共感覚
小児臨床薬理学的話題、とは、かなりこじつけのトピックではありますが。。。 ☆ ☆ ☆ 新聞や雑誌などを読んでいたり、テレビを見ていたりする時に、自分の興味がある分野・領域の話題に関連したものがあると、特別に注意を払っているわけでもないのに、勝手にその言葉が目や耳に飛び込んでくるような感覚を覚えることはないでしょうか。文字で言えば、そこだけなんだか大きく見えたり、「読んでくれ」と言わんばかりに文字自体が主張しているように見えたり。 僕自身の例で言えば、医学、医療、診療、小児、薬、母乳、インフルエンザ、感染症、予防接種、ワクチン、麻疹、、、といった単語や文字、あるいはそれらの一部分には、特に敏感に自分自身が反応するような感覚が以前よりあります。「ある種の職業病かな」「困ったもんだな」、、、くらいに思っていたのですが。 テレビの人気ドラマシリーズ『相棒 16』が大好きです。その第4話、「ケンちゃん」で、”共感覚”という言葉がキーワードになっていました。 Wikipediaで”共感覚”を調べると、冒頭でこのように説明されています。『共感覚(きょうかんかく、シナスタジア、synesthesia, synæsthesia)は、ある刺激に対して通常の感覚だけでなく異なる種類の感覚をも生じさせる一部の人にみられる特殊な知覚現象をいう。 例えば、共感覚を持つ人には文字に色を感じたり、音に色を感じたり、形に味を感じたりする。』 ふうん、、、と思っていたのですが。。。昨日1/13、土曜の夜のビートたけしの情報番組、新情報7days ニュースキャスターの中で、大学入試センター試験の関連の話題で「幸運を呼ぶ四つ葉のクローバー」を扱っていました。そこでは、四つ葉のクローバーをすぐに見つけられるという若い女性が登場していました。いわく、「クローバーがたくさん生えている中で、四つ葉が光って見える」と。 それって、”共感覚”じゃん!!! テレビの発信をまるごと真に受けるわけでもありませんが、ピンとくるものがありました。 別に、自分に超能力のような特殊能力がある、と言いたいわけではありません。何かに興味を持つ、一生懸命になる、ということは、その人の五感を研ぎ澄ますことなのだろうな、という感想です。「アンテナを高くはる」という言い回しがあります。が、物理的に何かを大々的にはり巡らせて、手当たり次第になんでも引っ掛けて集めてやろう、というやり方は、あまりうまくいくようには思えません。もっと内面的な話のように思えます。 日常の診療においても、日頃から興味を持って臨んでいると、あたかも患者さんや病気の側が、見つけてください、と言わんばかりに寄って集まってくるような気持ちになる、あれ~っと思うような症例との出会い方を経験することがあります。日常診療をルーチン化、パターン化して、ベルトコンベアー式に患者さんと接していたのでは、そういう経験はきっとできないのではないかなと思います。 昨晩の四つ葉のクローバーの話題から、”共感覚”という能力(?)は、究極の「好きこそモノの上手なれ」ではないかな、と思った次第です。