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カテゴリ:今日の言葉
7/27 Fri 善(よ)き縁という命綱
昔の農家では養蚕(ようさん)がさかんに行なわれました。私も若いころ、蚕(かいこ)の繭(まゆ)から取った糸を二十本ぐらいひとまとめにして丈夫な絹糸に撚(よ)り上げる作業をしたものです。 その後、上京して植木屋さんに奉公したのですが、植木屋では垣根や植木に紐(ひも)をしっかり結ぶのが大事な仕事の一つでした。また、海軍時代には結索(けっさく)といってロープをしっかり結わえることが水兵の大事な仕事で、私は掃海時(そうかいじ)にからまった綱をほどく名人と言われたものでした。 そんなふうに糸や紐とかかわりが深かった私が、いま因縁の複雑な糸にしばられて苦しむ人びとの悩みを解きほぐし、解決の結びをつけるお役をするようになったのも因縁のように思えるのです。この因縁の糸は目には見えませんが、その結び方、解き方ひとつで、その人の人生がまるで違ってしまうのです。 人は、その時、その場で、いろいろ違ったことをしているように見えても、深いところでそれがつながっているのです。どんな仕事であっても、誠意をもって自分の全力を注いでいれば、それがやがて善き縁を生み、自分の命綱になることも多々あるのです。
庭野日敬著『開祖随感』より
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Last updated
2012.07.27 07:04:03
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