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雀坊の納戸~文鳥動向の備忘録~

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2017年04月15日
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 数日前に、妊婦がオウム病となって亡くなっていたとの事例が公表され、その報道を見聞きして不安に思われた人がいたと思う(記事)。個人的には、店のブログでオウム病に触れ、愛鳥からそれが感染して発病した飼い主の事例を寡聞にして知らない云々と、ごく軽薄を心掛けてに書いた(コチラ)。せっかくなので、小難しく再論しておく。

 オウム病については、まず以下の事実を認識しておく必要がある。

1、オウム病は、細菌の一種クラミジアによる感染症で、人に肺炎症状を引き起こす。

2、オウムインコ類の鳥との接触で、人に感染する例が昔から知られ、ズーノーシス(人獣共通感染症)とされている。

3、クラミジアは多くの種に分化していて、ほ乳類ではヒトやヒツジやネコなど、基本的にはその種だけに感染する固有のクラミジアの存在が確認されている。

4、オウム病を引き起こすクラミジアは、「シッタシ」と分類され、それはオウムインコに限らず、フィンチ類の小鳥やハトからも検出され、特にドバトの保菌率が高いとされている。

5、「シッタシ」が人に感染してオウム病となる場合、その感染源はインコ、特に大型インコ類に多い。

 こうした事実をすべて理解しておくと、1、2、4だけで、鳥の飼育を危険視するのは、いかにも浅薄なように思えてくる。それは、4でありながら5である事実を、完全に無視した結論だからである。これでは、科学的な論理性は得られず、つまりは非科学的なレッテル貼りに終わってしまい、未知を推測し探求する科学の研究発展を阻害するばかりとなるのではなかろうか。
 なぜ、4でありながら5なのか?長らく鳥と接して「シッタシ」に曝されていると、耐性が出来るのではないか、との個人的憶測をされていた研究者のご見解を拝読したことがあった(典拠不明)。しかし、それなら、ドバト公害でバルコニーがそれの糞だらけのマンションに引っ越してきた住人が、無事でいられる方がおかしいのではなかろうか?何しろ「ドバトの保菌率は20%程度と高く、ヒトへの感染源となりうる」とされながら、実際はそうなっていないではないか。
 そこで、素人の恐ろしさで無責任な指摘をしてしまえば、そもそも鳥類が1万種もいて、それもほ乳類同様に恐竜時代から分岐して今日に至っているという、生物学的な基礎認識があれば、そもそも鳥類のクラミジアを「シッタシ」一種と見なすことこそが、おかしいことになる。疫学の専門家には生物分類学の素養を欠く人が多いのかもしれないが、「鳥はみな同じ」と非科学的な思い込みをしていては、1~5の事実の科学的な整合性のある説明は、困難になってしまうはずである。やはり、ほ乳類のクラミジアが、その宿主ごとに変異しているなら、鳥類のそれも種ごとに変異していない方がおかしい、と気づくべきだと思える。
 そのような問題意識、つまり鳥類のクラミジアにはそれぞれに違いがあるはず、との推論から研究(科学的な探求であり実証)を始めれば、シッタシαやシッタシβなり、高病原性シッタシC型などなどに分けて、それぞれについての研究が深まるものと思われる。しかし、残念なことに、現在のこの科学分野では、そこまで細かなチャレンジがなされていないようで、相違点を探るどころかごく大雑把な同一性を前提にして(これを思い込みと言い、科学的には「妄信」として忌み嫌われるべきもの)、オウム病が起きれば、すべての鳥類が危険のような錯覚を、一般人に与えることになっている。・・・のだ、と私には思えてしまうのである。

 もし鳥のクラミジアがすべて共通していて、高確率で人に感染するなら、ドバト公害は不衛生の観点にとどまらず、疫病対策として切実なものとならねばならない。ところが、現実にはそうはならず、ドバトたちは駆除されずに済んでいる。そうした事実を無視し、その事実との整合性を考えず、鳥類のクラミジアを共通のものとする現代科学の限界を認識せず、その生活の一部である飼育に不安を招くような、およそ非科学的な主張は控えるべきだと、私は思う。
 オウム・インコ類からの感染にしても、そもそも、その取引においては、クラミジア検査の有無を確認するのが当たり前で、流通卸の段階で検査済みの個体以外は有り得ないくらいに、すでに自主規制されているのが現実である。つまり、まともな流通ルートを経た大型インコ類は検査済みで安全と見なし得る。つまり、現段階では、種の近似性から流通量の多いセキセイインコなどに感染して一部が潜在化して、個別家庭での濃厚な飼い主との接触で、ごく稀に病原性の強いクラミジアシッタシが飼い主に感染してしまい、オウム病として発病するに過ぎないものと思われる。
 オウム病という人にも感染する病気があって、インコ類からは毒性が強いケースがあるので、もし風邪の症状が長引いてレントゲンで肺炎症状が確認されたら、オウム病の可能性を主治医に伝えれば良いだけ、ではないか?飼い主もそれなりに知識を持って、神経質になりすぎず、適度な対処を心掛けていただきたいものと願う。





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Last updated  2017年04月15日 14時48分33秒
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