|
テーマ:ニュース(99710)
カテゴリ:その他
スタジオジブリ、日本テレビの子会社に 宮崎駿氏の後継者見つからず
「となりのトトロ」や「千と千尋の神隠し」など世界的に愛される映画を生み出したアニメーション制作会社、スタジオジブリが日本テレビの子会社になることが分かった。スタジオジブリは共同設立者である宮崎駿監督の後継者を見つけることができなかった。 共同声明によると、両社の取締役が21日に会談し、日本テレビがスタジオジブリの株式を取得して子会社化するとの決議を承認したという。取得額は開示されていない。 声明では「監督宮﨑駿は82才、プロデューサーの鈴木敏夫も75才となり、長らく悩んできたのが後継者問題だ」と説明。 日本テレビなら「スタジオジブリの『もの作り』やブランド価値を永続的に守る」ことができると指摘した。日本テレビは「スタジオジブリの自主性を尊重」し、「映画づくりに集中」できるようにする意向だという。 また、宮﨑氏の長男であり、自らもアニメーション映画監督である宮崎吾朗氏の名前が何度か候補に上がってきたが、吾郎氏は「『一人でジブリを背負うことは難しい、会社の将来については他に任せた方が良い』との考えから、それを固辞してきた」とも明らかにした。 スタジオジブリの将来は長年懸案になってきた。2013年には宮崎氏が引退を発表し、共同設立者の鈴木氏は当時、会社の変革が必要との見方を示していた。 宮崎氏を巡っては、世界で最も偉大なアニメ制作者の一人であり、日本のポップカルチャーを象徴する人物との見方が多い。宮崎氏の映画はアニメ産業を形成し、世界で高く評価された。 宮崎氏は最新作「君たちはどう生きるか」を手掛けるため最近復帰した。この作品は今年公開されている。 --- ついにそうなってしまったか、というところです。最新作「君たちはどう生きるか」は賛否両論の中、現時点で興行収入は82億円を超えたと報じられています。宮崎監督は次回作にも積極的と報じられていますが、今作品も制作に7年かかっていいることを考えれば、年齢的にこれで終わりとなる可能性は高いでしょう。 あまりに巨大すぎる才能故に、跡を継げる人材がいない、ということは以前から言われていました。 アニメーターとしての才能で、おそらくもっとも宮崎の後継者足りうる能力を持っていたのは、「耳をすませば」の近藤喜文監督ですが、残念ながら1998年に亡くなっています。生きていたとしても、今年73歳、宮崎よりは9歳若いとは言え、やはり遠からず後継者問題は生じることになったでしょう。 あとは、多くのジブリ作品で作画監督等を務めたいくつかの小作品で監督もした高坂希太郎氏。バリバリの現役で、「君たちはどう生きるか」にも参加していますが、現在は別のスタジオに所属しています。おそらく、ジブリの後継者になる気はないのでしょう。おなじく「借りぐらしのアリエッティ」と「思い出のマーニー」の監督をした米林宏昌氏も、自分の作品を作るためのスタジオに所属しています。 息子の宮崎吾郎氏は、処女作の「ゲド戦記」は酷評されましたが、二作目の「コクリコ坂から」は総じて高い評価を得ました。ただ、興行成績は苦戦しました。コクリコ坂の興行収入44億円は、一般的には大ヒットなのですが、ジブリ作品は制作費が大きいため、興行収入44億円ではペイしないのです。 吾郎監督だけでなく、ジブリは大ヒットを連発した印象がありますが、それは宮崎駿監督作品だけで、宮崎の師匠でもあり、屈指の名作を連発した高畑勲監督ですら、興行成績は大苦戦でした。 結局、誰が後継者になっても、作品の出来はまだしも、興行成績的に宮崎駿本人に匹敵する成績を残せないのが現実です。 ジブリのアニメ制作部門は、「思い出のマーニー」を最後に実質的には解体状態であり、今回の「君たちはどう生きるか」で復活したとは言え、今後もそれを永続させられるかどうかは分かりません。宮崎アニメ、ジブリ作品は超が付くくらい大ファンなだけに、今後も新しい作品を期待したいのですが、現実にはなかなか厳しそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[その他] カテゴリの最新記事
|