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江戸小咄。時代にべったりの進歩的知識人の情けなさ。
江戸時代の小咄を紹介した本です。相当古く昭和47年(1972)発行の物(40年も前か)。 ただ、淡々と江戸小咄を紹介すれば良いものを、首を傾げる「日本=後進劣等社会」論、「江戸時代=暗黒劣等社会」論が頻出します(「チクリと風刺」ってヤツですかぁ)。うんざりさせられます。例えば「新幹線は大量、短時間輸送で、これは日本軍国主義の発想だ」「江戸時代は暗黒がんじがらめ封建社会で庶民は自由恋愛できなかった(そもそも「自由恋愛」なる概念が江戸時代にあったのか?!)」 その上、このお馬鹿著者は「小咄にある」=「事実である。当時の庶民はそうしていた。そう考えていた」と「日本=劣等後進社会」論の根拠にしているのです。いくらなんでも馬鹿過ぎでしょう。「ありえない」から笑い話になるのです。 ユーモアやウィットが効いていれば、的外れの悪口でも構いませんが、そうした感覚もあまり見かけられません。『生活の中の笑い』って題名の本なのに、著者にユーモアのセンスが乏しいとは(なんと著者は直木賞候補にもなった第一回ユーモア文学賞受賞者)。 しかも、いい加減うんざりさせられたところで、「日本人はユーモアのセンスが乏しい。OH!劣ってますね」式の記述。 ユーモアのセンスが乏しいのはお前だろうが(「日本人はユーモアのセンスが乏しい劣等民族」と書く奴にきまって、ユーモアのセンスが無いのはどうしてだ。この事例、実に多し) 真面目に書いても仕方ありませんが、「ユーモアのセンスに乏しい劣等民族」なんていませんから。どこの民族も一緒、上下なんかありません。「ユーモアのセンスに乏しい」人がいるだけです。ただ、その社会における「笑い」の社会的“機能”“存在価値”が違うだけ。 例えば「××人が電球を取り替えるのに何人必要か。答え、4人。一人が電球を持ち、後の3人が乗った椅子をグルグル回す」という有名なアメリカンジョークがありますね。これを日本のパーティーの席でやったらどうなるか。しらけるだけでしょう。大真面目な顔で「人種差別は良くないんじゃないか」と忠告されます。 で、お馬鹿チャンは「OH!日本人劣ってますねぇ(そう言う自分は高級人間)」などとやる訳ですが、では、これはどうか。 「家の電球が切れたんで、一寸家に来てくれないか。僕が電球を持つから、君は僕の乗った椅子をグルグル回して・・・」ツッコミは来るかも知れないが忠告は来ないでしょう(ウケルかどうかは判りませんが)。 笑いの持つ“攻撃性”を他者に向けるか、自己に向けるか、あるいは他者への“攻撃性”をどこまで許容するかetc、観点は色々あるでしょうが、どちらもそれがギャグである事は理解している訳です。 また、この著者は日本社会で男色がごく自然に行われていた事を「公然の悪風」などと書き、「それにしても貴族、坊主、武家の支配階級が(著者は知らないらしいが一般庶民だって特異な事じゃなかった)、千年もの間公然と男色にふけった歴史を持つ国が、ほかにあるだろうか。」と日本文化を嘲笑しています。 呆れた同性愛蔑視の糞差別野郎ですね。 つまり。 70年代当時はまだ欧米で同性愛は偏見を持って見られていた訳です。で、当然「日本社会は劣等社会でなければ『ならない』」ので、日本は「同性愛が普通の異常劣等社会」として、進歩的知識人自慢(=ニポンサヨク)は嘲笑して“見せた”訳。 さて現在、欧米では同性愛“賛美”が“政治的に正しい”事になっているので、これまた当然「日本社会は劣等社会でなければ『ならない』」ので、日本は「同性愛蔑視が渦巻く野蛮劣等人権無視社会」として嘲笑するのがニポンサヨクの“現在のお気に入り”となっている訳です。 で、一体進歩的知識人(サヨク)としてはどっちなの?同性愛は悪習なの?素晴らしい事なの? で、日本は同性愛に対し道徳的宗教的非難が無いという“野蛮後進社会”なの?それとも宗教家がこぞって非難しヘイトクライム多発の“野蛮後進社会”なの? ニポンサヨクは「日本はAだ」といって非難嘲笑し、時が経てば、いやしばしば同時に「日本はAでは無い」といってやっぱり非難嘲笑します。 (馬鹿コメントにうんざりさせられるから、態々読解力の乏しいニポンサヨクの為に書いてあげますが、この文章、どこにも「日本は素晴らしい」なんて書いてないだろ。ニポンサヨクの恥知らずな珍思考ぶりについて書いてあるだけ。更に言えば、「日本語は日本人だけのものじゃない」なるニポンサヨクのお気に入りの台詞、逆の立場にも当てはまるという事を見逃しているね。例えばこのブログ、数年間に亘って書いているが、一言も「私は日本人だ」なんて書いてないでしょ、ふふふ。そもそも「私はXX人」という観点から書いて無いんだよ) ニポンサヨクの恥知らずな180度の変節、最近はスパンが更に短くなっている事は、民主党政権前と後の彼らの言説を比較すれば一目瞭然。無論マスコミは一切触れませんが。 (念の為。「ニポンサヨク」≠「COMMUNIST、SOCIALIST(左翼)」ね) なお、本書の注も変(これは編集者の責任か)。「手裏剣」「鎖帷子」といった物に態々説明がある。知らない奴がいるのか。 一寸楽しい気分になろうと読んでみたのに、不愉快な気分になるとは思わなかったよ。 という訳で、次に収録されていた江戸笑話を幾つか。 (その2)に続く。 《PHP研究所》宇井無愁生活の中の笑い 現代に生きる江戸小咄 【中古】afb お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年02月06日 20時24分25秒
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