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雀坊の納戸~文鳥動向の備忘録~

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2013年09月05日
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カテゴリ:動物愛護法関連

 麻酔銃での捕獲と言えば、人里に降りてきて、人を殺傷する危険性が大きい野生動物に対し、「殺したらかわいそう。麻酔銃を使えばいいのに!」と、安易に主張する心優しい人が多いことは、私も承知しているところです。そして、その背景に、麻酔銃が魔法の杖で、それさえあれば殺さずに簡単に捕獲できる、という迷信があると思っています。
 もちろん、麻酔銃は普通の猟銃に比べ、格段に射程が短いので(15メートルほど)、猛獣の類に接近しなければ命中せず、、命中しても瞬間的には作用してくれません。また、興奮状態で効果がないこともあり、狙撃した人が、逆に襲われることになりかねないことも、よく承知しています。

 従って、千葉市動物公園による今回の麻酔銃使用を非難する者に対し、「麻酔銃さえあればという動物愛護者たちがコロッと立場を変えた」と、狩猟に理解がある方が指摘しているのを見かけ、とても違和感を覚えることになりました。何しろ、私の見るところでは、『麻酔銃は魔法の杖で、それさえあれば殺さずに捕獲できる』とする、狩猟を無遠慮に非難する迷信が、信じがたいことながら、千葉市動物公園の職員たちを動かした結果こそ、今回の事件の本質なのです。麻酔銃についての誤解という面なら、野生動物の生命を絶対視して狩猟に無理解な「動物愛護者たち」と共通しているので、現在、困惑しているところだったのです。

 もちろん、野生動物の狩猟と、人間のミスで迷子にした飼育動物の捕獲を、同列には論じられません。何しろ、野生動物に所有者はいませんから、その行動の責任を取れる人間もいませんが、飼育下の動物の行動は、迷子になった後も、それを飼育する個人なり団体が責任を負わねばならず、それどころか、愛護しなければならない法的義務まで存在します。狩猟動物とは、そもそもの位置づけが異なるので、混同すると、話が噛み合わなくなってしまうでしょう。
 それぞれの置かれた立場により、為さねばならないことは異なります。狩猟の必要性のあることに、動物愛護の観点から意見すれば、見当はずれにもなり、その逆も有りうるはずです。何となくそれぞれの立場で今回の事件を見て、誤解をしないように、それぞれの論点から、考えてみましょう。

★ 殺すのがダメなら野放しにすれば良いのか?
 飼い主や飼育する団体には、飼育動物の管理責任があるので、野放しにすることは許されません。また、そういった発想はそもそも持ちようが無いと思います。例えば、飼い犬が迷子になって放置するまともな飼い主がいるでしょうか?車に轢かれるかもしれない、「保健所」に捕まって処分されるかもしれない、飢えやつれながら飼い主を探しているかもしれない、心配で一時も心が休まらず、一所懸命探すのが普通でしょう。
 今回のベニコンゴウインコの件に関して、もし動物愛護の立場から、「放っときゃよかった」との意見があるとすれば、しばらく放置して自主的に帰るように仕向ける方が安全に捕獲できるという意味以外には有り得えません。もし、野放し状態が続けば、飢え死にしてしまうでしょうし、そうでなくとも、冬になれば凍えて死んでしまうでしょうし、交通事故もあり得るでしょうし、野良ネコなどに襲われるかもしれませんし、さらには、あの動物園の人たちより熟知した人が、やすやすと捕まえて売り払ってしまう心配だってあるでしょう。空想すれば無限大に危険は存在するので、本当に動物を愛護する気持ちがある人で、捕獲を望むまない人はいないのです。迷子の保護、原状復帰は、飼育動物についての愛護精神の前提なので、それを否定することなど論外であり、問題は、いかに安全に、出来る限り早く捕獲できるかに絞られると、考えるべきだと思います。

★ 外来生物なので駆除が必要なのでは?
 ベニコンゴウインコは猛獣でも害鳥でもありませんし、日本の自然に適応して土着する可能性はゼロに近く、日本の生態系を乱す可能性を考えること自体、その生態を理解しないおかしな話です。
 それ以前に、迷子になったものをどのように扱うべきかを問題としている時に、まるで筋違いな議論でしょう。例えば、ライオンやゾウといった、大きくて人間を襲いかねない動物を、止むなく射殺した場合でも、それは外来生物だから駆除したのでしょうか?普通、危険性があるから、止むなくそのような処置をしたに過ぎないはずです。
 飼育下の動物はさまざまですから、その対応も一律では済みません。捕獲して元の状態に戻すのが基本ですが、適宜、その動物の場合に必要となる処置を講じなければなりません。そして、ベニコンゴウインコの場合は、駆除する必要性がないので、殺戮行為にならないような安全な捕獲を試みることを、優先しなければならないのです。

★ 動物園が飼育する動物の「脱走」は稀なので、その準備や訓練は不可能では?
 大地震の発生は、数十年、もしくは数百年ごとか、それ以上で、一生のうちに経験しない人も多いですが、準備や訓練は無意味と言えるでしょうか?動物を飼育する以上、それぞれの動物の生態的特性を熟知するように心がけねばならず、それぞれの特性を理解してこそ、万一の際の対策を用意することが出来ます。逆に、迷子になった時の飼育側が取るべき行動を考えることは、その習性を考え直す機会にもなります。
 その準備に、経費が必要な特別な捕獲機材は、必ず用意しなければならないわけではありません。そのようなものを用意できなければ、無い前提で、どのように対応すべきか、事前に想定すれば良いだけのことで、特に公共性のある動物園のような施設では、その準備は義務に近いと考えるべきかと思います。もちろん、千葉市動物公園にしても、今回の反省に立って、対応マニュアルを再考するとしているのです。

