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テーマ:診察室の窓(72)
カテゴリ:日々の風景
前回、職人と専門家についてちょっと触れました。
実はちょっと前に講義している学校の講師会議でのこと。 ご高齢に思える先生が、私は職人のようなものでして・・・ってお話しされてる事がきっかけで職人と専門家の違いが妙に頭に残ってしまいました。 その先生、ぼくとつとした感じであまり多くを語らないんですよね。でも、伝わってくるものが厳しい時代を鍼治療一本で生きてきたって感じが、ジンワリ味わい深く感じれるお人柄だったんです。 世に論文や専門雑誌に投稿もされていない。でもこれまで鍼一本でやってきたっていう重みを感じたんです。 で、職人って一体何なんだろって思うようになったわけです。 職人の仕事って、誰がやったのかが分かるので、やはり個性が反映されるのでしょう。そこに職人としての技とこだわりが万人に認められる。これは職人芸の上をいく名人なのでしょうが、名人は職人の範疇に加えてもいいと思います。 職人は、認められたいとか受け入れられたいとかというよりも、自分の仕事にプライドと自分の感性を生かしきった人たちではないかと。 もの作りなら、材料選びから完成まで全部自分の手で行って使う人にその完成品を問うていく。 あこがれますね、そういった感性に。かっこいいなと、僕は思ってしまいます。 実父の同級生。腕の良い大工さんなのですが、早くに引退してます。 熟練したカンナがけやくぎ打ち、材木の割り振りなどが必要なくなって、工場で作られたものを組み立てるだけ。素人にでもできる家作りにあほらしくって、とてもじゃないがお金のためだけに自分を売る事が出来なくなったと言ってたのを思い出します。 本人はそれで良いけど、奥さんは大変ですよね。 それでもいまだに、ご夫婦仲良いですよ。 ちょっと横道にそれてしまいましたが、今はそう言った職人がドンドン姿を消してるといいます。 反面、専門家はその数が増えて行ってるそうです。 こだわりの人は、時に窮屈に感じてしまいますが、僕の感性に合ってるなぁ~。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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