7月及び1~7月のトルコの財政収支(予算執行状況)とその雑感、トルコにける新型コロナウイルス患者発生172日目の状況とその雑感
今日(29日)は土曜日であったため、トルコ経済に関する重要と思われる記事は全く出ていませんでした。8月15日頃はアクセスできなくなっていたトルコ国庫・財務省のホームページに、今日の記事を読んで思い出してもう一度やってみた結果、今度はアクセスができましたので、大幅遅れですが7月及び1~7月のトルコの財政収支について簡単に紹介します。 経済以外では、今日も172日目の過去24時間の新型コロナウイルス(KOVID-19)の感染状況に関する記事を紹介します。今日も「保健省が日々発表している統計は事実を全く反映していない」というテレビニュースがありました。1つは、「保健省の発表している統計では、入院率(入院者数)よりも死亡率(死者数)が高くなっている。一部は入院しないで死亡したとしても、病院には全く患者は残って居ないことになるが、病院は患者でいっぱいだ」という主張で、もう1つは、マンスル・アンカラ大市長とイマムオール・イスタンブル大市長が一緒にテレビに出て、「アンカラとイスタンブルの患者数・死者数を合わせると、トルコ全体の数字に極めて近くなる。アンカラとイスタンブル以外の患者はどうなった?」という主張です。CHP系の大市長は11人ですので、アンカラ、イスタンブルに加えて、イズミル、アダナ、アンタリヤなどの残りの市長が正確な数字を発表すれば、少なくとも「保健省が発表している数字は正しくない」ということが正確に証明される可能性が高いものと思われます。管理者は現時点で「情報は隠匿されている」と断言することはできないと考えますが、これまでの非政府関係者の証言を総合すると、「相当な規模で、情報隠ぺい、情報改竄が行われている可能性がある」と考えています。その目的は2つ考えられます。「コロナ対策の失敗で、国民・野党から攻撃を受けたくない(現時点、少なくとも少し前までは、『世界で最もコロナ対策で成功した国』と主張していました)」というごく自然なもの?と、「早期総選挙もありかねない状況で、一刻も早く経済回復を図る必要があり、再びロックダウン状態にすることは取り得ない選択肢である」ということではないかと考えます。もしも発表している統計が正しいなら、CHP系市長や、一部の医療関係者が主張していることに対して、真正面から、かつ、正確に反論すべきと思われます。それができないなら、「情報隠ぺい・改竄(あるいは、医療体制崩壊で正確な情報は存在しない状態)」があることを疑われても、反論の余地はないことになります。 東地中海に関しては、チャヴシュオール外務大臣とオクタイ副大統領の発言に関する詳しい記事が出ています。余裕があれば、チャヴシュオール外務大臣の発言を抜粋して紹介します。 最後に、トルコにおける深刻な状況にある患者の数に関するこの3日間の変化を紹介します。重症患者数: 862人(死者数:26人) → 896人(36人) → 917人(39人)肺炎発生率: 7.3%(死者数:26人) → 7.4%(36人) → 7.4%(39人)となっています(深刻な状況にある患者に関する発表項目は7月29日から変更になっています)。 なお、以前も紹介しましたが、今日は39人が亡くなっているので、真の重症患者の増加数は、917-896+39(亡くならなければ、重症患者であったはず)=60人です。つまり、9%増です。新規感染者の増加継続が、重症患者数及び死者数の増加に明確につながってきたという状況になりつつあるようです。 励みにしていますので、クリックをよろしくお願いします。にほんブログ村にほんブログ村 今日最初に紹介するのは172日目の過去24時間で新型コロナウイルス(KOVID-19)の感染状況に関する記事です。今日(29日)のアナトリア通信(AA)の記事です。 見出しは「トルコでKOVID-19から完治した人の数は24万3千人に近づいた」です。 過去24時間にトルコでは、新たに新型コロナウイルス(KOVID-19)に1,549人が感染したことが判明し、39人が亡くなり、その結果、累計感染者も26万7,064人に、累計死者数も6,284人になりましたが、1,003人が回復し、累計完治者も24万2,812人になりました。 保健省がインターネット・サイトで公表し、また、ファフレッティン・コジャ保健大臣がツイッターで発表した「トルコの日々のコロナウイルス統計」によれば、8月29日には、検査件数は10万1,414件(管理者注:相当長期間にわたり約3万5千~6万件の検査件数が続いていましたが、8月8日には6万件を超え、14日には7万件を超え、18日には8万件を超え、20日からは9万台となりました(23日は8万件台)、そして26日からは10万件)となりました。その結果、1,549人についてKOVID-19への感染が新たに確認されました。 過去24時間に39人が亡くなった一方、1,003人が完治しました。累計検査数は693万7,088件となり、累計感染者数は26万57,064人、累計死者数は6,284人となりました。重症患者数は917人、KOVID-19感染者の中で肺炎を起こしている人の割合は7.4%に、累計完治者数も24万2,812人となりました。 ファフレッティン・コジャ保健大臣はツイッターで、「累計700万件近い検査を実施した。今日は現在治療中の患者が546人増加した。累計死者数も6千人以上である。