カテゴリ:読書感想文
このシリーズも8作目。
今回の春夏秋冬のお話は、非正規雇用とケータイと格差社会の四篇。 タイトルにもなっている非正規レジスタンスは内容的にはグッド○ィルの話だった。 オレも学生時代に派遣のバイトをしていたことがあるのでその内情には少しばかり驚いた。 実家暮らしで小遣い稼ぎ程度でバイトしていたオレは幸せ者だったのだと今更ながら気がついた。 ネットカフェ難民なるものがいることはニュースでも聞いたことがあったけれど、 実際、町を闊歩するオレのすぐそばにそういう人間がいるということは考えたこともなかった。 透明な難民という表現がリアルで恐ろしく聞こえた。 オレを含め人は他人と比較することで幸せを実感する。 そういう人間が格差社会を作り出しているのではないかと思う。 もちろんオレもどちらかと言えば底辺側の人間だという自覚はある。 ケータイについてはオレも少し思うことがある。 通勤電車内で、ふと座席に座っている人に目をやると半分くらいの人がケータイを眺めている。 何をしているのかは知らないが、今はテレビ、ゲーム、音楽と、 ケータイさえあれば時間を持て余すことはない。 人が集まってくる都会では、個人のスペースはそれに反比例するように狭くなっていく。 一世帯分の土地は二世帯、三世帯の建売住宅として再生され、 日々の通勤電車の乗車率は100%を超えた数字が当たり前となっている。 人間は物理的に失われたスペースを補うために全てをケータイに押し込めてしまったのだろう。 自分のお気に入りのCDを押し込め、思い出の写真を押し込め、ついにはテレビをも押し込めた。 オレにはそれが良いことなのか悪いことなのかはよくわからないけれど、 自分が押し込まれてしまわないように気を付けようとは思っている。 随分と脱線してみたけれど、池袋ウエストゲートパークとしては、 今回はノンフィクションに限りなく近いフィクションのようで味気なかった気もしないでもない。 非正規レジスタンスなどは特にグッド○ィルの話を延々聞かされているようだった。 とは言ってみたものの相変わらずこのシリーズは好きなんだけれどね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008/09/07 01:19:11 AM
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