聞く耳を作ってから話す
何度言っても、子どもが言うことを聞かない、そんな経験ありませんか? 賢ちゃんは何度も経験しました。 この原因が、コーチングを学んでとてもよく分かりました。 それは、「人は、自分が聞きたいことしか聞いていない」と知ったからです。 これは、後に養老孟司先生(東京大学名誉教授)の著書「バカの壁」を読んだ時にも再確認したことなのですが、同書によれば“「話せば分かる」は大嘘で、聞く耳を持たない人間には、何度言っても通じない”ということなんですね。 聞きたくない親の小言を、子どもは「頭を下げて、頭上を通り過ぎるのをじっと待っている」だけで、殆ど聞いていないからです。 相手が興味・関心を持っていないことは、こちらがいくら熱弁を振るっても相手の心には入らないんです。 そこで先ず、自分が話したい相手に(子どもに限らず)「聞く耳を準備してもらってから話す」ことが重要になります。 この人の話を聞いておくと「自分にとってプラスになりそう」と、相手に思ってもらえるような会話が事前にできれば、その後の話は、興味・関心を持って「自分ごと」として聞いてもらえるからです。 賢ちゃんの授業や講演の前には、例えば次のような前置きから、本題に入るようにしています。 「今回は、皆さんが○○○できるようになるお話をさせて頂きたいと考えております。 ○○○ができると、□□□や△△△などのメリットが得られますので、人生がとても楽しく豊になります。 皆さん、○○○ができるようになってみたいと思いませんか? (ここで、通常は多くの方がうなづいてくれます) それでは、皆さんとご一緒に○○○ができるようになるための学びに入っていきましょう。お話だけでなく、元気の出る演習も準備しておりますので、楽しみながら、最後までお付き合いを頂きますよう、宜しくお願い致します」 聞いて欲しい相手に、楽しく、興味・関心を持って耳を傾けて頂くために、どんな話題を提供すれば「聞く耳を作っていただけるか」、これが賢ちゃんの関心事なんです。