★ 万策尽きて苦渋の決断として麻酔銃を使用したのではないか?
 千葉市動物公園は、捕獲作業の当初より麻酔銃を用いており、また、結果的に射殺してしまった後の飼育課長のコメント
 「いろいろ考えて、やっぱり一番安全な方法はこれ(麻酔銃の使用)、ではないかというようなことで、今日に臨んだわけなんですけど、このような結果になってしまいました」
 
からも、終始一貫して一番安全な方法と認識していたのは明らかです。つまり、麻酔銃さえ当たれば、絶対無事に保護出来ると信じていたのです。
 従って、麻酔銃以外の捕獲に向けた努力は、まことに不十分で、残念ながら、ベニコンゴウインコの習性を理解したものとは見なせないものばかりでした。例えば、動物園の報告に28日「親鳥を連れ(鳴き交わしを期待して)捜索」とありますが、人が大勢で連れ歩いたのでは、近づこうとはしないのが当たり前ではないでしょうか?連れ歩かれる母鳥も、何の目的かわかりませんから、呼び寄せるよりも、警戒音を発して遠ざけようとする可能性があるのです。
 この場合の呼び寄せとは、本来、親鳥の方をリラックスした状態にして行わねばならなかったと思います。この動物公園の場合は、幸いインコ舎の周辺にインコの屋外展示スペースがありますから、まずそこに親鳥を置き、園内をなるべく静粛にして人間を遠ざけた上で、迷子のインコが飛来するのを待つのが、第一歩となったはずです。それに成功すれば、やがてその場に慣れて、エサのあるインコ舎に自主的に帰った可能性もあり、そうでなくとも、小鳥のように素早く飛び立てないので、いくらでも捕獲のチャンスは訪れたと思います。つまり、鳴き交わしに着目したまでは良かったのですが、帯同した時点で、習性をわきまえず、評価に値しない行動に過ぎません。
 また、ニュース映像を見ると(NNN【日テレ】の夕方のニュース番組『news every.』のもの)、29日には網を使用しての捕獲も試みていますが、これも映像で見る限り、驚くほどに稚拙です。使用する網は、夏休みのセミ取り少年が用いる昆虫網のような柄のついた小さなものなので、尾羽を含めれば体長1メートルの動物を、捕獲しようとするなら、静かに接近し、飛翔方向正面を扼しつつ、素早く頭にかぶせ、ややねじるようにしつつ網ごと下に落とすくらいしか方法は無さそうです。ところが、その網を片手にした男性は、上にインコが止まっているまさにその樹木に、他に何の準備もないままに(もしくはあるようには見えない状態で)、ワッセワッセとよじ登ってしまっています。
 捕獲するには、まず捕獲される側の気持ちになるべきでしょう。さて、下から大型の動物が自分を狙ってよじ登って来るのに気づいて、そのままじっとしている鳥がいるでしょうか?結果は、話にならないほど当然なことに、近づく前に移動され、飛び立たせてしまい、捕獲は失敗しています。頑張っているのはわかりますが、行き当たりばったりに、網を持って近づいたら逃げられたに過ぎません。これでは、万策尽きる前に、無策と言う他ありません。

★ 衰弱が心配されたので、早期解決が必要だったのでは?
 動物公園側も衰弱を口にしていますが、それは静かに帰還を待つような、「待ち」の捕獲作業をしている場合のみに言えることです。テレビ2社の撮影スタッフまで早朝から連れ込んで、射殺する前にやった捕獲作業なるものは、樹木を揺らして下に追い落とし、奇跡的に下に移ったのに、枝葉が多く射撃に適さなかったのか、地面からよじ登るような真似までして、遠くに飛び立たせただけです。このような衰弱させるだけの行動をとりながら、衰弱を心配していたと言われても、返答に困ってしまうのではないでしょうか?この際、困らず言ってしまえば、「衰弱させたのは、あんたらだろう!」ですが、どのように釈明出来るのでしょうか?
 危険性の高い麻酔銃を使用するくらいなら、いっそ衰弱し、地面に降りざる得なくなるほどの状態にさせたほうが、まだしも生存の可能性は高かったのではないかと思います。衰弱させての捕獲は、危険を伴い酷ではありますが、一つの方法論なので、失敗しても、これほど非難は受けなかったと思います。

 返す返すも残念なのは、まったくの偶然で、最終的に高所作業車で、3mほどの至近に近づくチャンスを得ながら、麻酔銃を撃ってしまったことです。もし、麻酔銃は「一番安全な方法」などという、人殺しの熊に対してさえ麻酔銃の使用を強要する「動物愛護者」と同じトンチンカンな迷信さえなければ、他の方法を考えたのではないでしょうか?
 麻酔銃は魔法の杖ではないのです。離れた場所の硬い筋肉を持つ動物の、その硬い部位に命中させなければ、死をもたらす可能性が有り、また近すぎれば、麻酔などの薬剤が効果が出るまでの間に、射撃側が反撃の危険にさらされる欠点を持った道具に過ぎません。大型インコは、ダチョウやライオンに比べ物にならぬほど小さいですし、腹部はほとんど薄皮一枚の中は内蔵といった状態です。従って、もし、狙撃が割合に至近なら、内蔵も何もかも打ち抜いてしまう可能性が大きくなってしまいます。つまり、本来、ベニコンゴウインコの捕獲手段としては最も危険な方法に他ならないと、見なさねばならず、その危険性を感じ取れなかいようでは、度し難いと言わざるを得ません。
 今後、同様のことが起きないように、麻酔銃の限界を、周知徹底する必要があると思います。






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Last updated  2013年09月06日 00時39分11秒
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