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カテゴリ:行き先不明の物語
おばさんが 月花の背を パシと叩いて言った 「あした 目ぇ覚めたら一番に電話し。 朝の勢い借りて おはようの代わりに おめでとう言うたらええ」 「ちょっとっ 人の心 のぞかないでよ!」 「あんたが ひとり言 言うてたんやん」 「夢の中のひとり言を聞くなんて 思い切りプライバシーの侵害」 「そんなことくらいで うじうじ してたら タフな女になれんで」 そんなこと? 「おばさんみたいな 厚かましい中年女には なりたくありません」 「そんなことよりなあ アタシ 自分とこに帰りたいんやけど」 また そんなこと って 言った。 月花の悩みを そんなこと だって。 「とっとと帰ってよ って言うか 勝手に人の夢にリンクしないでよね」 「りんくぅ?」 「月」 と 月花は 窓の外の月を指差す。 「月なんか作るから 夢と夢が リンクしちゃったの。 ああ ついてない。 どうせなら もっと素敵な人の夢とリンクしたかった」 「それ 繋がるってこと? そうなん? 月で? 」 「なによ その年になって気づいてなかったの? 夢の中で 月から何かが出入りしてるの見たことないの? 」 「そー言えば・・・ あ~ そうやったんか~。」 「わかったら とっとと 帰って。」 「やっぱり わからへんわ。 なんで あんたの夢に落ちたんや?」 「たまたま おばさんの夢とあたしの夢が 接近した時に 月をくぐったんでしょ。 あたし 今年の運勢 最悪」 「ふ~ん ようわからんけど・・・」 おばさんは 窓の外をチラッとみて 「ほんなら あの半月くぐれば 帰れるん?」 「そ ばいばい」 早く 帰っちゃって。 つづく 応援クリックいただけるとうれしゅうございます お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.01.11 07:40:07
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