1]:ミッドウェイ海戦にもし勝っていたら(08/04)   inti-sol さん
通りがかりさん

>飛龍の搭乗員の損害から、もし四隻健在で米空母を攻撃していた場合の損害を推し量るのは頂けない。護衛戦闘機の量が違うし敵戦闘機に落とされる攻撃隊の数は、かなり空母一隻で攻撃した場合より少ないと考えられる

そうでしょうか?
まず、雷撃機に関しては空母や護衛艦艇からの対空砲によっても相当数撃墜されています。当の日本軍自身が米軍の雷撃機はほぼ全滅させているくらいです。VT信管はまだなかったものの、すでにレーダーを実用化していた米軍の防空能力は日本側より上なので、対空砲火だけでも日本側攻撃隊の大損害は容易に想像できます。
加えて、この後の南太平洋沖海戦の戦況からも類推が可能です。南太平洋海戦では、日本側は空母4隻、米軍は2隻、搭載機数も日本軍の方が多かったのですが、日本側の第一次攻撃隊は91機出撃して帰還は38機、第2次攻撃隊は59機出撃して帰還は28機(くわえて帰還したうち半数近くが修理不能で投棄されている)という状態です。
そのことから考えて、ミッドウェーでも、もし4隻の空母から全力で攻撃隊が出撃した場としても、半分以上が撃墜されただろうと考えられます。 (2020.06.14 23:17:49)


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