オタクの息子に悩んでいます
オタクの息子に悩んでいます。 書店に立ち寄って、題名に引かれてフト手にしてしまった本です。 限られた字数の中で、たとえ少しでも相談者の心が軽くなるようにとの熱い思いが伝わって来る内容になっています。 悩みとは、「複数の問題がこんがらがった状態」と定義されて、ある程度整理がつくだけで随分と心が軽くなるという。 もちろん、著者の経験のから得られたスキルも開示してあります。 それよりむしろ、僕の心に響いたのは、著者の「心の不良債権」という言葉でした。 「心の不良債権」とは、過去において未処理の体験のことで、それを相談という形で一緒に解決していく過程で自分の不良債権も無くなるのではと、述べているところがとても共感的でした。 相手の相談に乗ることによって、元々あった自分自身の問題にも光が当たり、相談者が楽になったり解決すると同時に自分の問題も解決する。 まさに仏法でいう、「自利即他利」 の世界だなと感じました。 人に説教するなんてことは、自分自身の中に抑圧しているものを相手に投影しているだけ。 相手も苦痛に感じるなら、実は自分も苦痛であることに大半の人は気づいてないんだろうなって思う。 悩みの内容や現象はそれぞれ異なっても、突き詰めていけば不安であったり孤独であったり、自分の中の悲しみや怒りなどの感情に触れることが怖かったりすることから、思考がこんがらがってショートしてしまうのではないかと思う。 難しく書いてしまいましたが、内容的には楽しく読めます。