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テーマ:野鳥好きっ♪(15990)
東京在住の鳥友から5月に入ると手賀沼沿岸でホトトギスの声は聞くのにカッコウの声が聞こえ ない。いつ頃から記録がないのかと質問をもらいました。 手賀沼とその周辺地域で観察記録を振り返ってみました。 あわせて、千葉県と隣接する都県での分布も文献を調べてみました。 (まとめ) ・手賀沼沿岸では、2017年6月12日の記録を最後に鳴き声が記録されていません。 ・手賀沼流域の街では、柏市南部で2003年繁殖期まで、利根川流域では2010年までは鳴き声の報告が寄せられていましたがそれ以降は寄せられていません。 ・千葉県と隣接する都県の埼玉県で2011年以降は鳴き声の報告がない、茨城県では分布が急減していると報告がある一方で東京都では2010年以降分布が拡大傾向にある、神奈川県では限られた地区で新たに定着するところもあると報告されています。 (手賀沼沿岸での観察記録) 1978年6月9日、1978年6月19日、1980年8月10日、2017年6月12日にいずれも手賀沼沿岸で記録があります。 (手賀沼沿岸以外での観察記録) 2000年5月29日、同年6月6日から9日いずれも柏市南部地区、2002年6月3日、20日柏市南部地区、2003年5月31日から6月15日柏市南部地区で鳴き声の記録があります。 2005年5月18日から7月20日、2006年5月14日から7月23日、2008年5月16日から6月25日、2009年5月28日から7月5日、2010年5月13日から7月14日いずれも我孫子市利根川沿いで鳴き声の記録があります。ところが、2011年以降は報告が寄せられず現在に至っています。 (近隣の都道府県の記録) 朝日新聞デジタル(2019/5/17)が掲載した日本野鳥の会埼玉の記録によると、1996年に開催した計80回の探鳥会でカッコウの出現回数は12回、出現率は15%だったものが、2011年は0回だったと記されています。 東京都(2020)では、1970年代から1990年にかけて急減したものが2010年以降分布を拡大していると報告されています。 神奈川県(2022)では、箱根仙石原などに限られているが、相模原市、大和市にも定着する傾向があると報告されています。 茨城県(2021)では、分布が2005年38から2016-2021年で14メッシュと63%減となったと報告されています。 (引用) 東京都.2020.レッドデータブック.p447-506. 神奈川県.2022.神奈川県鳥獣生息分布調査報告書. 茨城県.2021.茨城県鳥類繁殖分布調査報告 2016-2021.p7. (写真) 2017年7月19日栃木県戦場ヶ原で撮影
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最終更新日
2024.04.21 18:14:50
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