Film Simulation そしてX-T2へ...
FUJIFILMのミラーレス・・・昔からけっこう関心高かったんですよねえ。なんといってもカメラ・フィルム・DPEなどトータルに写真領域の蓄積を持っていてまさにその莫大なデータをもとに設計された思想が「Film Simulation」なんですね。(※「Film Simulationの世界」はホント読んでいて興味深く面白いです)つい先日D700にTamronの180mmマクロを付けて菖蒲を撮りに近所まででかけたとき、そのとんでもない重さを(分かっているつもりだったんですが)ひしひしと感じてしまい後半には腕がプルプルする情けない体験をしてしまいました・・・歳ですねえ(笑)。まあだからというわけではないのですが、FUJIFILMの「色」を体験すべく軽くて、APS-Cではありますがオールドレンズも使えるミラーレスということでX-T2を仕入れました。まあとにかく大きさも重さもコンパクト、一緒に手に入れたレンズは「XF 35mm F2 R WR」です。このレンズもとてもスリムでコンパクトなんですが、なにせX-T2の方もコンパクトなのでその小ささが目立たたないですね・・・バランス的にも取り回しがとてもしやすいですね。この組み合わせは「防塵・防滴」です、雨が降ってもいい写真が撮りたいという思いで揃えました。もちろん中古も中古、いわゆる『並品』がそのまたサービス価格で安くなったタイミングでX-T2を、レンズの方は気に入れば資産になりますので並品レベルの限定価格になった『美品』を仕入れました。さてこのX-T2でフィルムシミュレーションを楽しむための撮影となるとJpegでとなりますよね、RAWで撮って専用ソフトで色々シミュレートすることもできるみたいですが、やめました。せっかくなのでファイルの設定は「FINE」のみのjpegにしました。そんな使用前の設定をあれこれ済ませて、Cobbyの散歩にここしばらく使ってみました、二日ほど雨にも遭遇しましたのでテストにはちょうど良かったです。(f/4, 1/210, ISO200)これはずっとアーモンドだと思っていた木なんですが、果実が実りだすとまん丸で...なんと桃でしたというオチが付いた写真です(笑)。素直な色ですね、基本はPROVIA(Standard)で撮ってます。公園の木にちょっと渋い色合いの小さな葉が出てましたので、3つのシミュレーションで比べてみました。レフ機と違ってファインダーでその違いがだいたい分かるところがミラーレスの良いところですよね。(※使っているうちにこういう場合はフィルムシミュレーションのBKT・ブラケティングにすればよいということがわかりました^^;)..)<PROVIA>(f/4, 1/400, ISO200)<Velvia>(f/4, 1/420, ISO200)<Classic Crome>(f/4, 1/420, ISO200)すべてf/4で揃えて撮ってます、何が素晴らしいってどのシミュレーションも不自然さがないところですね。私としての記憶色としては<Classic Crome>なんですが、鑑賞する人にとってはその人の『脳が作り出す色』とが合致すると「いい色」と感じるというわけで、そこにこのフィルムシミュレーションの存在意義がある...というのがFUJIの考え方で、こうしてどれも彩度・階調性がそれぞれ違っても画に破綻を見せないバリエーションを見ると納得しますよね。そしてCobbyの写真を<ASTIA(ソフト):f/4>で撮ってみたものがこちら...(f/4, 1/60, ISO100)どこが<ソフト>なの?と最初思いました。日差しがなく光が全体に回る状況ですからよりソフトな面が強調されても良いかなと・・・でもよく見るとCobbyの体毛や奥の明るいところ(ハイライト部分)を見るとたしかに柔らかいのです。ASTIAの概要を見ると「なるほど」でした、まさにハイライトを柔らかめにそしてシャドー部を比較的固めに調整しているんだそうです。Nikon・Sonyで慣れた「ニュートラル」や「ポートレート」的なソフトとは一線を画すわけですね。これは開放付近で柔らかくなるオールドレンズなどには被写体・目的によっては使える設定だなと確認できました...楽しみです。上の写真のように光がそれほど強い日ではなかったのですが、このレンズらしいと言えばいいのかあまり見たこと無い玉ボケが出てくれた一枚がこちらです(PROVIA:開放にて)。(f/2, 1/90, ISO100)しかしきれいな朱色のノウゼンカズラですがそのシベを見ると開放からへんな滲みもなくとてもシャープですね。そしてF1.4でなく<F2>というところが無理がなくて開放からでも自然なぼけになっているんでしょうかねえ。続いては雨の中です。まずは雨が上がった直後の一枚<PROVIA:開放>...(f/2, 1/2500, ISO100)濡れたレンガそして水を得て生き生きとした緑の葉が良い質感ですね。そして公園にはたくさんのアベリアが薄いピンクを帯びて元気に咲きだしました...(f/4, 1/70, ISO320)雨の中光も少なく葉の緑がひときわ濃く写りますね、こんなときはマクロレンズが欲しくなります。そしてこういう写真がどんどん撮れるのも雨を気にする必要がないこのコンビならでは...(f/2, 1/340, ISO320)確かにカメラを上に向けるケースもありますね、レンズに付いた雫などは画に微妙に影響してくる可能性があるのでそのうち少し高いですがマルミの撥水性の高いプロテクトフィルターを雨の日用に調達したいところですね(普段はプロテクトフィルターは絶対付けない主義です)。でもこうして雨の日ならではの写真がこれから増えて、今までにない写真のアイデアが浮かんできそうですね。最後にこれは書いておかねばならないポイントですが、FUJIFILMお得意の「白」と同様の「肌色」ですね、これには驚きました(PROVIA:開放)。(f/2, 1/60, ISO400)たまたま家に来ていた孫をCobbyの散歩前にカメラを取り出したところで、窓ごしの淡い光で少し暗かったのですがテスト的に撮ってみたものです。この顔と左手の描写には家に帰ってPCで見てびっくりです、あの子ども独特のモッチリした質感ともどもなんと素敵な色なんでしょう。長くNikon機を使ってきてここ最近はSony(α7シリーズ)も使ってますが、この描写にまさる色・質感はあまり経験がないですね。つい先日まで孫たちの動き回る写真をしっかり写し撮ろうとα7IIIの大型アップデートに合わせて85mm F1.8と70-200mm F4を揃えてきましたが、なんかその座をX-T2に奪われてしまいそうな写りでちょっと嬉しい悩みになりそうです(笑)。Jpegオンリーでの撮影ということでFUJI的楽しみもありますが、今までの撮影スタイルを少し変えないといけないですのでしばらくはテスト・アンド・トライが続きそうです。ですがまたその過程で今までの培ってきたテクニックに磨きがかかることを考えるとまたまた楽しくなってきます。こうして見るとある程度写真を続けてきたからこそFUJIのフィルム・シミュレーションの素晴らしさを理解できて楽しめるようになったのかもしれませんが、もっと早く手にしても良かったかなとつくづく思いました...でも随分と前に使っていた「X30」もいい画を出してくれましたが、フィルムシミュレーションの真価までは理解できなかったですから「今でしょ!」ということなんだと思います^^。最後は雨の中で休憩中のCobbyです、まあ濡れネズミになってますがX-T2同様に雨は全然気にならない相棒です(笑)。(f/4, 1/240, ISO800)2019年6月 文化の杜公園、「キラリ☆ふじみ」ほかにて(X-T2 + XF 35mm F2R WR)