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雀坊の納戸~文鳥動向の備忘録~

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2017年05月09日
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 今日の『産経新聞』の記事「福島・浪江の火事でネットにデマ情報「放射性物質拡散」 雁屋哲さんや地方紙も言及」を先ほど読んでいて、6年たっても放射の汚染がおさまらず、放射能に関してのみ冷静な客観性を失ってしまう気の毒な人たちがいるのには、困ったものだと思う。 
 「火事により(放射性物質が)花粉のように飛散する」「福島で森林火災・強風により放射性物質飛散中」?!何んと想像力が豊かなことか!!まともな大人がこのような幼稚な戯言を言えるはずがなく、これすべからく、見えざる恐怖の毒が脳内に蔓延してしまって、いまだにそれに打ち勝てないのだと、私には思える。
 確かに、帰宅困難地域は他の地域よりも放射性物質に汚染されてしまっている。しかし、それは、結局のところ比較の問題でしかなく、そこに24時間居続けて1年365日住み続けるのは控えた方が良い、という程度に過ぎない。分別のある大人ならしっかりと踏まえるべきは、『産経』の記事で専門家がご指摘になっているように、昔の事故で汚染されているのは土壌であり、火事で焼失するのは樹木だという、ごく当たり前の事実であり、火事の灰がどの程度拡散するかの常識的な見当、であろう。例えば、気の毒にもごく個人的に鼻血で苦しんだらしい漫画家の雁屋さんも、数百メートル離れた隣町のおっちゃんが庭で焚火をしたところで、お宅の洗濯物に影響はしないことや、そもそも気づきもしないくらいのことはわかるだろう。まして、灰が飛来して飛び火する心配などしていたら、鼻地どころか生きていくのが難しいはずである。
 さて、『紀伊民報』という、今まで聞いたことも無かった地方紙とはいえ、わら半紙にガリ版刷りした学級新聞(30年前にはすでに存在しない)とは違う立派な新聞の編集局長さんが、「山火事と放射能」と題する5月1日更新のコラムで、「知人経由でこんな情報」をメールで得たとし、「射能汚染の激しい地域で山火事が起きると、高濃度の放射線物質が飛散し、被ばくの懸念がある」ので、東北、関東、北信越、静岡、愛知の人は最低限「内部被ばくしないよう換気はしない。外出時は二重マスク。家庭菜園にはしばらくビニールシートをかぶせる。雨が降ったときは必ず傘を差す。1週間ぐらいは毎日朝昼晩、みそ汁を飲む……」といった対応をしなければならない旨、お書きになっている。
 この大爆笑するしかないフェイクニュースを、なぜ編集局長ともあろう知識人が、簡単に真に受けてしまったのだろうか。謎である。なぜか警戒範囲が愛知どまりで、伊勢湾を越えなかったので、対岸の『あっち』の方の話として、読者である『こっち』の人(紀伊半島のごく一部)と一緒に、対岸の火事を傍観する気分になってしまったからであろうか、と私は疑ってしまうのだが、どうだろうか。もし、自分たちに対処が求められる話なら、より冷静客観的な科学的な検討をされていたのではなかろうか?
 「この情報を最初にアップしたのは東京電力で賠償を担当していた元社員。現地の事情に詳しい彼によると、放射能汚染の激しい地域では森林除染ができておらず、火災が起きれば花粉が飛ぶように放射性物質が飛散するという」などとある。御社では、出所不明の伝聞情報に基づいて、それを検証すらせず記事にされるのであろうか?何であれゴシップネタとして無責任にフェイクニュースを垂れ流すのを目的とされている特殊な存在だとすれば納得ではあるが、そうなのだろうか?
 「放射能汚染の激しい地域では森林除染ができておらず」は当たり前だ。山の表面土壌を全部入れ替えるなど出来はしないので(山でなくなるぞ?樹木もなぎ倒して荒野になるが、いったいどれだけ労力が必要だろう・・・。物理的に不可能かと)、枯葉などが表層を覆い、それが土壌化して沈下することで、放射性物質の残る層が地中深くに移っていき、また放射性物質も減衰していくので、何十年という自然の流れの中でゆっくりと、事故により拡散してしまった放射能の影響が除去されていくのを待つしかないのである。幸いなことに、地中の放射性物質を樹木が吸い上げて葉などに蓄積させる量はごく少ないとの科学的な結論があるので、6年経った今は、表層の放射性物質の多くは雨水に流され、止まったものも自然のサイクルにより地中に埋もれていると考えるのが、科学的であり論理的と言える。
 つまり、「火災が起きれば花粉が飛ぶように放射性物質が飛散する」は、まったく科学的でも論理的でもなく、実在するのか知らないが、科学的知識を期待できないおそらく事務系の元東電社員個人の妄想でしかない。もしジャーナリストの感性があるのなら、このような情報源が素人考えで導き出した結論に対して、検証しなければ無責任であり、フェイクニュースの根源になってしまうのを、最も警戒すべきだったと思う。実際、周辺の放射能レベルに、火事の影響は見られないが、それは数字を見る前から分かりきった当たり前、当然の帰結であり、それをジャーナリストでありながら分別できないのは、無知で無責任だからと指弾されても仕方があるまい。もし、謙虚な自省する気持ちがあれば、「政府も全国紙も、この現実にあまりにも鈍感過ぎるのではないか」などと批判する前に、なぜ報道しないのか落ち着いて考え、地方紙の気安さでフェイクニュースを垂れ流し、鈍感の極みとそしられることも無かったはずである。
 そのような批判を多く受けた後、8日更新のコラム「福島の火事」で、訂正し弁解している。
 「新たな拡散は心配するほどではなかったというのだ。そうなると、僕の不安は杞憂(きゆう)であり、それによって多くの方に心配をかけ、迷惑を与えたことになる。まことに申し訳ない。陳謝する」そうだ。僕ちゃんでも誰子ちゃんでも敏感に危険や不安を感じるのは悪いことではないが、それを冷静に検討せずに文章にして読者に提示し、結果的にフェイクニュースを垂れ流した、そのジャーナリストとしての資質を大いに疑わせる結果を招いているのだが、理解されているのか、本人のためにも気がかりだ。
 「政府の関心が低い」と指摘する前に、自分自身が我がこととしてしっかり考えることが出来ていたのか、実は、非科学的で自分は距離的に無関係と、井の中の蛙でしかない地理感覚(「あっち」のことは無関係、「こっち」が良ければそれでOK。あっちこっちの区別は自分の思い込みの気分次第で区別し、災害地の人たちへの関心が著しく低かったのではないか。実は他人事だからホウシャノーを怖がるふりをしているだけで、より現実的に向き合わねばならない同胞に対しては、あきれるほどに無関心ではなかったか、まず自分自身の内面を疑い、鈍感に過ぎないよう、自省されることをお勧めしたい。





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Last updated  2017年05月09日 11時00分00秒
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