重症患者数の増加も続いている。対策の実施で緩みがあってはならない。力(の源)は対策である」との表現を使いました。 今日2つ目に紹介する記事は、上でも言及しましたが、7月及び1~7月の財政収支で、これは国庫・財務省のホームページの統計を使用して、AAの記事を真似て作った管理者独自の記事?です。 見出しは「予算執行結果が発表された」です。 7月のトルコ中央政府の予算収入は865億リラ、支出は1,162億リラとなり、その結果、中央政府財政の6月の財政収支は、昨年同月は99億リラの黒字でしたが、297億リラの赤字となりました。 国庫・財務省は、7月の予算執行結果を発表しました。 それによれば、7月の予算収入は、昨年同月と比べて30.3%増加して583億2,200万リラから760億1,400万リラとなり、予算支出は昨年同月と比べて39.1%増加して855億3,300万リラから1,162億2,500万リラとなりました。 その結果、中央政府財政の7月の財政収支は、昨年同月は99億リラの黒字でしたが、297億100万リラの赤字となりました。そして、2020年予算である1,388億7,300万リラの内の21.4%を占めたことになりました。 また、1~7月の予算収入は、昨年同期と比べて9.2%増加して5,419億4,000万リラに、同期の予算支出は20.5%増加して6,810億8,700万リラとなりました。 その結果、中央政府財政の1~7月の財政収支は、昨年同期と比べて赤字が102.6%増加して、1,391億4,700万リラの赤字となりました。そして、2020年予算である1,388億7,300万リラの内の100.2%を占めたことになりました(つまり、既に予算オーバーです)。 中央政府の予算支出は昨年7月には835億3,300万リラでしたが、今年7月には39.1%増加して1,162億2,500万リラになりました。そして、2020年予算である1兆954億6,100万リラの内の10.6%を支出したことになりました。 また、国債費(利息)を除く予算支出は、7月には昨年同月と比べて42.2%増加して1,077億6,900万リラとなりました。国債費を除く支出は予算で予定されていた額に対して11.3%となりました。 中央政府予算収入は、昨年7月には934億3,300万リラでしたが、今年同月には7.4%減少して865億7,200万リラとなりました。7月の予算に対する収入の割合は、昨年は10.6%でしたが、今年は9.0%になりました。 税徴収額は、昨年7月と比べて30.3%増加して760億1,400万リラとなりました。今月の税収の予算に対する割合は9.7%となりました。 中央政府の予算支出は、昨年1~7月には5,651億リラでしたが、今年同期には20.5%増加して6,810億8,700万リラとなりました。 その結果、2020年中央政府予算が予定する1兆954億6,100万リラの内の62.2%が使われました。 今年1~7月の国債費を除く予算の支出は、昨年同期と比べて18.7%増加して6,013憶7,400万リラになりました。これは、今年の国債費を除く支出として予定されている額の62.9%となりました。 中央政府の予算収入は、昨年1~7月には4,964億1,700万リラでしたが、今年同期には9.2%増加して5,419億4,000万リラとなりました。予算で計画された額に対する実現割合は、昨年には56.4%でしたが、今年は56.7%となりました。 徴税額は、同期には12.5%増加して4,119億6,200万リラとなりました。税収の予算で計画された額に対する割合は52.5%となりました。 ここからは一言解説・雑感です。当初予定していた赤字額を7月で使い切ってしまったわけですが、日本を含めて世界中でとっくにそうなっているわけですから、トルコだけが非常に悪いということではないと思います。問題はそこではなく、先月も指摘しましたが、税収自体は増加していること、特にインフレ率とほぼ同じ水準で増加しているということは、全体としては減税が行われていないことを意味するものと言えます。財政支出は20.5%増加しているので、インフレ率以上の増加とはなっていますが、支出項目で昨年と比べて大きく伸びているのは、現金移転(補助金・手当の支給など)が301億リラから587億リラへ95.5%(約288億リラ)増加し、貸出(支払い延期?)コストが15億5,300万リラから27億1,000万リラへ74.5%(約12億リラ)増加しているだけであり、「100年に1度?」の経済危機を救うための財政運営になっているとは言えないように思います。 なお、「現金移転」には、橋、高速道路、市民病院などのBOT方式施設に対する政府保証に基づく「補償金支払い」が含まれている可能性もあります。つまり、生活に困ったトルコ国民ではなく、契約で守られたオペレーターに大部分の予算が流れている可能性も否定できません。 トルコリラ等の外貨建ても含めた債券投資に関する情報を発信しています。外債投資に興味のある方は、一度覗いてみてはいかがでしょうか。社債投資まとめ いろいろな投資情報が出ています。投資に興味のある方は、一度覗いてみてはいかがでしょうか。株初心者向けIPO初値予想 今日はオリーブ・オイルを紹介します。日本への売り込みにも力を入れ始めたそうです。 次は、トルコの「国家・国民酒(?)」のラクを紹介します。ギリシャやフランスなどにも、名前は違っても同じお酒があるそうですが、トルコが発祥の地と思われます。