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カテゴリ:工房的電波方向探査
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アンテナ切り替え部から接続され、ドップラーシフトの変化を低周波信号に変換します。市販品をそのまま活用して簡素化しています。 受信機の必要用件 上記のとおり方探対象電波を AM と (ナロー)FM で受信出来て、外部スピーカー端子があれば受信機でも無線機でも使用可です。 なお、方向探査を電波の強弱で判別する方式だと、受信回路に手を加えてアッテネーターを組み込む必要があるようですが・・ 結論から言えば本方式は方探原理が電波の強弱とは無関係ですから、基本的に影響されません。 高価な無線機器を「そのためだけに」改造する必要は一切ありません。今回の実験では広帯域受信機 IC-R100 をノーマルな状態で使用しています。 機器全体の接続 左図がユニットごとの結線図です。切り替えユニットの0番端子に接続したアンテナは円周上の「北」の位置に置きます、同様に1番端子のアンテナは「東」、2番端子は「南」、3番端子が「西」となるよう設置します。 ちょうど上から見て北-東-南-西の「右回転」で受信アンテナをスキャンするイメージです。 (補足1)実際にはQTHが判っている局(中国大陸の放送や地元AMラジオ局等)を受信してみて、方向表示のずれをアンテナ位置の微調整で修正する必要があります。 (補足2)アンテナの切り替え方向が北-西-南-東の「左回転」になっても結果は同じです。 稼働時の動作 すべて結線しましたら電源を投入します。本体部のアンテナスキャンSWはOFF、MONITER-SWはON にしておき、受信機で中波か短波の安定した放送局をAMモードで選局します その局の方探を行うには、アンテナスキャンSWはON 、受信機を(ナローFM)に切り替えます。 モニターSPからはドップラーシフトを検波したトーン波、「ピーーー」という音が 聴こえますから、トーン波の位相とアンテナ切り替え信号が同期すれば、いままでクルクル回転するように点滅していた方探LEDが、どこか1点でピタリと停止するはずです。 受信周波数を変え別の局を方探します、違う方向のLEDが点灯するかもしれません。 百聞は一見に如かず。実際の様子をyoutube動画で説明していますので、 URL⇒https://youtu.be/HZnndymrer8からご覧くださいませ。 全然違う方向を表示する理由 基板製作や機器結線に間違いがないのに、放送局の実際の方向とは違うLEDが点灯することがありますが、理由は何点かあります。 理由① FM波を検波して低周波増幅され、スピーカー端子から本体部に接続されるまでの過程で、オーディオ特性上の問題(歪みや位相反転)でトーン音に正しい位置情報が反映されていないことがあります。 この場合の対策が上記補足1で行うアンテナの位置角度の微調整です。あるいは他の受信機に変更してみても良いかもしれません。 理由② 電離層反射によって本来の方向よりも違う角度からの電波が強かった場合。左の図2のように遠距離から送信された電波は、様々な自然現象の影響を受けながら伝播してきます。仮にA国の放送局を方探した結果、LEDがA国の方向とは真逆を示したならば、受信側の上空に発生している電離層の後方反射波の方が強かったのかも知れません(図2)。あるいはロングパス(LP)で入感している可能性もあります。 したがってこの場合は真逆の方向表示が正しい表示なのです。なぜなら本機は「最も強く電波が到来する方向」を表示する機器ですから。 理由③ 極めて不規則な周期のフェージングを伴っている場合です。本機の動作原理は至ってシンプルです。素直に電波の最大到来方向を表示しますが、シンプルすぎるがゆえにマルチパス等の位相変動に対してはある意味無防備です。マイコン処理で補正を行う等の小細工もひとつの手段かもしれませんが、今回はシンプルに徹するということで避けようのない誤差とさせてもらいます。 参考レポートとしてyoutubeにUPした動画では、発信地を百発百中のように表示している印象が ありますが(笑)実際には動画時間の関係で、放送局の送信地とLED表示が合致したものを抜粋して編集したものでありますことをご理解くださいませ(拝) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.02.23 22:19:37
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